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撮影や展示会など、トレンドアイテムに日々触れているエディターたちのプライベートな買い物事情は? 自分の中で「BUZZ」っている愛用私物や狙っている新作をリアルに語り尽くす連載「edior’s BUZZ」から、ガチでヘビロテしている“愛用黒バッグ”をピックアップ。
1.プラダのショルダーバッグ

このバッグを擬人化したなら、“フットワークが軽く、少しのことでは動じない仕事のできる人”!?
気兼ねなく普段使いできるタフさがあり、それと同時にスタイリッシュかつモードな印象もかなうバッグの最高峰と言えば、私の中でプラダの「Re-Nylon ショルダーバッグ」を置いて他にありません。

ご存じ、サステナブルな観点から世界中で支持を集める再生ナイロンを用いて作られたボディには、雨の日も照りつける猛暑の中も、砂塵の舞い上がる風の日も、ロケ撮影や取材に顔色ひとつ変えずに付き合ってくれる逞しさがあります。かと思えば、ちょっと素敵なカフェでの打ち合わせに連れていったなら、たちまち端正な佇まいで寄り添ってくれるデザイン性の高さが。なんなら、持ち主がコーヒーをこぼしても涼しい顔をしている。


バッグに人格があるならば、“フットワークが軽く、少しのことでは動じない仕事のできる人”といったところでしょうか。バタバタと日々駆け回る私にがしがし連れまわされているのに、“スン”と冷静な佇まいを崩さない、スマートな頼もしい相棒という感じで、手持ちのバッグのなかでも登板率が非常に高いです。


すっきりスマートなビジュアルからは予想もつかない大容量!
サイズやディテールなど幅広く展開されている同シリーズの中でも、こちらは極めてシンプルなデザインのもの。コンパクトに見えますが、見た目以上にたくさん物が入ります。今入っているものを全部出してみたら、三つ折り財布、カードケース、スマホ2台、ハンカチ、ティッシュ、ハンドジェル、アロマスティック、リップ3本、レシートの束(だめでしょ)、ボールペン、胃腸薬、名刺入れ、替えの使い捨てコンタクト、さらにはデンタルフロスが出てきました。さらに付属のバッグチャームにはAir Podsとカギが。これだけ入れば十分でしょう。

さらにショルダーの長さはもちろん調整可能。厚手のアウターでもこもことボリュームアップする季節も、ゆとりをもって装着できます。

ポーカーフェイスでストイック、なのに環境へ配慮する優しさや、こまごまと気の利いたところまである。こんな完璧なバッグ、きっとしばらく他には見つかりそうにありません。(エディター宮﨑)
3.《MM6 Maison Margielaのバッグ“Japanese bag”》

着こなしを格上げしてくれる
“黒”のアイコンバッグ
Tシャツにデニムなど、夏の着こなしはどうしてもシンプルになってしまいがち(それはそれで可愛いのですが)。そんな時に私が頼っている相棒バッグが、MM6 Maison Margielaの「ジャパニーズ」バッグです。

2009年秋冬コレクション発表されてから、ブランドのアイコンバッグとして愛されてきた「ジャパニーズ」バッグ。カラーや素材がアップデートされた新作をシーズンごとにをチェックするのもとっても楽しいですよね。

大きさ、素材、カラー……様々なバリエーションの中から、私は黒のメッシュ素材のものを選びました。モードな印象になりすぎず、カジュアルに使えるところがお気に入りです。レザーのものと比べると、お値段がより手に取りやすくなるのも嬉しい。

夏の黒は「重く見えそう…」と少し敬遠していた部分があったのですが、このバッグはメッシュなのもあって涼やかな印象はそのままキープ。コーデの引き締め役として頼りにしているアイテムの1つです。

あと、これは購入してから気づいたのですが、湿度の高い日や汗をかいた時でも肌にペタッとくっつかないことも好ポイントでした。些細なことではありますが、一度その快適さを知ってしまうと戻れなくなります(笑)。

“折り紙”を着想源にしたことでも知られる底部分の「ジャパニーズ」バッグ。スナップボタンを留めることで、また違った印象のフォルムに。

着こなしを格上げしてくれるムードと、合わせる服を選ばないシンプルさのバランス感は唯一無二。あまりに使い勝手がいいので、素材やカラー違いでもう1つお迎えしようと絶賛検討中です(笑)。(エディター渡邉)
3.プラダのレザートート「バックル」

「異次元」が過ぎるよ!
昔から、ドラえもんの「ひみつ道具」の中で「ひとつだけもらえるなら何が欲しい?」って話になると、お決まりの「タイムマシン」や「どこでもドア」に始まり、それぞれにまぁ盛り上がるわけですが(僕は「いちばん欲しい」というのではないけど、小さい頃に読んだ大長編シリーズ『ドラえもん のび太の大魔境』(映画は1982年公開)に登場する「植物改造エキス」。ひみつ道具の中では比較的地味だけど憧れた。ストーリーも好きです)、そのうち「俺は…四次元ポケット‼︎」と言い出すやつ(大体ドヤ顔)が決まって現れる。そりゃそうだろ、と。あらゆるひみつ道具が取り出せちゃうんだから。※ただ、今は、ポケットの中にいろんなひみつ道具をドラえもんが格納していただけで、それ自体は単なる便利な収納ツールにすぎないんでは? と思う(いや十分すごいけども)。

と、まぁチートだってのを除いても、四次元ポケットは単純にデザインとしてモダンだと思うんです。もしあのお腹にポケットがなかったとしたら、何だか締まらない。あのポケットは不可思議な四次元空間へと繋がる「入り口」であるととともに、ドラえもんのスタイリングに不可欠で要の「デザイン」。偉大すぎです……藤子・F・不二雄先生。


これが似合う大人になりたいんだ…
大人だけど。
普段の僕らのスタイリングを考えた時、ビジュアル的にも機能的にもこの「四次元ポケット」に相当するアイテムが「バッグ」ではないでしょうか(アノラックのカンガルーポケットみたいな、そのものズバリ!のものも存在するけど、ここでは割愛)。
昨年発売されたプラダの「バックル」は、まさに四次元ポケットと評するのに相応しいチート感。いや「四次元」でも足りないか。ええい、とにかく名作!傑作なの(語彙)! 重厚なカーフレザーに2つの大きなメインコンパートメント。その隙間にインポケットがある他には細かな収納はない。これを「物足りない」と捉えるか「潔い」と捉えるかは、人それぞれかも。僕はもちろん後者。ミニマムな装飾性で「これぞプラダ!」な哲学を体現する最高のプロダクトだと思う。

近年、持ち物が過不足なく収まるジャストな容量のバッグを好んで愛用してましたが、このプラダ バックルの、パソコンもタブレットも入ってなおありあまる余裕&懐の深さに、一周まわってうっとり…。っていうかそもそも大人はギッチギチにバッグにモノを詰め込んだりしない。ねぇ、ドラえもん。僕、いつの間にか間違った大人になってたみたいだよ…。なかなかの重量感なので、本来はクルマ移動に相応しいのだろうけど、むしろこのバッグを持ち歩きたいからクルマに乗りたい…と思う僕は、ペーパードライバー編集長(45歳)。

以前にも書いた気がするけど、ハイブランドの靴などを指して「素敵な靴は素敵な世界へ連れていってくれる」と評することがある。お決まりのフレーズだ。独特の高揚感をポエティックに表現しているわけなんだけど、それじゃ「バッグ」はどうなんだろう? 僕が思うに、素敵なバッグは素敵な世界へと「繋げてくれる」存在。このプラダ バックルを介した途端、ドラえもんのひみつ道具みたいに、(バッグだけでなく)中の荷物ひとつひとつもどこか不可思議で秘密めいたロマンティックな光を帯びる、気がする。
(法律上はとっくに)僕は大人だ。小さい頃はただただ「大人だなぁ(怖えなぁ)…」と思っていたのび太の担任(氏名不詳)よりもはるかに大人(ともにメガネ&センターパートだけど、僕は圧倒的に白髪)。でもこのバッグに相応しい大人になれているか? って言われるとちょっと自信がない。冒頭で触れた植物改造エキスや、ほんやくコンニャクは一部現実のものとなっている。もう時代はドラえもんに追いついているっていうのに!!! ……追いついてるっていうのに、僕はペーパードライバー。どちらの未来も全く想像できてなかった。講習行くしかないの? ねぇ助けてよ、ドラえもん!(エディター吉崎)
Photos:Ibuki Tamura

吉崎
メンズノンノ編集長
「肩幅が広い」でお馴染み。2024年6月よりメンズノンノ編集長。肩書きがパワーアップしたことでmy shoulderに磨きをかけ、肩で風切って歩きたい。愛猫(ほこり)を肩に乗せたポートレートをプロフィールカットにしたいと目論んでいる。炭酸泉が好き。甘党。

渡邉
メンズノンノ編集部
女性誌編集部から異動してきたメンズノンノ1年目(入社4年目)。本誌では主にファッション企画とフード企画を担当。差し入れ探しを名目に、スイーツを衝動買いしてしまいがち。
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