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「古着＝安くてイイ」は当たり前。問題は何を求め、どう掘るか。古着を愛するスタイリスト、俳優、映画監督の3人のディープな「ディグ」に同行。うんちくよりも、感覚！？ トレンドよりも、好み！？
発掘するのは…
連日、吉祥寺で
他人と違うものを探してる
Cherry Loville
「ツナギはペンキが飛び散っていて、それも惹かれた理由のひとつ。年季の入ったレザージャケットは重ね着しやすいビッグサイズがありがたく、いなたさも好みです」
「サテン生地のスカジャンにリーバイス®のストレートデニムを腰ばき。ビビッドなグリーンとアイスブルーの配色も込みで、やんちゃ感のあるスタイル。ダークブラウンのジャケットでバランスをとって仕上げました」
「90’sのトミー ヒルフィガーのスキーウェアが￥9,700！ オレンジのフリースで鮮やかな色を足しつつ、パンツは太畝のコーデュロイでレトロな雰囲気をさらにひと押し」
「L.L.ビーンの熊柄のパジャマパンツはかわいさで優勝。悩まずチャレンジできる￥5,940というお値段もうれしい。上半身はボルドーのシャツとツイードのジャケットで大人の色気をぶつけてまとめました（笑）」
ポップなアメカジ古着がそろう
Cherry Loville
吉祥寺駅の南口から徒歩3分ほど、ビルの2階に潜む隠れ名店。80’sや90’sのお値打ちなレアもの多数。
住所：武蔵野市吉祥寺南町1の15の1 吉祥寺オリエントマンション2F
営業時間：13時〜20時 不定休
VOLO
「ナマズのぬいぐるみが取りつけられたキャップで完全にウケ狙い。犬のイラストが入ったフーディーはオーナーが立ち上げたPALMというブランドのもので、ゆるさが魅力。赤いチェックパンツもきいています」
80’sのワークジャケットは￥7,400。「着丈がコンパクトでスタイリングがグッとモダンに。タック入りのスラックスと革靴で大人なスタイルに仕上げつつ、コンバースのキャップでスポーティな要素もプラス」
「90’sならではのポップな配色のチェック柄ベストは￥7,400。シャツは一見普通に見えて微妙に起毛素材なんです。アメリカの映画館の名前が入ったキャップもユニーク」
「鳥のワッペン付きハンティングジャケット、ギンガムチェックのコックパンツ。ユニークなアイテムをかけ合わせました。前の持ち主の生活が見えるのも古着の面白さ」
気鋭の店主のクセありセレクト
VOLO
倉庫のような店構えが目を引くVOLO。古着のみならず、アンティーク食器や、おもちゃ、図鑑などのユニークな雑貨も並ぶ。
住所：武蔵野市吉祥寺本町2の17の11
営業時間：13時〜19時 木曜休
Garnish
「ベーシックなスウェットパンツも古着ならシルエット、素材、裾の処理などで人とかぶりにくい。ブラックウォッチのテーラードジャケットで、かわいげあるアメトラスタイル」
カモフラ柄のパンツに合わせた80’sのミリタリーコートは￥19,400。「コートはガバッとはおりつつ、あえて軍モノ合わせで強めの存在感を意識。スタイリングに寄せてワルそうなポーズに挑戦しました（笑）」
「すっかりクタクタになったハンティングベストが味わい深い。某百貨店の紙袋を彷彿とさせるネルシャツをインに着てファニーな個性を出してみた。ややフレアの細めのパンツを合わせて今っぽさをキープ」
レトロ配色のチェックシャツは￥6,940でフラップ付き胸ポケットも特徴。「80’sのリーバイス®で全身のフォルムをコンパクトに。古い？ おしゃれ？ のギリギリを狙いました」
レトロかわいい品ぞろえ
Garnish
40〜90’sまで幅広い年代のアメカジ古着を軸に、グランパコアな柄アイテムも豊富。店舗の2階にはヴィンテージの家具や雑貨もそろう。
住所：武蔵野市吉祥寺本町4の1の2
営業時間：13時〜19時 不定休
Ensemble
「ウサギ、羊、アヒルと動物が並んでプリントされたスウェットにひと目ぼれ。パープルは高貴な色と言われますが、トーン違いのワークジャケットを重ねれば…ただ者ではない感、醸し出せてますかね？」
「青・緑・黄で絵の具のパレットみたいに鮮やかな3色盛り。パーカはアバクロでアメカジムードを意識しました」。インナーはキルトジャケットで、パンツはスウェット。
山登り用のダウンベストは￥19,800。「中に着た90’sのパタゴニアのシャツは、ノスタルジックな配色にアガります。派手な色・柄の組み合わせは全身をジャストサイズでまとめて、スマートに成立させるのがお決まり」
インナーのTシャツは木村カエラの公式グッズ。「かわいいTシャツにフリース素材の花柄のシャツが相性抜群。レザーのハットで武骨さをプラスしたのもポイントです」
ジャンルレスに今の気分を横断
Ensemble
日本のデザイナーズから海外のアウトドアブランドまで、ジャンルや年代を問わずに展開。ファッション業界人のファンも多数。
住所：武蔵野市吉祥寺南町1の10の6
営業時間：13時〜20時 水曜休
ライフワークの古着ディグで
365日、違うスタイリング
「自分の名前と同じ『祥』の漢字が入っているという理由で19歳の頃から住み始めた吉祥寺。古着をディグるには最高の街です。個性あるセレクトの隠れ名店が多いし、数百円のアイテムがカートに詰め込まれたリサイクルショップも多くて僕にとって宝の山。365日違う服を着たい人間なので、安い分には好都合（笑）。ファッションに無頓着でも浮かないあたたかい土地柄だからか、マイペースに服を吟味させてくれる懐の深いお店ばかり。たまにスタッフとして店頭に立つ『チェリー ラビル』の古着はほとんどが1万円以下で手に取りやすく、入荷のサイクルが早くていつも新鮮です。『VOLO』はただ者ではないオーラを放つ店主のファンになり、洋服以外の小物も面白くて刺激的。この街で大量の洋服を購入して、スタイリングを組みまくって、自分に似合うものがわかってきた。特に色・柄が大好物で、派手なモノ同士でも関係なく組み合わせるのが自分流。このスタイリングもグリーンのツナギに、トグルボタンのレザーコートという強めのアイテムをぶつけてみました。さらにワークジャケットを挟むという足し算で逆にバランスをとったつもり。主役級のアイテムに頼らず、いかに自分らしいスタイルに昇華できるかがセンスの見せどころだと思います。最近は80〜90’sのレトロなディテールにもそそられるようになってますます深まる古着沼。仲間と古着屋をはしごしては、夜は横丁で古着談議…という“古着三昧”な生活を送っています」
Photos：Mitsuru Nishimura Composition&Text：Takako Nagai
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