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撮影や展示会など、日々トレンドアイテムに触れているエディターたちのプライベートな買い物事情は? 自分の中で「BUZZ」っている愛用私物や狙っている新作をリアルに語り尽くす本連載。第136回目はメンズノンノウェブ副編集長の楊井が担当。
メンズノンノ副編集長
楊井
メンズノンノウェブ副編集長。メンズノンノ編集部に15年以上在籍し、ファッション、タレント取材など幅広く記事を担当。休日は意外とアウトドア派で汗をかくことが好き。
《マウンテンリサーチのダウンジャケット》
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たぶんおじいちゃんになっても一緒
ちょっと無理してでも、一生愛用できるものを手に入れたい。最近はそんな服の買い方をしている若者が増えてきていると聞きます。とても素晴らしいことだと感動すると同時に、思い出しちゃいました。私にもそんな1着があるということを。今回は18年前に読者のみなさんと同じ気持ちで清水買いした服がどうなっているかを見ていきましょう(笑)。
《My BUZZ Point》
これ以上カッコいいダウンに18年間出会っていない
それがこのマウンテンリサーチのダウンジャケットです。やばい、物撮りで俯瞰して見ても驚くほどカッコイイ(笑)。当時、10万円くらいしたんですが、買うのにかなり迷った記憶があります。だって、それまで古着好きとして、安くてイイものをいかにゲットするかをモットーに足が棒になるまでウィンドウショッピングをしてきた人間にとって、10万円は目が飛び出る金額ですよ。いかに食費をおさえるかとか「もう俺は一生アウターを買わない」(そんなことは全くなかった)とか、謎の言い訳が頭の中をぐるぐる…でもそんな迷いをぶっ飛ばしてくるくらいの圧倒的カッコよさで目の前のラックに鎮座していたんです。
あーだこーだ頭を抱えている私を見かねてか、当時のプレスの方が優しく語りかけてくれました。
「ウチのダウンはあったかいですよ」
マウンテンリサーチの大ファンの私にとって、その言葉はシンプルだけど強すぎた。それまでの迷いがウソかのように購入を決断してました。あのマウンテンリサーチのダウンジャケットということは、名作に決まってるんですから、何を迷っているんだと。
みなさんと同じく、「この服を一生大切に着よう」という決意をし、購入直後はすがすがしい気分になってました。「10年着たら、1年1万円だ」という服好きあるあるな計算をしながら、ほくほくと帰宅したのを覚えています。
どこから見ても完璧にカッコいんですが、特にレザーとナイロンの切り替えとさりげない存在感を放つコンチョがお気に入り。サイドのポケットまわりもダウンがたっぷり入っていて、手を入れると抜群にあったかいんです。そしてフロントジップの手持ち部分が大きくて開閉しやすいのも魅力。裏地のポケットは収納力が抜群でバッグいらずですね。
当時はタイト目のシルエットが主流でしたが、ほどよくゆるくて今っぽくも着られるのがうれしい。大きな存在に包み込まれているかのような感覚がして、最強に暖かいんです。ただ、袖はライダースのようにかなりタイト。冷気をシャットダウンしてくれて、これが保温力を高めているポイントなんだと思います。
着すぎてタグの文字はすべて消えちゃってますね(笑)。袖を取ってダウンベストとしても着られる2WAY仕様なんですが、実はナイロンの袖は2代目で、初代は袖もレザーだったんです。たまに袖だけ売られていることがあって、思い切って買い換えました。自分を知っている人からはよく「らしくないね~」なんて言われることもあるんですが、実はあまり持っていないだけで、この少しハードさのあるテイストが大好き。個人的にはまだ18年、という気持ちで、一生大切にしていきたいです。30年くらい着たら、1年3,000円くらいですから(笑)。袖を買い足してるからもうちょっとするか…。
Photos:Ibuki Tamura
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