▼ WPの本文 ▼
「どうしたってやめられない…だって服が好きだから!」。口をそろえてそう話す服バカの二人が、今年欲しい服と去年買ってよかった服を披露!今回は、芸人(四千頭身)・都築拓紀さんに、あふれ出る服への愛と買い物への情熱を語り尽くしてもらった。
都築拓紀の「ファースト買い」
この春、最初に欲しい服
———
10 eyevanのメガネ
洗練されたミニマルな小物が愛すべき古着を引き立てる!
所々破れたりくずれたりしている通称「ボロ」をはじめ、古着をこよなく愛している都築さんが選んだのは、10個の繊細なパーツで構成された美しい10 アイヴァンのメガネ。「くたくたの古着をよく着ていますが、それだけだと普通の古着好きになってしまう。あえてシンプルで上質なメガネを足すことで、自然にバランスがとれるんです。『目が悪くてかけてます』くらいの飾らないデザインが理想で、落ち着いた雰囲気のマットなブラックフレームが気に入っています」。
都築拓紀の「ベスト買い」
2021年、買ってよかった服
———
「飾らない飾り方」をめざして、
ヴィンテージのボロを我流でミックス!
軽快さが欲しくて取り入れた古着の好みは、もはや性癖!?
買い物はほぼ毎日ですね(笑)。お店に行くことは少ないですが、メルカリで日常的にバンバン買います。最近の好きな傾向に合わせて買うアイテムもあるけれど、それよりは、今日から1年先を見据えて、1日でもこれを着たいと思う日があるかをじっくり考えます。ある日を妄想して「こういうシャツ着たいな。手もとにないな。そんな状況は無理!」ってなって購入しちゃう。まぁ、建前だけの低いハードルをつくり、飛び越えて自分を納得させているだけ…(笑)。
僕のボロ好きは性癖なんです。誰もが持っているフェチのようなもの。よくボロの何がいいのか聞かれるんですが、魅力を感じる感覚が違う人にいくら語っても伝わらない。それを象徴するようなアイテムが、スウェットのジャケット(❶)。どんどんやつれていって広がっていく身幅と、短い丈感が絶妙にいい。タンクトップの上にはおって、ストレートのスラックスやデニムと合わせて、ラフに着ることが多いですね。
古着に本格的にハマったのは、若い頃のジョニー・デップを見てから。いろいろなアイテムやスタイルを試していく中で軽快さを求めていたときに、映画の『ギルバート・グレイプ』を観たんです。味のあるワークジャケットにデニムをはいていて。「これは、やばいぞ」と(笑)。それから、80〜90年代の日常着をイメージしてスタイリングしてます。
お世話になってる神戸の古着屋「楽園」で買ったロングコート(❷)は、重厚感はあるけど、重さはない。上品だけど、イキってない。この雰囲気は古着ならでは。どんな服装にも合うので、去年買って、寒さが本格的になる前から着てたな。
(❸)は激しいアタリが入っていてもともと古着っぽいデザイン。アーカイブとしてさらに味が出ていて手持ちの古着ともよくなじむんです。サイズは50で、パーカなどを挟むとちょうどいいサイズ感。「大昔から代々我が家の男たちに引き継がれているんです」って言っても信じてもらえちゃうくらい、深みを感じられる雰囲気がカッコいい(笑)。
2021年に買って一番よかったと思えるのは、マルジェラのアーカイブのキーホルダー(❹)かもしれない。カレンダータグの中だと、0と10に印がついたアーティザナルラインの小物。タックインしたときに腰もとで映えて、着こなしのアクセントになってくれるんです。あと、僕は鍵をよくなくすのですが、キーホルダーのおかげでなくさなくなりました。ファッションだけじゃなくて実用性も含めてポイントが高い!
ブランドのヴィンテージを扱う原宿の「ニブンノイチ」で買ったラフ・シモンズの2002年秋冬、いわゆるヴァージニア クリーパー期のスウェット(❺)は去年で一番高い買い物。淡いグリーンもきれいで、ボロ具合もベスト。身幅がワイドでゆったりしているので、スラックスなど上品なパンツで大人っぽく仕上げてます。カッコいいとはいえ、買うときは高い値段に悩みましたね。お店でちょうど海外のラッパーから在庫確認の連絡が来てると聞き、ジャパニーズコメディアンが負けるかって購入に踏み切りました。60万円しました(笑)。でも、これでラーメンも焼き肉も食べに行きます。愛するが故に、服と距離を縮めたいからラフに扱う。シワも汚れも一緒にファッションを楽しんでる証。今年もあまり理解されない古着をたくさん買うんでしょうね(笑)。
Profile
芸人
都築拓紀(つづき・ひろき)
1997年生まれ、茨城県出身。2016年に後藤拓実、石橋遼大とお笑いトリオ「四千頭身」を結成。インスタグラム(@tzk4000)にアップする、オリジナリティあふれる着こなしが話題に。
Photos:Houmi SakataTRON management ITCHY(still) Hair:Masaki Takada Stylist:Masashi Sho Text:Hisamoto Chikaraishi
▲ WPの本文 ▲