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おじいちゃんのクローゼットから借りたような、落ち着いたカラーリングのクラシックなアイテムたち。この冬はそこにラグジュアリーを添え、今っぽく着こなすグランパコアに挑戦したい。
フェアアイル柄を渋いカラーリングで
ウェルドレッサーだった英国のウィンザー公が愛用したという、トラディショナルなフェアアイル柄のニット。総柄や鮮やかな色使いのものも多いが、セリーヌの場合はグレーをベースに、ベージュを差し色にしたモノトーンの求心編み。ファッションとして楽しむグランパスタイルは、これくらい抑制がきいたカラーリングが正解だ。
ワークジャケットも
ワードローブにひとつ
ときにグランパは、若い頃から着倒したであろう味の入ったワークジャケットもはおる。まさにヴィンテージのような風合いのこれはプラダ。コクのあるグレーの色合いや、古きよきワークスタイルの気配がするメタルボタンまでとことん渋い1着だ。深いVネックのカーディガンを合わせたら、カジュアルなグランパコアが完成する。
今年のグランパカラーは茶のトーン
チョコレート色のチャンキーニットに、ライニングが茶のタータンチェックのベージュのバルマカーンコート。さらには、ライニングと共地のシャツまで。今季のボッテガ・ヴェネタは、グランパカラーのブラウンのアイテムが豊作なので、上半身をワントーンにしてみる。トラッドな装いをさりげなくグランパコアに昇華させる秘けつだ。
グランパはアーガイル柄もお好き
18世紀のスコットランドで生まれたアーガイルチェックもグランパコアには欠かせない柄。エルメスはそれを、優雅なハイネックが際立つ、ハーフジップのドライバーズニットに仕立てた。素材は僕らが本当のグランパになっても着られる、リッチなカシミヤ。実に大人な1着だが、愛嬌(あいきょう)のあるアーガイル柄のおかげで若者にも似合う。
おなじみのキャップもグランパの定番
アメリカの街で見かけるのが、トラッドな格好に推しの野球チームのキャップをかぶるという、無意識にミックススタイルをこなすグランパたち。クラシックなアイテムを気取らずに着る方法として、僕らにもキャップは有用だ。ベストはニューヨーク・ヤンキース。シックな紺が、ドレッシーなタブカラーシャツにも違和感なくなじむ。
おじいちゃんほどコートの丈は長い
コート¥713,900・ニット¥383,900・Tシャツ¥75,900・パンツ¥163,900・靴¥313,500/ザ・ロウ・ジャパン
木の年輪と同様に、コートの丈も長いほど大人っぽい。その点ザ・ロウのロング丈は、ノッチドラペルやシガージャケットのような折り返しの袖も相まって、最上級の渋さ。だからといって堅苦しくなく、ラグランスリーブや柔らかなウールメルトンにはリラックスしたムードも漂う。グランパコアは、“ゆとりある渋さ”も大切なのだ。
足もとは履きやすさが最優先
グランパのデイリーな足もとを支えるのは、日課の散歩に快適なスニーカー。チョイスはオールドスクールなニューバランス一択だ。なかでも900番台の3代目として1988年に誕生したランニングシューズ「996」シリーズは、とりわけクラシックな顔つき。おなじみのグレーのカラーリングも相まって、トラッドな装いとも好相性。
グレーのトーンのアンサンブル
カーディガンとクルーネックセーター。それぞれおなじみの存在だが、色も素材も同じものをアンサンブルで組み合わせたら、途端にグランパな着こなしになる。シンプルな合わせゆえ、贅沢(ぜいたく)なラムウールをハイゲージに編み立てたメゾン マルジェラのように、ひと目で上質とわかるものを選べたら完璧だ。色はもちろん、渋いグレーで。
Photos:Local Artist Hair:hirokazu endo[ota office] Stylist:Kazuro Sanbon Model:Kouta Nomura[MEN’S NON-NO model] Text:Ryoko Iino
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