▼ WPの本文 ▼
ショッププレス、スタイリスト、デザイナー……、彼らは仕事として洋服を扱うプロでありながら、インテリア、音楽、家電、アウトドアギアなど、洋服以外のあらゆる分野にも(ときに仕事そっちのけで)つねに目を光らせる、いわば“物欲のプロ”。そんな服好きたち8人をセレクターに迎え、忖度ナシに、いま本当に欲しいモノを教えてもらう。
FOLL
〈Soft Touch Heavy Sweat Zip Parka〉
selected by 平沢幹太/アンフォロー CONCEPTER・DESIGNER
平沢幹太
Tシャツ一枚で出かけられる残暑の時季は、出先の室内やデスクで肌寒く感じがち。そこで、Tシャツに羽織るだけで夏の終わりから秋口までを快適に過ごせたらと、ジップパーカを選びました。手前味噌ですが、洗い込むとほどよくクタッとするようアルミファスナーを使い、その裏をパイピンング処理していたり、毎シーズン和歌山のニッターさんと取り組むオリジナル素材にウールを混紡して、光沢としっとりしたタッチに仕上げていたり、とこだわり満載です。会社に置きっぱなしにして、製作の作業中に脱ぎ着したいと思います。
PG
〈KNOCK2〉
selected by 佐藤弘樹/STYLIST
佐藤弘樹
革靴やブーツなど、綺麗めの靴を好んで履くことが多く、ここ数年のハイテクスニーカーブームにまったく乗れずにいました……。でも、この靴には両者のニオイを感じられます。スエード素材とvibramソールの組み合わせということでガシガシ履けますが、形はチロリアンなので綺麗さも兼ね備えている。ゴアテックスではないですが、よほど悪天候でなければ十分対応できると思うので、おしゃれキャンパーさんにもおすすめしたいです。ちょっと贅沢な気もしますが(笑)、この靴をはいていたら周りと差をつけられそうです!
RANCOURT&Co.
〈4EYELET MOCCASIN〉
selected by 百々 南/ビームス PR
百々 南
アメリカのメイン州で、モカシンを専門に扱うシューズブランドです。100年以上続く伝統的なハンドソーイングの製法をいまでも守り続ける希少なファクトリーブランドのひとつ。いまの時季は、着ているものが軽快でも、足元には少し上品さをプラスしたい。そこで選んだのがこの一足です。男らしいデザインと汎用性の高さもいい。シンプルに、ショーツと合わせたいです。
ENCOMING
〈KNITTED TWO POCKET VEST〉
selected by 相川 龍之介/ランディ DESIGNER
相川 龍之介
インカミングのデザイナーは私と同世代なんです。彼の作る服はどれも、私が普段着る古着にすんなりと似合うようなものばかり。ブランドが得意とするニットのベストは、膝上のショーツを穿くとき、あえてニット素材のトップスと合わせて着たいと思って選びました。ほかにも、秋ならスウェットシャツの上から、冬にはコートのインナーに……とオールシーズン着られるイメージがつきますね。
Taiga Takahashi
〈SWEAT COAT〉
selected by 三浦翔平/STYLIST
三浦翔平
京都の総合芸術空間「T.T」も含め、このブランドの、こだわりを尽くしたものづくりの姿勢に強く惹かれます。明確なスタイルを打ち出すことでファッションの在り方にひとつの解を示したり、70〜100年前のワークウェアをベースにした絶妙なパターンバランスをあえてこの時代に打ち出していたり。つい想いが溢れてしまいます……! 肝心のこのジャケットについてですが、一見シンプルなのに、丸編みのリブ、襟や前立てなど随所に異なる素材を組み合わせた、渋さ漂うゴマ塩ボディがたまりません! リブの長さ、着丈や袖丈の短さなどもツボ。「たまには全身タイガ タカハシで」という気分にさせてくれる、強さのある服です。
ASICS SportStyle
〈UB5-S GEL-NIMBUS 9〉
selected by 吉岡玲欧/ユナイテッドアローズ&サンズ SALES MASTER
吉岡玲欧
いまスニーカーのなかでとくに気になっているのがアシックスです。メタリックな配色、機械的なディテールが少年心をくすぐりますよね。すでに店頭はAWが立ち上がっておりますが、残暑の厳しいいま時季。せめて足元は軽快にいきたい。そんな気分で履いてみたら、アラ不思議。秋冬の重厚感ある素材のお洋服と、テックな雰囲気がいい感じのミスマッチを演出してくれます。丈足らずのデニムを雑にはいて、洒落たストライプのオーバーシャツを羽織って、なんてのもいいですネ。
ASICS SportStyle
〈UB4-S GEL-1130 -KIKO CURATION-〉
selected by 西澤祐哉/スタジオファブワーク・エンケル PR
西澤祐哉
ブランドを象徴するアシックスストライプをあえて覆うようにメッシュを重ねたデザインに、「さすがキコ」と驚かされました。キコのキュレーションモデルは毎度ツボで常にチェックしているのですが、なかでも今回はキコらしい素材使いやカラーリング、構築的なデザインで、スポーティでありながら高級感も漂う一足。またしても心惹かれています。解禁されはじめたパーティや展示会など、いつもより綺麗めな格好をするときのハズシにしたいです。
Omarafridi
〈DISTORTED HAND BAG〉
selected by 井上直哉/トゥモローランド PR
井上直哉
去年のいま頃、21AWのオマールのバッグを購入しました。同じように容量のあるもので、カメラやPCも難なく入り、スタイリングのアクセントにもなる。一年間使ってみて、この手のバッグは夏にはTシャツ一枚に、冬にはウールのロングコートにと、何にでも合うことがわかって。ちょうど「色違いも欲しいな……」と思っていたところでした。ツヤツヤした薄緑色は、秋冬にネイビー調のアイテムと合わせて色映えさせたい。22AWでもまた異なる素材とデザインのバッグが登場するようなので、そちらも狙っています!
Photos: ITCHY Stylist: Shohei Miura Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
▲ WPの本文 ▲
服好きたちのWISH LIST