▼ WPの本文 ▼
時代を超えて愛され続ける “定番”アイテムには、完成されたデザインとしての魅力が詰まっている。ここでは、そんな永久定番名品のディテールから歴史までを深掘り。アウトドアブランドのパタゴニア(patagonia)が、クライミングセーターの替わりになる機能的ウエアとして世に送り出したシンチラ・スナップT。その誕生から現在までの進化を徹底解説。
| パタゴニア(patagonia)とは?
アメリカのベンチュラにて1965年、クライマーのイヴォン・シュイナードが自作の登山ギアを販売する「シュイナード・イクイップメント」を創立。1973年に衣料品の輸入販売・製造を本格的に開始した際、「パタゴニア」を立ち上げた。モルデン・ミルズ(現在のポーラーテック)社と「シンチラ」を開発し、1985年にスナップTを発売。
01
パタゴニアのシンチラスナップTの歴史
フリースの存在を世に知らしめアウトドア
シーンを変えた革新的テックウエア
1973年にスタートして今年50周年を迎えたパタゴニア。いち早くリサイクルに取り組み、環境破壊への警鐘を鳴らすなどアウトドアブランドとして、またグローバル企業としても社会的な責任を果たすリーディグカンパニーとして一目置かれている。今は誰もが知るフリースは、実はこのパタゴニアによって広まった。
書籍『社員をサーフィンに行かせよう』より
▲1950年代初頭、南カリフォルニア鷹狩団体のメンバーだったイヴォンは、絶壁にあるハヤブサの巣まで懸垂下降する方法を教わったことがきかっけでロッククライミングに傾倒することになる。
イヴォン・シュイナードの自作ギアが原点
パタゴニアの創設者はイヴォン・シュイナード。1953年、14歳のときにカリフォルニアでクライミングをはじめ、1957年には鍛冶屋の道具をそろえ自作でピトン(岩壁に打ち付ける鍵状のギア)をつくりはじめた。このピトンが評判を呼び、サーフィンやクライミングに明け暮れながらも、ギアをつくって販売し生計を立てていた。
Tim Davis©2023Patagonia, Inc.
▲パタゴニアの歴史の原点でもある、ベンチュラの鍛冶場。今も当時のまま「シュイナード・イクイップメント」の看板が掲げられ、その姿を残す。現在はこの周辺にパタゴニアの本社などが立ち並んでいる。
▲1996年、「シュイナード・イクイップメント」創業間もない頃のイヴォン(左から3人目)とその仲間たち。前出の鍛冶場の前にて(右ページ)。
1965年にクライミング仲間のトム・フロストと「シュイナード・イクイップメント」を立ち上げる。彼らは既存のクライミングギアを、強く、軽く、シンプルでしかも機能的に改良し、1970年にはアメリカ最大のクライミングギアメーカーになっていた。
©2023Patagonia, Inc.
▲機能美を誇る「シュイナード・イクイップメント」のアックス。この写真は1982年の「グレートパシフィック・アイアンワークス」(パタゴニアの直営店の名前)の通販カタログに掲載されたもの。
しかしふたりは、自分たちがつくるピトンが岸壁を傷めてしまうことに気づき、ピトン事業をやめることを決断する。ピトンに替わるアルミニウム製のギア、チョックを推奨し、1972年に「シュイナード・イクイップメント」のカタログに掲載。同時に“クリーン・クライミング”の手ほどきをして、ピトンからチョックへの移行を促した。
▲ “クリーン・クライミング”用のチョックとヘキセントリックとストッパーを肩にかけた1972年頃のイヴォン(左ページ)。
▲1972年に発行された「シュイナード・イクイップメント」の第1号カタログの表紙。シエラのクライマー、ダグ・ロビンソンがチョックの使い方を解説する“クリーン・クライミング”の手ほどきが14ページにわたって掲載された(左ページ)。
登山用のウエアに乗り出しパタゴニアが誕生
1970年の冬に登山のためにスコットランドを訪れたとき、イヴォンはタフな動きに耐えるラグビー・シャツをロッククライミングにいいかもしれないと思い購入する。帰国して山に着ていくと「どこで買えるのか?」と仲間に尋ねられた。ヨセミテのクライミングシーンでは白シャツにチノパンをカットオフした服装が一般的だったので、青字に赤、黄色のラインが入ったシャツは目立った。
書籍『社員をサーフィンに行かせよう』より
▲ラグビー・シャツを着て登攀する「シュイナード・イクイップメント」の立ち上げメンバー、トム・フロスト。今年発売された50周年記念「ナチュラル・アイコン」コレクションには、当時をオマージュするラグビー・シャツ型のニットもラインナップされた。
試しにイギリスのアンブロ社から取り寄せて販売するとすぐに完売。仕入れが追い付かなくなるほど売れた。そこでイヴォンは衣料品が会社を支える柱になるかもしれないと考え、1972年にラグビー・シャツのほか、レインシェル、ウールのミトンなどを輸入し、また自分たちでもパンツやバックパックなどを製作して、本格的に衣料事業をスタートする。
取り扱う衣料品が増えたところで、ブランド名を決めることになった。「シュイナード・イクイップメント」は、すでにクライミング界で有名だったので、ギアの会社のイメージを弱めるべきだはないという理由から、「シュイナード」が入っていない名称で検討。また山登りに特化した衣料品ではなく、もっと大きな目標を持つべきと考え「パタゴニア」という名前が浮上した。
▲1968年にイヴォンは友人のダグ・トンプキンス(ザ・ノース・フェイスの創設者)に誘われて南米パタゴニアの山に登った。イヴォンのその後の人生を決定づける旅となった様子は、ドキュメンタリー映画『Mountain of Storms』で見ることができる。
パタゴニアはまだ知る人ぞ知る地名で、「どこか遠くにある面白そうな場所」をイメージさせた。またパタゴニア地方のような厳しい環境で使える服づくりを目指していたこと、世界中で正しく発音してもらえることから、パタゴニアに決定。翌1973年にはフィッツ・ロイ山をかたどった稜線を入れたロゴを作成した。
▲パタゴニアが始動した1973年末の全社員(上)と、カタログ通販の箱詰め担当だった1974年頃のクリス・マクディビッド(下)。クリスは1979年から社長に就任し、成長期のパタゴニアを牽引した。
機能的なクライミングウエアの開発に着手
イヴォンは多機能なテクニカルウエアに注力していた。当時の登山界では木綿、羊毛、羽毛という重ね着が定石だったが、自由な発想でプロテクションを得ようと考え、北大西洋の漁師が着ている化学繊維のパイルセーターに注目。山岳セーターとして試してみるために、素材を探した。
1976年にイヴォンの妻が、カリフォルニア・マーチャンダイズ・マートでモルデン・ミルズ社が捨て値処分していた便座カバー用パイル生地の在庫を見つける。試作品をつくって山で実地試験をすると、このポリエステル生地はとても暖かく、シェルと組み合わせると最高だった。濡れてもすぐ乾くし、保温性も高く、重ね着の枚数を減らすことができた。製品化するとこのパイルジャケットは瞬く間にアウトドアの定番品に。
▲シンチラ開発物語のパートに掲載された、ユーモアあふれるこの1枚はイヴォンお気に入りの写真。
速乾性のある保温層の下に、汗冷えしてしまうコットンを着ていたのでは意味がないと、1980年には吸水性がない合成繊維、ポリプロピレンを使用した新たなアンダーウエアを開発する。パタゴニアはこのアンダーウエアの機能を中心に、汗を吸湿・発散してくれるベースレイヤー、その上に保温用のミドルレイヤーとしてパイル、最後に防風・防水のアウターレイヤーとしてシェルを重ねる「レイヤリング」という考え方を、カタログのエッセイを通して広めていった。
1985年にシンチラスナップTの販売を開始
パイルジャケットは大ヒットしたが、毛玉になりやすいという難点があった。そこでパタゴニアはモルデン・ミルズ社と共同で、パイル素材の改良に乗り出した。まずやわらくて毛玉ができにくい、英国の伝統的なボイルド・ウールやフェルトの化繊版のような「ポリエスエル・バンティング」を開発。最終的にはもっと肌ざわりがよくて毛玉が生じない、両面起毛の「ポリエステル・フリース」が誕生した。まるでチンチラ(南米原産の小動物)のような光沢を持つことから「シンチラ(Synchilla/シンセティックのチンチラ)」と名付けられた。
▲デナリ登頂を祝うイヴォンと友人。シンチラの前身となる「パイル」のジャケットを着ている。この写真は1982年の「パタゴニア ソフトウェア」の通販カタログに掲載された。
1985年にスナップTをはじめとするシンチラ製品がパタゴニアから発売された。シンチラはその機能性はもちろん、当時アウトドア製品といえば、タンやフォレストグリーンという色が主流だったところをカラフルに変え、またたく間にアウトドアシーンを席巻。同時にファッションアイテムとしても人気を博していった。
発売時のカタログにはオープンフロントやプルオーバータイプなど、さまざまなシンチラアイテムがラインナップされたが、スナップTのジッパーを使わないことによる軽さや収納性のよさ、そして何よりもポップでスタイリッシュなルックスは万人に支持された。発売以来、毎シーズン登場する定番として、シンチラ・スナップTはパタゴニアを代表するアイテムになっていく。
ちなみに日本では1988年にパタゴニア日本支社が発足し、同年10月に国内初の直営店「パタゴニアストア東京」が目白にオープンする。アメカジ、アウトドア、トラッドをミックスした渋カジの隆盛期とも重なり、1990年にはパタゴニアのシンチラ・スナップTが街でも大ブレイク。カラフルなシンチラ・スナップTをポロ ラルフ ローレンの紺チノやティンバーランドのモカシンに合せるスタイルが流行した。
▲経営危機を迎えた1991年、幹部を連れて原点となるアルゼンチンのパタゴニア地方に赴き「パタゴニアをどういう会社にしたいか?」、徹底的に話し合った。
1990年代初頭から持続可能な企業にシフト
80年代に急成長を遂げたパタゴニアだが、90年代初頭には会社経営の危機に直面。そこでイヴォンはパタゴニアのビジネスを見直し、100年先にも存続する企業としての理念を打ち出す。成長だけを追い求めない、環境経営や持続可能性について考える企業にシフトしていく。
▲パタゴニアのダム建設反対運動にガウチョ(牧畜業に携わる現地の人々)とともに参加するなど、ときにフィジカルな支援をすることも。
イヴォンは登山やサーフィンで世界中を旅して、環境破壊問題を目の当たりにしていた。まだ小さな会社だったころから、その現実に向き合い、動植物の生息域を守ったり、よみがえらせる活動をしている団体に寄付をしてきた。1986年からは毎年利益の10%、その後は売り上げの1%に増額。また環境負荷を減らす企業努力にも余念がなく、シンチラ・フリースもモルデン・ミルズ社と共同開発してリサイクル・ポリエステルを使用するように進化していった。
このほかにも深刻な環境汚染を引き起こす農薬を使った綿栽培に異議を唱え、1996年にはすべてのコットンをオーガニックコットンに切り替えた。創業30周を目前に、イヴォンは社員が手引きにできる理念書を書きはじめ、2006年に出版された『社員をサーフィンに行かせよう』はベストセラーに(邦訳は2007年、東洋経済新報社刊だった)。この成功を機に2007年にはパタゴニア・ブックスを創設。
2012年にパタゴニアは、カリフォルニア州初のBコーポレーション(B はbenefitを表し、社会や公益のための事業を行う企業に与えられる国際的な民間認証制度)になった。同年、修理プログラムとして今も展開される「Worn Wear(ウォーン・ウェア)」が始動。また2014年から「製品を製造する労働者の賃金を守るため、彼らにプレミアムな賃金が支払われるフェアトレード・サーティファイド・ソーイングを推進している。
▲Worn Wearは着古した洋服への愛のある呼称でもある。愛用した思い出のある服を長く着続けるため、2015年のオレゴンツアーのように各地にツアーに出向くことも(上)。またアメリカ・ニューヨークのソーホー店にはWorn Wearリペア・センターも構えていた [現在は閉鎖](下)。
▲自社工場を持たないパタゴニアが高品質をキープするために、サプライチェーンを見直し、労働者の環境や待遇を改善するためにパフェアトレードに取り組んだ。インドのプラティブハ・シンセティック社(写真)がパタゴニア初のフェアトレード認定工場。
「地球を救うためのビジネス」をミッションに
パタゴニアはさらに、環境にいい再生型農業の「リジェネラティブ・オーガニック」に着手し、2012年からは環境に配慮した食品コレクションとして「パタゴニア プロビジョンズ」も展開するように。2018年後半にはミッションを「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」に変更。そしてイヴォンは2022年にパタゴニアの所有権をPatagonia Purpose TrustとHoldfast Collectiveに移管した。これによってパタゴニアの利益が、環境危機と闘うための資金として恒久的に提供されていくことになった。
アウトドアブランドの中でも、熱烈なパタゴニア・ファンが多い理由、フリース製品を選ぶならパタゴニアとこだわる人が多いのは、製品のクオリティの高さだけではなく、その理念や姿勢によることが大きい。「もしあなたがパタゴニアのシンチラ・スナップTを手に入れたら、そのひとつをできるだけ長く、リペアしながら着続けてほしい」。そんなパタゴニアのメッセージにも耳を傾けたい。
02
パタゴニアのシンチラ・スナップTの
ディテール解説
モルデン・ミルズ社と共同開発し
1985年に発売されたフリースプルオーバー
シンチラ・スナップTは、パタゴニア独自の「シンチラ」フリース素材を使用したハイネック・プルオーバー。スナップボタン留めのフロント、袖や裾にポリウレタンのトリミングが施され、胸元にはパタゴニアのロゴタグが付く。1985年の発売当初はなかった胸のポケットが、1989年に追加され現在のデザインが完成。
〈メンズ・シンチラ・スナップT・プルオーバー〉
ポップなルックスも持ち味の定番トップス
豊富なカラー展開もシンチラ・スナップTの魅力。近年はオートミールとブラックが定番として展開され、そのほかはシーズンごとに新色や新柄が登場する。写真のObsidian Plum(オブシディアンプラム)は2023年秋冬の新色。丈夫であたたかいリサイクル・ポリエステル・フリース製で、フェアトレード・サーティファイドの工場で製造されている。
保温性と速乾性を備えた、10.3オンスの中肉厚な毛玉防止加工済み両面フリース生地を採用。フリース生地にもランクが存在するが、パタゴニアのシンチラは最高級グレード。
ベンチレーションの役割を果たす、4つのスナップボタン。配色の前立てもリサイクル・ナイロン製だ。ボタンを開ければポロシャツ風に、全部閉めればタートルネック風にとルックスが変わるのもスナップTの特徴。
(上)左胸にはポケットが付き、スマホなどの収納に便利。フラップの上にパタゴニアの織りネームが。
(下)スナップ留めのフラップは両端が縫いつけられており、中に入れたものが落ちにくい設計に。
袖口と裾には冷気の浸入を防ぐ、ポリエステルのトリミング付き。形くずれしにくく、耐摩耗性も強化されている。
背面はフロント同様切り替えがある。ヒップまでの着丈で、ヒップベルトやハーネスの着用にも対応。肩と袖は動きやすさを促進するYジョイント仕様。
製品タグには「Repair/Reuse/Recycle this product at wornwear.com」の文字が。製品を長く愛用してもらうために、パタゴニアが推進する3Rとともに「Worn Wear」のプラットフォームのURLも記載。シンチラ・スナップTはエルサルバドル、またはニカラグアのフェアトレード・サーティファイド工場で生産されている。
COLOR VARIATION
ブラックは近年の定番カラー
カラーアイテムのイメージが強いパタゴニアだが、ブラックもこのところ定番的にラインナップされている。ブラックはポケットのフラップやトリミングも黒で、ミニマルな印象。モード系の着こなしにも活用しやすい。
スナップTにはライトウェイトがある!
〈メンズ・ライトウェイト・シンチラ・
スナップT・プルオーバー〉
仕様は同じでシンチラの厚みが違う
ライトウェイトは8オンスのリサイクル・ポリエステルを使用した軽い着心地。シンチラの厚み以外はデザインも同じだが、展開色や柄はレギュラーのシンチラと異なる。レギュラーよりもライトウェイトのほうがカラーバリエーションは多く、選びがいあり。
| Column
50周年記念「ナチュラル・アイコン」の
スナップT
〈ナチュラル・ブレンド・
スナップT・プルオーバー〉
初期ロゴがついたウール混素材のスナップT
創業50周年を記念したコレクション「ナチュラル・アイコン」には、天然素材をブレンドしてリメイクされたパタゴニアのアイコンがラインナップされている。スナップTもそのひとつ。ポリエステル、ウール、コットン、ナイロン・シンチラ・フリースを混紡したリサイクル素材を使用。パイル素材を切り替えたデザインに、パタゴニアの歴史が垣間見える。
03
パタゴニアのシンチラ ジャケットの
ディテール解説
1987年に登場したスナップTと
並ぶシンチラの人気アイテム
シンチラと聞いてこのジャケットを思い浮かべる人も多いはず。初登場は1987年で、その後も現在に至るまで、継続的に展開されてきた。基本的なデザインは変わらず、シルエットや素材がアップデートされている。
〈メンズ・シンチラ・ジャケット〉
アウターとしても活用できるジップジャケット
中厚であたたかいリサイクル・ポリエステル100%のシンチラ・フリースを使用したフルジップのジャケット。現在はポケットやトリムにパタゴニアの大定番「バギーズ」の端切れ生地が使用され、フェアトレード・サーティファイドの工場で製造されている。初冬であればシェルなしでアウター活用もできるあたたかさ。
8オンスのリサイクル・ポリエステル100%の毛玉防止加工済み両面フリース素材。近年のシンチラの定番カラー、オートミールとブラックは原料染めヤーンを使用している。
スタンドアップカラーになるフルレングスのジッパーフロント。襟の外側にはリサイクル・ナイロンを施し、ジッパーを閉じたとき襟がしっかり立つようにデザインされている。
左胸にはジッパー式のパッチ型ポケットが。フロントにスナップTのようなロゴパッチはなく、ジッパーにフィッツ・ロイのロゴタブが付く。
リサイクル・ナイロンの縁取りが施された2つのフロントポケット。ウェビングのジッパープル付き。
ポケットの裏地には通気性に優れたメッシュがあしらわれている。
袖口と裾にはリサイクル・ナイロンの縁取りが付き、冷気を防ぐ。
ジャケットの背面は一枚仕立て。バックパックを担いだときに縫い目が当たらないセットインスリーブを採用。
スナップTと同様「Repair/Reuse/Recycle this product at wornwear.com」記載の製品タグ。シンチラ・ジャケットはニカラグアのフェアトレード・サーティファイド工場で生産されている。
COLOR VARIATION
ワントーンのクールなブラック
ジャケットもブラックが近年、定番展開されている。ワントーンにブルーのプルタブが華やかさを添える。ロゴパッチのないアノニマスなルックスで、ファッションユースとしても人気が高い。
04
シンチラ アイテムのバリエーション
ベストやパンツもラインナップされ
セットアップ的に楽しむことも!
シンチラアイテムはカジュアル・フリースカテゴリーで毎年、バリエーション豊富に展開されている。レディースやキッズの展開もあり、また小物もあるのでギフトにも最高だ。ここではファッションユースにおすすめの3アイテムをピックアップ。
〈メンズ・シンチラ・ベスト〉
防寒にもレイヤードにも大活躍
シンチラ・ジャケットと同じ1987年に登場した、ジャケットのデザインを踏襲する、スタンドアップカラーのフルジップベスト。温度調整に最適なのはもちろん、今年はアウターレイヤードに応用するのもおすすめ。コートスタイルにテック感を盛りたいときのインナーなどにもお役立ち。
〈シンチラ・カーディガン〉
Vネックデザインがナイス!
ジャケットの衿をVネックにして、両サイドのポケットをサイドシームに沿った仕様にしたフロントジップカーディガン。シャツ&スウェット、あるいやタートル&シャツなど、Vネックならではの襟元レイヤードが楽しめる。
〈メンズ・シンチラ・パンツ〉
スウェットライクに活用できる
1985年のスナップTと同じタイミングで発売されたシンチラ・パンツ。縁をトリムした裾絞りのデザインは変わらずだが、ヒップポケットまわりのディテールなどは変化している。最近のものはナイロンのジッパー式パッチポケットが付く。
ジャケットやベストとセットアップにしたときにおそろい感が強調できるナイロンパッチのヒップポケット。写真のNicker(ニッケル/グレー系)はネイビーの配色、ブラックは同色のワントーン。
問い合わせ先
パタゴニア日本支社 カスタマーサービス TEL:0800-8887-447
www.patagonia.jp
05
みんなのパタゴニア
「シンチラ・スナップT」スナップ!
おしゃれな人たちがシンチラ・スナップTをどんなコーディネートで着ているか? スナップとコメントでお届け!
シンチラ・スナップTの正解着こなし①
石川大樹さん/WAG, Inc. プレスアシスタント
「このシンチラ・スナップTは5年前に古着で見つけました。ほかのアウトドアブランドからも似たようなものが出ていてどれを買おうか迷っていたら、スタッフさんから『パタゴニアはフリースの元祖だ』といろいろな話をきいて。”原点にして頂点とはこのことだ“と思い、パタゴニアを購入しました。きょうは僕が思う定番アイテム、ヘインズの黒T、ディッキーズのパンツ、USネイビーのサービスシューズとコーディネート。スナップTが主役になる黒合わせです」
「パタゴニアのシンチラ・スナップTは豊富なカラーリングや柄展開、長い歴史の中でアップデートを続けている点も魅力的です。このブルーのスナップTは襟裏のパイピングがまさかのピンクで、見えないところまで行き届いた細かい遊び心にグッときました。パタゴニアは地球環境への取り組みに熱心で、素材開発、リユースやリペアはもちろん、キャンペーン動画などを通してさまざまなメッセージを発信しています。しかも、最近はじめたわけではなく、この分野の先駆者ということも、僕を含め多くの人の心をつかんでいるのではないでしょうか。パタゴニア大好きです!」
シンチラ・スナップTの正解着こなし②
林克哉さん/COVERCHORD スタッフ
「シンチラ・スナップTはリーズナブルプライスで汎用性が高く、カラーリングも豊富と、まさに”パタゴニアといえば”なアイテムだと思います。シンチラはスウェットパンツと相性がいいので、きょうはポリプロイドのセンターシーム入りをセレクト。ジャケットはブラームスのウールシャギー素材。モノトーンのコーディネートにノンネイティブ×アンダーカバーのブラウンスウェードブーツを合わせて、リラックス感がありつつ品のいいスタイルにまとめました」
「ジャケットのインナーに合せたくて、ライトウェイトバージョンをジャストサイズで買いました。色はベーシックなグレーですが、ブルーのカラーアクセントがコーデに落とし込みやすくて気分だったのでこの配色に。パタゴニアは洋服から食品まで、地球環境にも人にも配慮したサスセナブルなブランドとしていつも注目しています」
Photos:Erina Takahashi(still) Stylist:Takumi Urisaka Composition & Text:Hisami Kotakemori
▲ WPの本文 ▲
僕らの永久定番名品ファイル