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人気沸騰中のブランド、フォル。スタイリスト視点で注目の新作を取材して浮かび上がってきたキーワードは「古着」モチーフ。トレンドになじませるか、主張させるか。キミ好みはどっち?
旬ブランドのデザイナーとの
対談から見えてきた
キーワードは「古着」でした
スタイリスト
Masashi Sho|庄 将司(左)
トラッドとストリートを両軸にしながら、ユース世代のトレンドを織り交ぜたスタイリングが人気。
FOLL デザイナー
Kanta Hirasawa|平沢幹太(右)
大学在学中に早くもデザイナーアシスタントを経験し、2020年にベイクルーズへ入社後、FOLLをスタート。
「ベーシック」に隠れたこだわり
庄「相変わらずフォルのデザインはストイック。一見、ベーシックなようでシルエットも素材も新鮮だよね」
平沢「どう新しいものを作るかアーカイブの洋服と向き合っています。例えば僕が中学生の頃に着ていたL.L.ビーンのネルシャツ(下写真)は80年代に流行したカールの強い生地が特徴。ブランケットみたいな質感を再現しつつ、軽くて重ね着もしやすい薄手の生地にアップデート。パターンは、肩がジャストで全身がゆとりのあるバランスにしました」
庄「古着ですべてをスタイリングすると子どもっぽくなりがち。あくまで古着ライクな服をキレイな印象で着られるのがうれしいね。これは古着と今の服のいいとこどり」
平沢「色はブランド定番のネイビー(下写真)が特に大切です。素材のよさが際立ち、他の服にもなじみやすい、暗すぎずに深みがある普遍的な色味が理想。ネイビーの生地は染めの温度を1℃ずつ変えて理想の発色を追求し、去年より深みが出せました」
庄「繊細すぎる(笑)。フォルの服は『トレンドへの寄り添い』と『トレンド無視』の相反する要素がロジックで組み立てられている。だから、ストリート系にもキレイめにも、どんなテンションの服にもハマるし、なじむ」
平沢「流行も認識しながら、各ジャンルを横断して着られる服を作りたいんです」
Check shirt
元ネタをベースにした生地感と小ぶりな衿にオンブレチェックをかけ合わせ、レトロなムードを緩和。「古きよきモノに目を向けながら今の時代に合う1枚を作りました」(平沢)。シャツ(フォル)¥24,200/ジャーナル スタンダード 渋谷スクランブルスクエア店
Double breasted setup
ダブルのジャケットとベルトループ付きのイージー仕様のスラックスで、定番セットアップを今季はよりドレッシーに。「あえてストリート風に着たい」(庄)。ジャケット¥39,600・パンツ¥29,700(ともにフォル)/ジャーナル スタンダード 渋谷スクランブルスクエア店
Rever coat
二重織りによるアンゴラ混のリバーコート。「今季は大きめの衿とフロントのボタンで柔らかい印象をプラス。シックになりすぎないラグラン仕様で、何にでも合わせやすい」(平沢)。コート(フォル)¥69,300/ジャーナル スタンダード 渋谷スクランブルスクエア店
Photos:Shintaro Yoshimatsu Text & Composition:Takako Nagai
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