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スニーカー人気はまだまだ継続中だけど、なんだか大人っぽい革靴が気になる。そんな気分のスタイリストやプレスなどお馴染みの服好きたちが買ってよかった愛用品をピックアップ。
オシャレな人が買ってよかった
愛用革靴&ブーツ6選
1.Hender Schemeのレザースリッポン
「放射状のスリッドにレザーレースを編み込み表現されたメッシュ状のデザインがポイント。ライニングに、吸水・吸湿・吸汗に優れた人工スエードを使用しているので、裸足で靴を履くことに抵抗のある人にもおすすめです。ソックスを履いても、裸足でもスリットから足が覗き込むのでさまざまな履き方ができる。こんなスリッポンを探していました!」
2.〈J.M. WESTON〉のスエードローファー
「革靴は新品を買うことがほとんどですが、ウエストンに限っては、木型が足に合わないんです。ただ、旧タグが使われた古いモデルにはたまに合うものがあって、だから靴が置いてある古着屋さんへ行くと、ひと通り物色します。これも古着屋さんで見つけたもの。ほぼ未使用の状態でした」
「黒に見えると思いますが、ほんのり茶色みがかった黒。“スーパーダークブラウン”くらいの深い茶色で、なんといってもこの色のよさは、黒の服にも紺の服にも合うことです」
「表革ってすごくエレガントで、自分の毎日にはキザすぎるなと感じます。だからスエードの靴を手に取ることが多いですし、紐を締める動作も要らないローファーは、ほとんどスニーカーと同じ感覚で、毎朝自然と選んでしまいます」
「古着なので、奮発して買ったわけではありません。でも自分はわりと、高いものを買うときも『やったー!』って感じだし、3,000円のTシャツも同じテンションで買います。金額じゃないというか、消費の瞬間より使っているなかで得る自分にしかわからない興奮の方が大きいというか。朝日が気持ちいい日にコーヒーを飲みながら外を歩いていて、ふと足元を見たとき、とか」
3.STOCK NO:
モカシン専業ブランド、ストック ナンバーからひと目で秋を感じられる一足が登場。希少なアンゴラベロアを使用し、毛足の長いほっこり感のあるテクスチャーと優しげなキャメルの色みが新鮮だ。上質な素材ながら、スニーカーのような軽い履き心地とぽってりした可愛げあるフォルムで気負わず毎日履きやすい。
「この秋は定番アイテムを品よくアップデート。ローカットのデザインは夏終盤のショーツスタイルに合わせても違和感なく履けてお気に入りです。いなたいデニムスタイルに合わせた時にも品よく仕上がるので秋冬は大活躍の予感」。
4.KENFORD
ビジネスとカジュアルの両方で活躍するケンフォード定番のコインローファーは、カラーリングで個性をアピールするのもアリ。すっきりしたスマートなデザインながら、柔らかなレザーやクッション性の高い中敷によって履き心地の良さに申し分なし。履くほどに自分の足に馴染んでくるレザーの風合いにも愛着を感じる一足。
「気負わずに履けるローファーを探していたところ、この一足に出会いました。独特なカラーリングも好みですし、スラックスからナイロンパンツまで意外にもアイテムを選ばないのが嬉しい。ガシガシ履けるのでバッティングセンターもこれで通っています(笑)」
5.エドワード グリーンの革靴
20代の前半までを振り返ると、ちょうどメンズノンノモデルになったり、役者を始めたり、いろんなターニングポイントになった時期。着たい服やかっこいいと思う人についての感覚も、この頃に形作られた部分が大きいんじゃないかな。エドワード グリーンの革靴は20代のはじめ頃に、青山のLAILA VINTAGEで、70年代のデッドストックをひと目ぼれして買った思い出があります。今も履いていますよ。実はそれまで、革靴は高校の頃に履いてたローファーくらいで……普段はコンバースやドクターマーチンを履いていたけど、その1足はシャープな佇まいがかっこよくて。
ファッションでは特定の人物に憧れるというよりも、映画の登場人物たちやその作品の世界観から少しずつ感じ取ることが多かったように思います。例えば、シャツを着るときはボタンは2つくらい開けたいな、とか、こういう車に乗りたい、とか些細なことなんですが、共通するのはシンプルでありながらラフだったり、着くずしたムードのある人に惹かれるところ。革靴もシューキーパーを入れて大事に扱うけれど、履くときはデニムに合わせたりもします。実は高校生の頃は、体が細いことがコンプレックスで、それを隠す格好をしていたこともあるんです。だからあまり偉そうな感じでは言えないけれど、ごまかさない服でいるほうがかっこいいぜ、って思う。変に飾ったり隠すんじゃなくて、ラフな格好をしていてもかっこいい人は、ありのままの自分の人間性に、自信を持っているはずだから。
最後にもうひとつ、買い物に関してずっと変わらないのは、育てられるものを買いたいという気持ち。デニムとかもそうなんですけど、大人になってからも、何年も一緒に過ごせるものが僕は好きですね。
6.オールデンの53511
高校まで野球をやっていて、そこからいきなり「スタイリストになりたい」と地元の専門学校へ入り、卒業後はアシスタントに。お金はずっとなかったけれど、変わらないのは昔から「マイスタイル」というものがある大人に憧れがあったこと。唯一無二な感じがかっこいいなと。ただ、その「マイスタイル」の表現が大人になるにつれて大きく変わった。そのきっかけになったのがこの革靴です。
当時の僕はちょっと派手なアイテムというか目を引くようなものを好んで着ていました。例えば、ばーんと猫が描いてあるTシャツを着てみるとか、派手な色を取り入れるとか。でも、年齢を重ねるにつれてやっぱり「なんてことないけどその人といえばコレ」というスタイルのある人がかっこいいよな、という考えが強くなり。オールデンは「大人といえば革靴、革靴といえば…」という憧憬があったんですが、1足目は特に思い入れがあります。なぜならば、スタイリストとして独立して少したった28歳頃、メンズノンノの仕事でN.Y.へ出張撮影へ行って買ったから! オールデンの本店へ行き、コードバンのプレーントウを手にしたときの感覚は、とても強烈なものでした。「スタイリストになって、仕事でN.Y.のオールデンに俺は今いる」という物理的な喜びと、「少しだけお金にも余裕ができて、自分のスタイルのひとつとして革靴を履きたい」という精神的な成長のようなもの、その両方が同時にそこにあったと思います。
最後にアイテムについてもう少し話すと、この1足から始まって、ほかにもオールデンは買い足しています。最近は眺めていることが多いのですが、いつか履きたくなると思う。また、革靴はとにかく価格が高騰中。なので気に入った1足は「高い!」と思っても背伸びして買ったほうが後悔しないと思いますよ。
Photos:Naoto Usami Shintaro Yoshimatsu Stylist:Takeshi Toyoshima Model:Daina Matsui[MEN’S NON-NO model] Interview:Sayako Ono Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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