▼ WPの本文 ▼
撮影や展示会など、トレンドアイテムに日々触れているエディターたちのプライベートな買い物事情は? 自分の中で「BUZZ」っている愛用私物や狙っている新作をリアルに語り尽くす連載「edior’s BUZZ」から、ガチでヘビロテしている“愛用黒ダウン”をピックアップ。
1.コモリ コットンナイロンダウンジャケット
———
“都会的な”ダウンならコモリ一択
ダウンは軽くてあたたかいからめちゃくちゃ使える。そんなことはみんな分かっているのに少しだけ購入をためらってしまう理由のひとつが、「野暮ったく見えないか心配だから」ではないですか? かくいう僕もそんな悩みを経て理想のダウンに出会えたのですが、一度手に入れるとさらに欲は深まっていくもの。同じように、いやもっとソリッドな印象で着られるダウンはないだろうかという思いがふつふつと湧いてきて……。真っ先にチェックしたのは“街で着る”のにぴったりな服がそろう「コモリ」でした。
《My BUZZ Point》
このハリのこの“黒”、1年待ちわびました!
さあコモリのダウンを買いますか! と腕をまくったのは昨年の秋冬のこと。ちょうどそのシーズンから、今までコモリがダウンに採用していたナイロン生地よりもマットな質感、かつハリがある生地の「コットンナイロンダウン」が登場。なんだこの「ツヤ控えめダウン」、めちゃくちゃカッコいい! と思ったのですが……。色がネイビーだけだった(手持ちのダウンのカラーとカブる)ので躊躇して泣く泣く見送ってしまいました。もし黒が出たら秒で買うと心に決め、リリース情報をチェックしていたこの冬。見事願いが届き待望のブラックカラーで(しかも1色での展開のみ)、コモリのコットンナイロンダウンが今年もやってきました。そして今年は、無事に我が家にもやってきてくれました。
マットな黒のボディに、鈍く光るシルバーのボタンが映えてこのうえなくクール。フードがあるとどうしてもいなたさが生まれると(個人的には)思うので、コモリのダウンはスタンドカラーなのも好きなポイント。
外ポケットにも内ポケットにもジップがついていて機能的。でもそのジップは小ぶりで目立たないというミニマルさもさすが。
全体のシルエットは、身幅が広めで丈は短め。横から見ると背中側が少し丸みを帯びたようなフォルムです。裾のドローコードをギュンと締め、より丸みを強調させて着るのもよさそう。ちょっとモードな感じが強まるような気もしてくる。
なお前述の通りコモリのダウンには、このコットンナイロン素材だけでなくナイロン素材もあります。ソフトな手触りのダウンだから、それが似合えば「物腰の柔らかい素敵な大人」だな……なんて妄想していら、すでに編集長が愛用していました。さすがです!笑(エディター山口)
2.ゴールドウインのダウンジャケット
GORE-TEX Snow Range Down Coat
———
今までのダウンとは、ひと味違います
ゴールドウインが新たに開発したダウンバッフル構造「3D BOX BAFFLE」。このダウンコートがとにかく優秀すぎました。バッフル(ダウンの内側の仕切り)を立方体に近づける技術で、個々がふわりとした状態をキープし、保温性がグンとアップ。確かに、着てみるとダウンのボリューム感はそこまで感じないんだけど、コートとしての温かさは予想以上。「生地が自在に変形しながら肌面に隙間なくフィットする」という売り文句通り、ふわりと包み込まれるような温もりがあるんです。さらに、安定のGORE-TEXで、襟に収納可能なビルトインタイプのフードをちゃんと備えているところも防寒対策面ではうれしいポイント。
《My BUZZ Point》
かゆいところに手が届く機能がすごすぎる!
ゴールドウインといえば、もちろん機能的なディテールが詰まっている点も見逃せない! なんだけど、ロゴはさりげなく同色でサラリとデザインされていたりと、あくまで街で着られるテックウェアになっているところがやっぱりイイ。フロントがダブルスライダー仕様になっているのも、脱ぎ着がクイックにできて、何かと着込む冬場には本当に役に立つ!
すっごい細かいんですけど、袖口もワンタッチで絞ることができ、手首まわりのスキマから吹き込む風も完全にシャットアウト。これにグローブをすれば、雪山だってガシガシ行けちゃうかも!?
ポケット使いも本当に気が利いていて素晴らしいの一言。ウエスト部分のポケットは、きちんとファスナーが隠れるようなデザインになっているので、都会的でソリッドな見た目にひと役買っています。また、内側にも小物を入れることができるミニポケットが。スマホやミニ財布、極寒の時にカイロを入れることもできます。
カジュアル使いはもちろん、ビジネスシーンだって適応してくれそうなクールなデザインは、やっぱりゴールドウインならでは。ダウンも、環境への負荷に配慮したリサイクルダウンを使用していて、まさにイマドキです。まだまだ、寒くなるこれからの冬に向けて、今からでも絶対に手に入れて損はない一着です!(エディター稲葉)
3.「コモリ」のナイロンダウンベスト
———
結論。自分史上これ以上ないダウンの最適解
年々「レイヤード」が億劫。重ね着するってことは、その分、都度脱ぐ必要がある。当たり前だ。当たり前すぎるが、それが面倒なんだ…寒い時期ならなおさら。極力手間を省きたい。だからはおるだけで一気に「フィニッシュ」にもっていけるダウンジャケットはおあつらえ向きなんだけど……「これまでのフリは何だったのか?」ばりに、今回推すのは「ジャケット」でなく「ベスト」。そう。このコモリのダウンベストは、ダウンジャケット以上に機能的かつ合理的。見た目がアノニマスで都会的…なんてことはもはや語りませんよ。コモリだからそこは当然ってことで。
《My BUZZ Point①》
実はジップアップより脱ぎやすい
まず、暖冬化著しい日本の冬に、ダウンを必要とする日が一体どれほどあるのか? その点、ダウンベストは秀逸。ニットやシャツ一枚で肌寒い日には重ねればいいし(袖口が大きいのでスウェットの上からもいける)、コートのインに着たっていい。先述の「レイヤードめんどい」問題も、軽量のスナップボタンなので(ある意味、強引にいけば)ワンタッチで着脱可能(着るのは無理だけども)。ジップアップ型よりストレスがない。
ダウンというと、つい「○○フィルパワー」(暖かさの基準の目安)に代表されるスペック合戦になりがちですが(もちろんそれはそれでいい)、自分はそこまで求めないという話。これなら室内でも着られるし(さすがにどんなに寒くてもダウンジャケットを室内で着てる人は見かけない)。もっとも地味な利点は、保管時にかさばらない点。これはでかい。この私物撮影用に持参した際も丸めてポイっとバッグに入れてそのままバッグごと手渡し。以前取材した人で「ダウン、6~7着持ってます」なんて人がいたけれど、そんなん、それだけでクローゼットパンパンになりませんか?
《My BUZZ Point②》
パック数が詰まりすぎず空きすぎない
個人的にダウンは「フィル」より「パック」。この6パックくらいの分量がちょうどよいと思う。詰まりすぎず、空きすぎず。さてこのコモリのダウンベスト、発売初年時に展示会で見かけてすぐさまオーダーしたわけですが、届いたのは11月下旬だった。「おいおい、もう着用シーズン過ぎちゃったよ…」と正直思ったけれども巻き返しが半端なかった。着た、着た。本当にえげつないくらい着た。12月も1月も2月も3月もほぼフル稼働で着たおした。翌年の冬はもちろん、翌々年の冬(つまり今冬)も現在進行形で着たおしている。サブスク換算だと、月額90円でAmazonプライム入れてるくらいの体感か。
ちなみに、コモリのダウンは僕が持ってるナイロン素材のタイプのほか、より張り感のあるコットンナイロン素材も現在は展開されている。自分はこのシルキーなタッチのマットなナイロン素材の方が好み。すべすべで気持ちいい。(エディター吉崎)
4.マウンテンリサーチのダウンジャケット
———
たぶんおじいちゃんになっても一緒
ちょっと無理してでも、一生愛用できるものを手に入れたい。最近はそんな服の買い方をしている若者が増えてきていると聞きます。とても素晴らしいことだと感動すると同時に、思い出しちゃいました。私にもそんな1着があるということを。今回は18年前に読者のみなさんと同じ気持ちで清水買いした服がどうなっているかを見ていきましょう(笑)。
《My BUZZ Point》
これ以上カッコいいダウンに18年間出会っていない
それがこのマウンテンリサーチのダウンジャケットです。やばい、物撮りで俯瞰して見ても驚くほどカッコイイ(笑)。当時、10万円くらいしたんですが、買うのにかなり迷った記憶があります。だって、それまで古着好きとして、安くてイイものをいかにゲットするかをモットーに足が棒になるまでウィンドウショッピングをしてきた人間にとって、10万円は目が飛び出る金額ですよ。いかに食費をおさえるかとか「もう俺は一生アウターを買わない」(そんなことは全くなかった)とか、謎の言い訳が頭の中をぐるぐる…でもそんな迷いをぶっ飛ばしてくるくらいの圧倒的カッコよさで目の前のラックに鎮座していたんです。
あーだこーだ頭を抱えている私を見かねてか、当時のプレスの方が優しく語りかけてくれました。
「ウチのダウンはあったかいですよ」
マウンテンリサーチの大ファンの私にとって、その言葉はシンプルだけど強すぎた。それまでの迷いがウソかのように購入を決断してました。あのマウンテンリサーチのダウンジャケットということは、名作に決まってるんですから、何を迷っているんだと。
みなさんと同じく、「この服を一生大切に着よう」という決意をし、購入直後はすがすがしい気分になってました。「10年着たら、1年1万円だ」という服好きあるあるな計算をしながら、ほくほくと帰宅したのを覚えています。
どこから見ても完璧にカッコいんですが、特にレザーとナイロンの切り替えとさりげない存在感を放つコンチョがお気に入り。サイドのポケットまわりもダウンがたっぷり入っていて、手を入れると抜群にあったかいんです。そしてフロントジップの手持ち部分が大きくて開閉しやすいのも魅力。裏地のポケットは収納力が抜群でバッグいらずですね。
当時はタイト目のシルエットが主流でしたが、ほどよくゆるくて今っぽくも着られるのがうれしい。大きな存在に包み込まれているかのような感覚がして、最強に暖かいんです。ただ、袖はライダースのようにかなりタイト。冷気をシャットダウンしてくれて、これが保温力を高めているポイントなんだと思います。
着すぎてタグの文字はすべて消えちゃってますね(笑)。袖を取ってダウンベストとしても着られる2WAY仕様なんですが、実はナイロンの袖は2代目で、初代は袖もレザーだったんです。たまに袖だけ売られていることがあって、思い切って買い換えました。自分を知っている人からはよく「らしくないね~」なんて言われることもあるんですが、実はあまり持っていないだけで、この少しハードさのあるテイストが大好き。個人的にはまだ18年、という気持ちで、一生大切にしていきたいです。30年くらい着たら、1年3,000円くらいですから(笑)。袖を買い足してるからもうちょっとするか…。(エディター楊井)
Photos:Ibuki Tamura
吉崎
メンズノンノ編集長
「肩幅が広い」でお馴染み。2024年6月よりメンズノンノ編集長。肩書きがパワーアップしたことでmy shoulderに磨きをかけ、肩で風切って歩きたい。愛猫(ほこり)を肩に乗せたポートレートをプロフィールカットにしたいと目論んでいる。炭酸泉が好き。甘党。
▲ WPの本文 ▲
editor's BUZZ / 編集者の愛用私物