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深すぎる「クラフトアクセサリー沼」にハマった人たち。My Awesome Gifts Album それでは聴いてください…“欲しい言い訳”

深すぎる「クラフトアクセサリー沼」にハマった人たち。My Awesome Gifts Album それでは聴いてください…“欲しい言い訳”

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深すぎるクラフトアクセサリー沼

手作りであることは当たり前。そのストーリーや哲学も含めてほれ込むからこそ沼にハマる。一生のパートナーになるかもしれない名品だから欲しいのだ。

taupe D.Motoike
ブレスレット「Harvest」

taupe D.Motoike ブレスレット「Harvest」

チェーンの表面には稲穂を彷彿させる繊細な柄が刻まれている。ブレスレット[上から]¥110,000・¥143,000・¥385,000・¥88,000(すべてトープ ディーモトイケ)/アトリエドアベル

 

過去、現在、未来。
そのつながりを身につける

「私にとって創作の一歩目は『きっかけ』を見つけること。日常の風景、ときには感情や過去の出来事からふと生まれることが多いです。そしてその漠然としたイメージをドローイングに落とし込むことで表現したい要素が自然と明確になり、作品が少しずつ具体化していくんです」

"描くことと作ることは呼吸のような関係"とも語ってくれた本池さん。インスタグラム(@motoikedaisuke)を見ればその意味が感覚的に理解できる。
「ひとつのデザインを完成させるのに通常1年ほどかけています。コンセプトや大まかな構成を作り上げた後にあえて一度寝かせ、微調整を重ねて完成に近づける。時間とともに作品が深みを増し、全体が整った時点で発表します」
 この「ハーベスト」(右写真)は、トープ ディーモトイケの最初のコレクション。どのようにして生まれたのだろう。
「ハンドメイドチェーン制作中に自分のルーツである鳥取の田園風景を思い浮かべたのがきっかけ。純金のチェーンの輝きと陽に照らされた稲穂のイメージが重なり完成しました。これは自然の美しさと私自身のルーツをたたえる作品なんです」
 本池さんの作品に情緒的な魅力があるのは、そこにストーリーがあるからだ。
「僕にとってジュエリーはただの装飾品ではなく、僕自身の過去を通した現在の表現であり、未来へのつながりを感じるもの。人が身につけて完成する。それこそ、僕が理想とするジュエリーです」

デザイナー

本池大介 さん

1974年、東京生まれ。革職人の家に生まれ、フィレンツェの工房でファインジュエリーを学んだ異色の作家。無二の作風は人気絶大。

 


AVM
バングル「RYTHME」

AVM バングル「RYTHME」

鯨の肋骨を海で拾ったことから誕生したバングル。不規則で滑らかな湾曲が手首にしっくりなじむ。素材はシルバー950を使用。バングル¥132,000/アームデザインルーム

 

根室でつかんだ「うそ のない」デザイン

「東京で創作活動をしていたときは、自然に対する憧れ、あるいは渇望に似たものがありました。でも今は違う。常に自然と隣り合わせ…というか、もはや僕自身が自然の一部。頭で想像したものを作品に反映させるのではなく、もっと直感的にもの作りができています」
 2011年、震災を機に東京から根室に移住した古川さんは根室での生活をそう語る。しかし、そもそもなぜ根室に?
「それは、今の僕にとって最も時代を感じることができ、この先の未来が見える場所だと思っているから。もしそれがネイティブアメリカンなのであればきっと僕はアメリカに移住するし、パリなのであればパリに身を置きます。要は、嘘のない環境に身を置いていたいんです。そのほうが強いものが作れるから」
 実際に自分の目で見て、触って、聞いたものをデザインに落とし込む。それはきっと多くのデザイナーがやっていることだが、"環境そのものを変える"ということはあまり聞いたことがない。
「このバングルは"鯨の肋骨ろっこつ をモチーフにした"と説明されることが多いのですが、正確にはちょっと違う。海に落ちていた鯨の肋骨を毎日なんとなく触り続けた結果、その形状を手が覚えていてたまたま生まれたというのが正しい背景です」
 今の古川さんの生活環境がなければ決してたどり着かないデザインだ。
「これからも嘘のない、本質的なデザインを追求していきたいと思っています」

デザイナー

古川広道 さん

1975年、三重県生まれ。パリでファッションを学び、帰国後ジュエリーブランド「AVM(アーム)」を設立。現在は根室市で活動を続ける。

 

Photos:Shota Kono Stylist:Masashi Sho Composition & Text:Jun Namekata[The VOICE]

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