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長く愛せるものに目を向ける「名品図鑑」連載。第48回目のテーマは中綿ベスト。今すぐ着るならロンTやフーディーに重ねて、冬にはアイテム次第でインナーダウンとして、あるいはアウターの上にレイヤードすることが可能。今回もファッションのプロを選者に迎え、名品5選を紹介する。
今らしく洗練されたボア付きベスト
ベーシックウェアを今の気分にアップデートするのが得意なブランド、プロダクトトゥエルブよりショート丈のボア付き中綿ベストが登場。タフな印象になりがちなアイテムだが、起毛の強過ぎないスムースなボアの質感や、フロントジップを長めに出したデザインなどディティールの作り込みによってモダンに仕上がった。表地には撥水力に優れたナイロンサテン、中綿にはプリマロフトを使用し、軽さと防寒性を両立してくれる。「レイヤード次第で雰囲気がガラリと変わるのがベストの面白いところ。アームホールが深く設計されているので、厚手のニットやパーカはもちろんアウターの上にもレイヤードしやすいのがうれしいですね。テック感のあるシェルジャケットの上に着るのが今の気分」。(ムロフィスPR/伊藤誉さん)
ベスト¥59,400/プロダクトトゥエルブ
冬の街に映えるフレッシュなカラーを
中綿ベストはスタイリングを占める面積が小さいから飛ばしたカラーにトライしやすいし、むしろ丁度いいアクセントになってくれる。そこで、スタジオ ニコルソンの目の覚めるようなライトブルーの1枚に注目。アイキャッチな色ながら直線的なパターン設計はクリーンかつミニマル。オーセンティックなアウトドアウェアのような、斜めに入ったダウンパックも特徴だ。表地にはOlmetex社のテクニカルコットンナイロン、中綿には環境にも配慮した断熱素材であるThermore社のエコダウンを使用。「鮮やかなカラーの中綿ベストはアウトドアな雰囲気になりがちですが、きれいな印象に仕上がるマットな質感やシャープなデザインに惹かれました。ライトブルーを生かして寒色系のパーカやグレージュのニットをレイヤードしたい」。(1LDK AOYAMA /杉村直人さん)
ベスト(スタジオニコルソン)¥85,800/1LDK AOYAMA
イン・アウト両用できる老舗ブランドの一枚
お馴染みの老舗アウドドアブランド、バブアー。USネイビーのデッキベストをモチーフに、中綿は適度なボリューム感に抑えつつフォルムは大きなオーバーサイズに仕上げた。インナーとしてもアウターの上のレイヤードでも合わせのウェアの邪魔をしないVネック仕様で、着回し力は抜群。ミリタリーやヴィンテージのアイテムとの相性が良く、僕らのいつものワードローブに馴染む一枚。「ネイビーのシックな配色がお気に入り。チェスターコートの下に入れて、キレイめなスタイリングの外しアイテムとしてプラスしたいです。気分を変えるならバブアー定番のオイルドジャケットのようなハードなアウターと合わせるても面白いですね」。(ビューティアンドユース/横山翔一さん)
ベスト(バブアー)¥20,900/スティーブン アラン フタコタマガワ
主役はもちろん、差し色としても活躍
インターナショナルギャラリービームスのオリジナルレーベルIGの中綿ベストは、シャイニーなイエローが目をひく主役級アイテム。イギリス軍のミリタリーアーカイブのジャーキンベストをモチーフにしたブランド定番のアイテムだが、今季は素材をアップデート。ダイヤ状のステッチを施した光沢の強いリップストップナイロンがフレッシュな印象だ。インナーダウンとしてチラ見せするだけで、冬のスタイルに華やぎをプラスできる。軽量かつ耐久性が高いので、ガシガシ使い倒せるのも嬉しい。「ショート丈のアウターと合わせた時に、長めの着丈が見えてくるバランスが新鮮。インパクトのあるカラーを主役にスタイリングするのもアリですが、個人的にはジャケットやアウターの中に着てイエローをチラ見せしたいです」。(ビームスPR/百々南さん)
ベスト¥33,000/インターナショナルギャラリー ビームス
無骨さとクラシックなムードが融合
USネイビーのアルパカ ライナー デッキベストを原型にしながらも、決して土臭くないミニマルな佇まいが魅力。シンプルなデザインだが、アウターの上から着ても見栄えする太くて無骨な印象のファスナーや、ボクシンググローブ型のパッチポケット、リペア風に作り込んだした裏地のポケットと、随所まで気配りが行き届く1着だ。表地にはコットンライクな風合いのナイロンオックスを使用し、しわになりにくく軽く、耐久性と速乾性に優れているのが特徴。「ミリタリーの本格的なディティールを継承しつつ、今着たいパターンと快適に過ごせる素材というのがポイント。ほどよいゆとり感のあるサイジングで、アームホールもやや大きめなので、ニットやスウェットなどをスッキリ着られます。シャツとスラックスのようなきれい目スタイルのハズしとしても優秀です」。(アダム エ ロペPR/工藤健さん)
ベスト¥25,300/ワイルド ライフ テーラー
Photos:Yoshio Kato Stylist:Masashi Sho Composition&Text:Takako Nagai
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名品図鑑