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おしゃれのルーツは?
突然ですが、あなたのファッションアイコンって?
おしゃれな人がファッションのお手本にしているのは?昔ながらのアイコンから令和のアーティストまで、バラエティ豊かな回答が集まった!
1.
スタイリスト井田正明さん
ファッション媒体、タレント、広告と幅広く活躍。音楽・映画などカルチャー全般に造詣が深く、“服バカ”としても知られる。
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宮本浩次
Hiroji Miyamoto
白シャツ&黒パンツがユニフォームの
ロックミュージシャン
©ユニバーサル ミュージック
スタイルのある「カッコいい大人」の原点
「ファッションの入り口はパンクでした。クラッシュや映画『さらば青春の光』などロンドンの不良に感化され、学生時代をそんな格好で過ごしていたんですが、19歳でスタイリストのアシスタントにつくと大人のおしゃれな人たちにたくさん会うように。ディオール オムやニール バレットのような、洗練されたファッションが脚光を浴びていた時代だったこともあって、自分の格好が気恥ずかしくなりました。その頃にエレファントカシマシの音楽に出会い、是枝裕和監督がプロデュースしたドキュメンタリー映画『扉の向こう』を映画館で観たんです。財産を失った宮本浩次さんが、私生活のいろんなものをそぎ落として音楽で夢いっぱいになりたいと語る姿に胸が熱くなりました。独自のスタイルを持つ宮本さんに憧れて、僕も白シャツに黒のスラックスを自身のユニフォームに。アシスタント時代は、週5日は白シャツ&黒パンツで過ごしていましたね。ファッションだけでなく、宮本さんが好きな森鷗外や曲亭馬琴などの日本の文学や古典を読み、上野や神楽坂など歴史ある場所をマネして巡ったり、散歩と読書が趣味に。パンクキッズだった僕が、最初に出会った“カッコいい大人”が宮本さんだったので、ライフスタイルやマインドも含めて多大な影響を受けました。あれから長い月日が流れ、いろいろなファッションを楽しむようになった今も、白シャツに黒スラックスのミニマルなスタイルは僕の原点。今なら『STARTING OVER』のアルバムジャケットのイメージを踏襲しつつ、パンツはワイドシルエットで自分らしく着たいと思います」
アシスタント時代に憧れたディオール オム、ナマチェコのようなデザインものからベーシックなLEまで、白シャツは今もかなりの数を所有。
宮本さん愛用のN.ハリウッド含め、ブラックジーンズも30本ほどコレクション。20歳前後にはいていたグリーン、ジル サンダー、ckカルバン・クライン、リーバイス®とこちらも多様。
2.
スタイリスト
荒幡征諄さん
古着ジーンズ&ヒョウ柄革靴で着こなした。
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カート・コバーン
Kurt Cobain
グランジを象徴する早世のロックスター
MediaPunch/アフロ
カートに憧れ、格好もマインドも拠(よ)り所に
「バンド好きな叔父の影響で小学生のときからロック体質。中学生の頃、ツタヤでニルヴァーナの『ネヴァーマインド』を試聴して感動し、どんな人が歌っているのかを調べて出会ったのがカートでした。ロックといえばバチバチに決めた派手な衣装が当たり前だった時代、家から出てきたみたいな格好で孤独を歌う姿がカッコよくて。それが古着だと母に教えてもらってからは、“カート古着”を掘る日々。髪もカートに憧れて高校時代からずっとロン毛です」
チェックシャツと並ぶカートアイテム、パジャマシャツは派手柄を古着で収集。
3.
スタイリストアシスタント
竹前悠大さん
ギャツビーが愛を告白するシーンで着ていたような白いジャケットを自分流に着こなした。
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ジェイ・ギャツビー
Jay Gatsby
狂騒の1920年代を描いた名作小説の主人公
クラシックなジャケットスタイルの僕の師匠
「2001年生まれの僕は景気がいい時代を知りません。だから中学生のときに小説で『華麗なるギャツビー』を読んでもイメージが湧かず…。映画があることを知って観たら、こういうことなんだ! と、アメリカが華やかだった時代に魅了されました。映画は新旧両方観ましたが、70年代のオリジナル版がよりクラシックな空気感で好み。その影響で高校時代から古着屋でジャケットやベストを掘るようになり、新品でもドレス要素のある服を探すようになりました」
『華麗なるギャツビー』
4K Ultra HD+ブルーレイ:¥6,589、Blu-ray:¥2,075、DVD:¥1,572 発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
©COPYRIGHT 1974 NEWDON COMPANY. ALL RIGHTS RESERVED.TM, ®& Copyright ©2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
4.
スタイリスト
浅野 亨さん
ルメールとユニクロの協業ライン、ユニクロユーのニュアンスカラーのTシャツを毎シーズン複数買って着こなしのベースに。
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クリストフ・ルメール
Christophe Lemaire
メゾンを手がけた経歴ありのフランス人デザイナー
©Ola Rinda
シャツにヒゲという今の自分のスタイルの原点
「ユニクロユーでルメールを知り、彼のシグネチャーブランドをチェックしたら、イメージビジュアルで打ち出していたミニマルでクリーンな男性像がまさに自分の理想でした。ルメール本人もいつもシャツをベースに、シンプルでありながら、ときにエッジィなアイテムを差すところにセンスを感じます。彼を追いかけて、知らず知らずの間にヒゲとシャツが自分のスタイルになっていました。パリや韓国のルメール直営店のアーシーな世界観もすてきなんです」
5.
スタイリスト
佐久間歩夢さん
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キコ・コスタディノフ
Kiko Kostadinov
アウトドアとスポーツを愛する鬼才
写真提供:エムエイティティ
アウトドアとモードの融合を教えてくれた
「高校生のときにキコ コスタディノフの服のカッコよさに衝撃を受け、キコ本人を好きになりました。それから彼のインスタグラムで私服をチェックするようになり、モンベルやパタゴニアをモードな服と合わせていることに感動。7年前にはアウトドアブランドをファッションの視点で自分の着こなしに落とし込んでいる人がまだ多くなかったんですよね。それから僕も古着でパタゴニアを掘ったり、アウトドアウエアを取り入れたコーディネートに挑戦しています」
アシックスの「キコ・キュレーション」シリーズのスニーカーUB4-S GEL-1130にモンベルのウエストポーチを取り入れて。
6.
スタイリスト
泉 敦夫さん
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青島俊作
Shunsaku Aoshima
モッズコートスタイルで一世を風靡
『踊る大捜査線』の熱血巡査
『踊る大捜査線 THE MOVIE 3ヤツらを解放せよ!』
スタンダード・エディションBlu-ray:¥5,170、スタンダード・エディションDVD:¥4,180 発売元:フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー 販売元:ポニーキャニオン
©2010フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー
ミリタリーへの扉を開け苦難を乗り越える術も
「小学生の頃から繰り返し『踊る大捜査線』の再放送を観ているうちに、いつの間にか“おもしろい”から“青島カッケー!”に変わっていました。高校卒業時にはモッズコートも購入。コートはあまり似合わなかったのですが、これをきっかけにカーゴパンツのようなミリタリーものが好きになりました。服装以上に影響されたのが、まぶしいくらい仕事に一途(いちず)な姿勢と、仕事の合間に見せるタバコの吸い方、缶コーヒーで暖を取る哀愁を帯びたしぐさ。つらいアシスタント時代も自分を青島に重ねて乗り越えました」
青島が吸っていたアメリカンスピリットの青箱と缶コーヒーは今も癒しアイテム。やさぐれた(?)吸い方にも影響を受けた。
Photos:Kaho Yanagi(report) Composition & Text:Hisami Kotakemori
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