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人気ショップやブランドを多数ディレクション、自身のお店「ブティック」も絶好調のクリエイティブディレクター・金子恵治さん。新しい視点と発想に満ちた「頭の中」を、旅の話を通してのぞいてみよう。
SOUVENIR
ロンドン&ソウルの旅で買ってきた
少数精鋭のセルフお土産をご紹介


老舗テーラーの今着たい名品
アンダーソン&シェパード ハバダッシェリーには2度訪問。


輝くシルバーの存在感に
贅沢にシルバーを使ったキーチェーン。「スぺシャーレのショップのSを模したモチーフも洗練されていて、他にないオーラを放っている。自分の店で取り扱いたいほど刺さった」


「フォックスアンブレラの年代物(左)と、パーツにゴールドが使われた贅沢な作りの1本(右)。お値打ち価格で入手」

1906年の革小物
「1906年頃のもので用途は謎。この薄型&ポケットサイズに既視感が…と思ったらSDカード入れにピッタリ。100年の時を超え、現代の用途で楽しめるのはある種のロマン」

「英国好きとしてハンティングルーツの折り畳み椅子が刺さった。英国メーカーの車に乗っているので積んでおきたい」

ゆるいロゴのノリが気に入った
「anvilのボディの古着Tは『NiceWhetherde』でノリで購入」


憧れのジャケットの復刻を発見
アンディ・ウォーホルのポスターをはじめ、作り込まれたアーカイブの展示。正式名称はマルチポケットジャケット。

すばらしい作りのノーティカの古着
「8,000円くらいで購入したノーティカは普段着」
買うべくして買ったお土産と
また始まるネクストチャレンジ(笑)
帰国後は、自分へのお土産を眺めるのも一興。我ながら厳選された買い物で、つい思い出話が長くなる(笑)。例えば、ロンドンに着いてすぐフォックスアンブレラの工場を訪れたからか、旅の間、頭の片隅に傘があって…数日後、郊外の蚤の市でまさに良質のフォックスアンブレラを発見。さらにフォックスアンブレラの前身のメーカーの傘も野ざらしにされた状態で見つけ、さすがにシルバーのパーツは酸化しているよなと思いきやなんと本物のゴールド。工場見学を通じてフォックスアンブレラでは古い傘を直してくれると知ったので、切れたストラップなど修理する前提で購入。さらに工場で見かけて欲しかった折り畳みチェアにも、別の傘屋でまさかの再会(笑)。蚤の市では他にも、過去にエッティンガーで見かけたことがあるシルバー飾り付きの革小物を発掘。雑多にジュエリーがばらまかれた中にひっそり混じっていたのですが、一瞬でヤバイと気づきました(笑)。コードマーク表をネットで照会するとおそらく1906年製。こちらも帰国後、ロザリアプロダクトさんに縫製を、スタジオヒルズさんに革を修理に出したら新品のように蘇るかな? と期待して購入。

ソウルの「レノマ」のお店では、「レノマ アーカイブクラブ」という韓国のオリジナルラインとの思いがけない出会いも。僕が購入したのは、アンディ・ウォーホルが中国旅に行くとき、パリのレノマで買ったという逸話で有名な1着で、通称「カメラジャケット」。機能的なマルチポケットで、身幅や裾の詰まり方も完全に僕好み。僕のための復刻か? とテンション爆上がり。帰国後、知人にたまたまオリジナルのヴィンテージの私物を見せてもらえる機会があったのですが、ほぼ同じシルエット。古いものが逆に今っぽいフォルムだったという気づきも面白いですよね。
…と話は尽きず、そこから、自分が次に作りたいもの・見たいものへと広がっていく。僕のお店「ブティック」も何かストーリーの生まれる場所でありたい。様々な気づきを得られた旅でした。
Photos:Erina Takahashi(still) Keiji Kaneko(London, Seoul) Composition&Text:Takako Nagai
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