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撮影や展示会など、日々トレンドアイテムに触れているエディターたちのプライベートな買い物事情は? 自分の中で「BUZZ」っている愛用私物や狙っている新作をリアルに語り尽くす本連載。第160回目はメンズノンノプリント版編集長の吉崎が担当。
《「オーラリー」×「テクラ」の温泉タオル》
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早く使いたい。今回はそれだけだ。
タオルです。歴代の「EDITOR’S BUZZ」シリーズの中でも、群を抜いて「BUZZらなそう」な地味中の地味アイテム。当コンテンツ担当の副編集長楊井も「こいつ正気か?」って顔してた。
今は1月下旬。出張先のパリでは華やかなファッションウィークが開催されている。僕はその合間にこの地味な原稿をひとりホテルで書いてる。寂しい。
ああ地味さ。地味だともさ。ウィ、ムッシュー(肩をちょいすくめながら)。認めよう。でも、考えてほしい。たとえばちょっと高級でいい感じのアンダーウェアを紹介する、みたいな記事で、「直接素肌に触れるものこそ、奮発してでも気分が高揚する上質なアイテムを〜」みたいなファッションネーム、目にしたことあるでしょう。「確かに」と膝を打った人だっているはずだ。
それを言うならタオルだっておんなじ。また、アンダーウェアはいくら「素肌に纏う」って言ってもさすがに普段パンイチで行動するやつはいない。他の服だって着てるわけだから「気分の高揚」ったってアンダーウェアだけの恩恵なわけはなく、「貢献度」は分散されているはずだ。
その点(僕はこれをサウナで使うために購入した)、このタオルを使うシーンは……誓って「全裸」。パンイチはおろか「完全無防備世界」(パーフェクトノーガードワールドとルビを振りたい)。サウナ室においては、熱から身を守るも汗を拭うも、またそれ以外の突発的な何かが起ころうとも、このタオルが全て。BUZZとその物の本質的価値は比例しないのだ。
《My BUZZ Point》
バスタオル? もういらないです
ところで余談ですが、僕は30代後半にバスタオルを「卒業」しました。身体を拭くだけなら普通のハンドタオルで十分だし、逆に髪を乾かすにはバスタオルでも不十分(どっちにしてもドライヤー必要じゃない?)。そう。要らないんですよ、バスタオルは。保管場所は取るし洗濯して乾かすのに時間かかる。何が言いたいかっていうとつまり……つまりこのタオルは(あくまでマイルール的には)、サウナ室(浴室)内での使用のみならず、サウナ(湯上がり)後の身体の水分を拭き取る役割も担えるってことだ。しかも一般のハンドタオルと比べると縦幅がやや長いので余計に使える(それは仕様上ある狙いがあり、後述する)。
……でここからが本題だ(史上最も地味なBUZZ回は、史上最も前置きが長い回だった)。こちらのテクラ。ホームウェアも展開してるけど、もともとベッドシーツとかピローシーツで人気が出たのかな。それこそ、数年前から日本でもSNSや口コミでBUZZり始めたコペンハーゲン発のテキスタイルブランド。プロダクトの完成度はもとよりブランディングも緻密で、生活感が滲み出がちなこれらのアイテムにおいても上質でコンテンポラリーな空気感を纏わせることに成功してる。実際クオリティも高い。
中でもこの「温泉タオル」は、ご存じオーラリーとのコラボレーションによるもの(オーラリーのデザイナー岩井良太さんも大のサウナ好き)。この繊細で柔らかな中間色のチョイスはまさにオーラリーならでは。タオルもサックスブルーとライムグリーンの二色展開。ええい、こんなん、どちらも買うに決まってる。
で、いったい何が「温泉タオル」なのか。ここでネームタグ(上写真)にご注目。1.頭にタオルをかぶせた状態で両側を垂らす。2.このネームタグのループの中に、もう片側のタオルの先端を通す。3.いい具合にタオルがFIXして、頭からタオルがはらっと滑り落ちる心配もなくサウナ(あるいは入浴中の涼みや移動)に全集中できる。ちょっと縦幅が長いのも頭からかぶった時にちょうどいい長さになるよう計算したんだと思う。イメージしづらい人は「テクラ」「オーラリー」「温泉タオル」で検索したら「ああこういうことか」ってビジュアルがヒットするので、そちらを見てください。
気になる使い勝手はどうか?……わからない。だってまだ使ってないんだもん。
さすがに使用済みサウナタオルを(いくら洗濯したからって)「そら、撮影してくれい!(バーン)」と突きつけられるほど厚顔ではないし、「俺…この撮影終わったらこれでサウナ行くんだ」って未使用状態のまま寝かせていたら、案の上「フラグ」通り、年明けからこっち忙しくなり、全然サウナに行く時間が取れない始末。
ただ、自分の中で「リニューアル号」と位置づけていた3月号の校了もようやく片付いた。尋常じゃない熱量を注いだ新連載「猫への扉」(犬も好きだけど)をはじめ、今月も原稿を大いに書きまくった。後はこのタオルをお供に存分に汗をかきたい。かきまくりたいのに。帰国したらサウナが待ってる。自分にそう言い聞かせてる。でも次回のEDITOR’S BUZZの締め切りも待ってるのだ。休みを、くれい。
Photos:Ibuki Tamura
吉崎
メンズノンノ編集長
「肩幅が広い」でお馴染み。2024年6月よりメンズノンノ編集長。肩書きがパワーアップしたことでmy shoulderに磨きをかけ、肩で風切って歩きたい。愛猫(ほこり)を肩に乗せたポートレートをプロフィールカットにしたいと目論んでいる。炭酸泉が好き。甘党。
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