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服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう新連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!
今回の服好きゲストは、トゥモローランドでプレスを務める井上直哉さん。
1.〈J.M. WESTON×TOMORROWLAND〉のチェルシーブーツ
「このブーツは、トゥモローランド・ニューヨーク店がオープンした2015年に、その記念として作られた別注品。僕が入社したのはその2年後なので、リアルタイムでは客として見ていたブーツ。しかも、実際に購入したのは去年のことです。たまたまマイサイズが残っていて」
「ハイカットのブーツはとくに好きなアイテムで、結構持っているんです。ローカットと比べると、座って足を組んだときもパンツから足先までが繋がって見えて、その美しいラインが気持ちいいんですよね」
「サンドベージュのスエードっていうのが、珍しいですよね。持っている革靴は圧倒的に黒が多いのですが、最近は細身のデニムを穿く機会も増えてきて、シャープなトゥやこうした色味によさを感じています。ウエスタン調のフレアパンツなんかにもすごく合いますし」
「入社前に作られていた自社の名品を、自分が少しオトナになったいま、改めていいなと思い手に取った。時代を越えて愛されるって、すごいですよね」
2.〈FUMIYA HIRANO〉のオーダージャケット
「これは最近完成したばかりの、フミヤヒラノのフルオーダージャケット。ジャケットをフルオーダーするって、初めてで。およそ1年間、西麻布のアトリエへ通いながら、仮縫い、中縫い、最終調整……といった工程を追いながら完成していく、とても贅沢な体験でした」
「紺色が好きで、色はすぐに決まりました。あとは、かしこまらず、普段のハイゲージニットや古着のスウェットに合わせたい、といったイメージを伝えたり、僕の奥さんが持っているマルジェラ期のエルメスのジャケットの写真を見てもらったりしながら、デザイナーさんと一緒に作っていきました」
「生地はヴィンテージのドーメル。通常はコートなどに使われるような肉厚の生地を、あえて提案してくださいました。裏地は、あまり派手にならないように同系色に」
「カルーゾ、ドリス、マルジェラ、ギャルソン……とジャケットはもうめちゃくちゃ持っているんです。でも、これはなかでも一番普遍的。シャープで綺麗に着られるけれど、“ザ・ブリティッシュ”っていう感じでもなく、少しフレンチっぽい要素も持っている。50代になっても、きっと着ていると思います。その頃、どんな表情になっているんだろう」
3.〈HERMES〉のカードケース
「カードケースは仕事道具のひとつなので、いいものを持っておきたかったんです。エルメスの『カルヴィ』は、いつか欲しいと思いながらも、日本国内はつねに在庫薄。いつ店舗に足を運んでも、出合えない状況が続いていました」
「ただ、このあいだ海外旅行をしたときに現地のエルメスに入ったら、『ちょうど今朝入荷したばかりなんです!』ということで、ライトベージュやブラックなど、カラーも揃っていて。悩んだ末、こちらに決めました」
「この、裏地がオレンジの切り替えになっているのが可愛くて。財布は、以前メンズノンノの企画でも紹介したルイ・ヴィトンのモノグラムを使っていて、その茶色とも相性がいいだろうと思いました。名刺交換するとき、こういう色味だと雰囲気も明るくなっていいじゃないですか。運気もよさそうだし(笑)」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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