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英国を代表する「ポール・スミス」が新進気鋭のクリエイターと取り組むコラボレーションプロジェクトである「&PaulSmith(&ポール・スミス)」にてニューヨークを拠点とするブランド「Commission(コミッション)」とコラボレーションを果たした。
&PaulSmith | Commission
「&PaulSmith」の第二弾コラボはアーカイブにインスパイアされたスタイルのコラージュであり、世代を超えたスタイルに対するオマージュでもある。
昨年、「&PaulSmith」はロンドンベースのデザイナー「Priya Ahluwalia(プリヤ・アルワリヤ)」とパートナーシップを組み、カプセルコレクションを発売。メンターシッププログラムを成功裏にスタートさせ、今回、新たな「&PaulSmith」のパートナーにニューヨークを拠点とするブランド「Commission(コミッション)」を選んだ。
これを機にポール・スミスとCFDA(アメリカ・ファッション・デザイナー協議会)は北米を拠点とする新進のメンズウェアデザイナーの指導と育成を目的に多角的な取り組みを行うためのパートナーシップも締結していて、今回「&PaulSmith」でコラボレートする候補者の選出にあたっても、CFDAが協力した。
初対面から、ポールと「コミッション」のディラン・カオおよびジン・ケイとの間には自然なシナジーが生まれたようだ。2018年に設立された「コミッション」は、西洋ファッションにおけるアジア文化の表現方法を再構成し、その立ち位置を高めることを目的としている。
彼らはベトナムと韓国出身のアメリカ移民一世で、コレクションは1980年代と1990年代の両親のワードローブにインスピレーションを得ており、そのデザインは家族写真のアルバムからインスパイアされたノスタルジックなユニフォーム風であることが特徴だ。
こうした背景からコラボレーションコレクションの自然な出発点となったのは、ポールと彼の父ハロルド・スミスが撮影し、2000年にハロルドが亡くなった後に出版された写真集『Father & Son(父と息子)』だ。
この写真集にはポールの「瞬間をとらえた」写真と、父ハロルドの「軽快でウィットに富んだ」写真とが隣り合わせに収められており、ディランとジンが世代を超えたスタイルにどのようにインスパイアされたかの相関関係が見て取れる。
ノッティンガムにあるポール・スミスのアーカイブも、ディランとジンにとって大きなインスピレーション源となった。特に1997/98シーズンと2002/03シーズンのポール・スミスのランウェイコレクションを参考に、今回のコラボレーションでは、ポール・スミスのヴィンテージアイテムのデザインディテールを誇張し細長いシルエットにアレンジした22ピースのアイテムを提案している。
コレクションにはウール・カシミヤのオーバーコート、構築的なシルエットのダブルのウーステッドウールスーツ、前後にウエストポケットの付いたバターイエローのレザーのフィールドジャケットなどが含まれる。
ポイントカラーや低い位置にデザインされたピークドラペル、シームポケットといったアクセントの効いたディテールがアーカイブのテーマを際立たせる一方、ブラウン、イエロー、ブラックなどのヴィンテージ風のカラーパレットが、レッド、ブルー、グリーンといった鮮やかでポップな色使いと組み合わさることでモダンな印象に仕上げている。
「コミッション」のシグネチャーは、ダッドストライプ、大胆な赤の使い方、オーバーサイズのゆったりとしたコートなどに見られ、いずれも特徴的なバックヨークシェイプのデザインが施されている。伝統的なマックを現代的に解釈したテーラードコートは、中綿入りのコットンジャージーやギャバジンといったクラシックな素材で生まれ変わった。
冬のコーデに色は欠かせない。そんな時に、今回のポールスミスとコミッションのコラボアイテムをおすすめしたい。ポップなカラーリングでありながらモダンな印象にまとめることができる。ワードローブに加えてみてはいかがだろうか。
Text:Taro Ohayashi
大林太郎
エディター
主に最新のファッションニュースを執筆。趣味は好きなブランドのネットサーフィンで、頻繁に争奪戦アイテムのオンライン抽選に申し込んでいるが、当選したことがほとんどない。
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