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古着はおしゃれ男子の必須アイテム! でもどの古着屋に行ったらいいのか? いい古着屋を見つけるのは意外に難しい。ならば古着通にきけばいい! おしゃれ男子御用達の古着屋を毎月一軒、ディープに紹介。第1回はモードから古着までファッションに精通するメンズノンノモデル中田圭祐が、イギリス古着の専門店、デヴィッズ クロージング 渋谷をレポート!
ジェンツにモッズ、テッズまで!?
イギリスのメンズファッションを体感できる!
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中田圭祐が「行ってみたい古着屋」と指名したデヴィッズ クロージング。渋谷と原宿をつなぐ遊歩道から1本入った路地に店を構える。イギリス古着の専門店として1989年より代官山でスタートし、8年前からこの場所に。外観からして普通の古着屋さんとは違ったムード。「バーバリーの古いコートなんかがたくさんあると井上翔太に教えてもらって。ずっと気になっていたので、きょうはすごく楽しみです!」(中田)
ドアを開けるとそこはロンドン?!
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トリッカーズのシューズやバブアーのフィッシングバッグなど、英国の名品たちがお出迎え。奥行のある店内は一番奥にレジカウターがあり、店の中央には中田お目当てのコート類が並ぶ。1900年代~1940年代のマニアックなヴィンテージも扱うが、メインは1950年代から1990年代。テーラードを中心にミリタリーやバイカー、スポーツ系のアイテムもラインナップする。
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入口すぐのテーブルにはタッターソールチェックのベストやチルデンセーター、右側の棚にはウィングチップやストレートチップのレザーシューズ。どれも英国トラッドのマストアイテムばかり。
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店内を進むと左手の棚にセーターがきちんとたたんでディスプレイされている。アランセーター、フェアアイルセーターのほか、シンプルなカーディガン類も充実。ざっくりニットはハンドメイドのものがメイン。
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中央のラックにはバーバリーやアクアスキュータム、英国を代表するブランドのコート類がズラリ!
古着のプロとの会話も楽しい
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目ざとくコート類をチェックする中田。お目当てのバーバリーのコートにはBurberrysとBRBERRYがあるが、その違いの理由をプレスの小山千晴さんにきいてみた。「1990年代までのバーバリーにはBurberrysとsロゴの織りネーム、2000年代からBRBERRYにかわってsがなくなります。タグの色やデザインも年代によって違いがあり、いつ頃の商品かを見極めるポイントになってきます」(小山さん)
コートは年代によってシルエットにも違いがあり、その時代を象徴している。コートが欲しいといういう中田は興味津々で、さっそく着比べてみることに。
英国コートの歴史をとことん試着!
▼50年代のバーバリーのバルカラーコート¥128,000
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50年代はゆったりとしたシルエット。ラグランスリーブで身幅もワイド。「今のビッグシルエットに近い感じ。すっごく着やすくて、スモーキーなグレーグリーンのような色も好み。このあたりがメゾンのデザインのルーツになっているんだと思いました」(中田)
▼60年代のアクアスキュータムのバルカラーコート¥38,000
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60年代はモッズに象徴されるようなすっきりとしたシルエット。セットインスリーブで肩山が少し高くエレガントだ。「タイトなシルエットもカッコいいですね! 細身だけれども窮屈な感じはなくて、すごく着やすい」(中田)
▼70年代のバーバリーのトレンチコート¥48,000
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70年代はフィット感がありつつウエストがシェイプされたシルエット。裾のフレアの広がりも特徴だ。「チンウォーマーの付いたトレンチコートが気になっていたので、これはいいですね。高いネックがオーセンティックで、『キングスマン』になったような気分」
▼チロル地方独特の縮絨ウール素材=ローデンクロスを使用したローデンコート¥48,000
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中田が欲しい思ったコートはこちら。「ウールのコートが欲しかったので見ていたら、肩のデザインに特徴のあるクラシックなこのコートが目につきました」(中田)。こちらはローデンコートと呼ばれるヨーロッパの伝統的なコート。もともとはハンティング用だったため腕が動かしやすい独特の袖付けがデザインの特徴に。
▼赤×白コンビカラーのサスペンダー¥5,800
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この日、中田は英国古着に合わせて髪を上げ、サスペンダーボタンのついたヴィンテージのスラックスをはいて来た。「せっかくなんでサスペンダーをつけてみたい」とスラックスに合うボタンタイプのサスペンダーを物色。
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試着室も英国らしいフラワーパータンの壁紙で装飾され抜け目がない。時代を超えたような感覚や映画の主人公になったような気分が味わえるのもデヴィッズ クロージングの魅力だ。
70年代へ時空を旅する
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ストリートファッションに縁のあるアイテムも並んでいて、50年代のイギリス不良ファッションを代表するテッズ(テディ・ボーイズの略称)ジャケットもカラーバリエーション豊富にそろっている。
▼70年代のテッズジャケット¥38,000、ループタイ¥3,800
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テッズの象徴はリーゼントヘアと襟や袖口にベルベットをあしらったロング丈のジャケット。50年代がオリジナルだが70年代にリバイバルして、ロンドンのストリートシーンをにぎわせた。ロカビリーの影響を受けたループタイをつけるテッズも多かったので、セットでつけてみることに。
▼ステッチパッドがあしらわれた1970年代の“スーパーモンザ”モデル¥92,000
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イギリスを代表するレザーブランド、ルイスレザーズのライダースジャケットもこの通り。ロッカーズからパンクまでイギリスのストリートスタイルには欠かせない。
最後はプレス小山さんのおすすめコーディネートを中田がプレゼンテーション。
▼60年代のアクアスキュータムのコート¥92,000、ボーラーハット参考商品
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「ベルベットの襟があしらわれたモヘアのコートとボーラーハットは相性抜群で上品に決まる組み合わせ。フォーマルスタイルやモードなコーディネートのアウターにもおすすめです」(小山さん)
▼1940年代のジェントルマンスタイル
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CC41チェスターコート¥92,000、スリーピース(ジャケット、パンツ、ベストのセット)¥128,000、ノーカラーシャツ¥12,800、ワイルドスミスのスリッポンシューズ¥28,000
「1940年代のビスポーク(オーダーメイド)スリーピースは、今のファッションシーンにもリンクするアイテム。レトロなノーカラーシャツとチェスターコートで着こなせば、モードブランドのルックのようにも見えます」(小山さん)
▼ジャケットを合わせたスリーピーススタイル。
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「スリーピースはセットではもちろん、それぞれ単体で着ることもできてお買い得です。セットで着れば、それだけでスタイリッシュなスーツスタイルが完成します」(小山さん)
▼ベルスタッフのオイルドコート¥148,000、ハンチング¥2,800
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「アウターにヴィンテージのオイルドジャケットやライダースを合わせても素敵です。ユニオンジャックがアクセントのベルスタッフのオイルドコートにハウンドトゥース柄のハンチングでクラシックにまとめてみました」(小山さん)
あれもこれも着てみたいアイテムばかりのデヴィッズ クロージング。「タイムスリップしたような感じが楽しすぎて、あっという間に2時間経っていました! 長居できる古着屋さんは僕にとって貴重な存在。次回は真剣にコート選びにきます!」(中田)。
毎週入荷があるので、いつ行っても新しいモノに出会えて、発見がある。いろいろなスタイルが学べるから、メンズノンノ世代にこそ通ってほしい一軒だ。
動画も公開中!
DAVIDS CLOTHING(デヴィッズ クロージング)
住所: 東京都渋谷区渋谷1-22-4
TEL:03-3409-8822
営業時間:15:00~20:00 無休
Instagram:@ davidstokyonewin
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Photos:Megumi Tomita
Models:Keisuke Nakata [MEN’S NON-NO model]
Composition & Text:Hisami Kotakemori
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