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古着はおしゃれ男子の必須アイテム! でもどの古着屋に行ったらいいのか? いい古着屋を見つけるのは意外に難しい。ならば古着通にきけばいい! おしゃれ男子御用達の古着屋を毎回一軒、ディープに紹介。
第12回は私服がほぼ古着という新メンズノンノモデル、安西一真が古着のメッカ下北沢で見つけたロマド・ロマンをレポート!
クールに見えて人懐こい店主の
アットホームな接客にハマる!
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古着屋がひしめく下北沢の路地裏、雑居ビルの2階の奥に2021年5月にオープンしたロマド・ロマン。新店ながら地域イベントや、バンタンデザイン研究所の学生が企画・運営したポップアップショップに参加して認知度を上げ、着実にファンを増やしている。
私服はほぼ古着という安西一真も、今年3月に下北沢駅「シモキタエキウエ」の2階コンコースで開催されたポップアップショップでロマド・ロマンを知った。「並んでいた古着が魅力的だったので、その後お店に足を運びました。行ってみたら店主の城野さんも気さくだし、お店の雰囲気もよくて、それからちょこちょこ顔を出しています」(安西)。
古着文化が加速する下北沢に出店
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下北沢駅東口から徒歩約3分というロケーションにある下北沢マンションには、ほかにも古着店や洋服店が並ぶ。もともと近くの古着店で働いていた店主の城野 拓さんは、昨年くらいからアメカジリバイバルに伴って「古着文化が加速している!」と肌で感じていた。「独立するなら今! 古着が根付いていて知人も多い、この下北沢で」と思っているときに、この物件に出会い出店。
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こぢんまりとした店内は、2階の角部屋だから日差しがたっぷりと入り、並んでいる商品も見やすい。頭上の飾り棚には城野さんの趣味がわかるコミックやレコードが並び、友達の家に遊びにきているような気分になる。
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名古屋の大学時代に古着と出会い、18歳から古着店のスタッフとして働き始めた城野さん。カナダに語学留学をして、2年半滞在したトロントでも現地の友人と古着の販売に携わった。帰国後は下北沢の古着屋に勤めて、さらに経験を積んだ。
「トロントはカナダの中でも英国文化の影響が色濃く、そこでイギリスのカルチャーにも造詣を深めました」(城野)。ロマド・ロマンはアメリカ古着がメインだが、英国ロックの文脈を感じる古着も散見する。
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「基本的には自分のテンションで好きなものをセレクトしています。スタイルも好きなカルチャーも1970年代から80年代なので、自然とその年代のアイテムが多くなっています」(城野)。リーバイス646ベルボトムの80’s復刻デッドストックが、さり気なく並んでいたりするのも、あくまでそのライン上と自然体。
アメカジに合うアウターをチェック
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ロングヘアに古着の革ジャン&リーバイス503、足もとはコンバースと、90年代の渋カジを彷彿とさせる私服姿の安西。この日は「自分のスタイルに合う冬アウターを見つけたい!」とロマド・ロマンへ。最初に手に取ったのはショート丈のスタジャン。「最近スタジャンが気になって、探していたんです! これはショート丈でサイズもぴったり」(安西)。
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「アメリカのスタジャンはメンズだと日本人には大きすぎるので、レディースがちょうどいいんですよね」と城野さん。今のファッションにマッチするショート丈のものを、今季は豊富にピックアップしている。店の奥にはスタジャンを集めたコーナーも。
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「アメカジブームでスタジャンが注目されています。下北沢は古着初心者も多いからセレクトの間口は広く、求められるものはしっかりラインナップしたいんですよね」(城野)。新品しか着ない人にもハマるように、サイズ感やコンディションは厳選しつつ、スタジャンなら「レディース」のような、城野さんのこだわりも落とし込んでいる。
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続いては奥のラックからツイードのコートをピックアップ。こちらは1960年代の英国製。「フェイクファーの襟が今っぽくて手に取ったら、意外に軽くて。思ったよりもカジュアルに羽織れますね!」(安西)。ヘリンボーンにオーバーペーンという凝ったツイード生地に、キルティング裏地で暖かい。
トップボタンのレザーが剥がれ、中のコルクが見えているが、「これはヴィンテージの特徴でもある本物のバスケットボタン。今はデザインだけになっていますが、こういうディテールが見られるのも古着ならでは」(城野)。
憧れのクージーのニットにも挑戦
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一点一点つぶさにチェックする様子からも、古着への愛が感じられる安西。ニットのコーナーは特に念入りだ。見つけたのは、古着好きにコレクターが多いクージーのニット。
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「クージーのニットには憧れがあるんです。自分が好きなヒップホップのアーティストが着ていたので、そのイメージでコーディネートしてみました!」(安西)。万華鏡のようなカラフルなニットに、33インチの大きめ501を腰ばきで合わせた。
クージーはオーストラリアのニットブランド。90年代にノトーリアス・B.I.G.やスヌープ・ドッグなどラッパーが愛用してブレイク。90’sヒップホップカルチャーを象徴するアイテムとして、当時の古着が人気だ。
マルチに着こなせるアウターが推し!
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一通り店内をチェックしたところで、スタッフの白川友敬(とものり)さんにおすすめアイテムを聞いてみた。「このライダースはサイドの編み上げやベルテッドデザインなど本格的なバイカー仕様ですが、コットン素材なんですよ。だからアウターとしてだけでなく、ミドルインナーとしても使いやすくておすすめです」(白川)。
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店主の城野さんが安西の雰囲気に合わせて、モヘアカーディガンとのレイヤードを提案してくれた。「80年代のオルタナティヴ・ロックのアーティストみたいに、スウェットパーカにライダースを重ねて、モヘアカーディガンでグランジ風に」(城野)。インナーにはニルヴァーナのTシャツを仕込み、ボトムはダメージジーンズと完璧だ。
「個人的に1980年代~90年代のムードやグランジが好きだから、このコーディネートは自分でもしてみたいですね」と安西も気に入った様子。
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城野さんは「安西に似合いそう」とロングコートのコーディネートも用意していた。「ネップ感のあるテーラードコートは、トレンドのトラックパンツでラグジュアリー系ストリートスタイルに。インナーはミッキーのニットで抜け感を入れました。全体を赤と黒でまとめてスッキリ見せています」(城野)。
「どのアイテムも自分では選ばないモノばかりで新鮮です。意外と私服でもイケそうと思いました!」(安西)。アンニュイな安西の雰囲気と相まって、モードなルックに仕上がった。
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実は城野さん、このほかにもあと2つ、安西イメージのコーディネートを用意してくれていた。時間の都合で、全部は着られなかったが、ディスプレイされていたカーハートのツナギを使ったコーディネートも。「ナチュラルダメージで裏地の赤が見えたりして、これも安西君に似合うと思いました!」(城野)。
着やすくて人と違って見える古着を
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安西が着た2つのコーディネートでもわかるように、ロマド・ロマンの振り幅は広い。店内を見渡せば、このミリタリーパーカのように「ミリタリーでブラウン?」と二度見したくなるものも。
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靴もスニーカーだけでなく、トレンドのマウテンブーツなどもラインナップ。一点モノ感覚のデザインや「見たことない色!」など、「着やすいけれど人と違って見えるような古着を、これからも自分の視点でセレクトしていきたい」と、静かに、情熱をこめて城野さんは語る。
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スタッフの白川さんは都内の私立大学に通う大学生。買い物に来たとき城野さんに「古着屋さんで働いてみたい」と話したところ、タイミングがよくアルバイトをすることに。「身長188cmという僕にもちょうどいいサイズが見つかるのが、古着の魅力ですよね」(白川)。
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ちょっと探検気分で上がった先には、気のいいお兄さんのような城野さんや白川さんがいて、何となく話をするうちに古着やカルチャーのことがいろいろわかってくる。その距離感も心地よいロマド・ロマン。初心者にもおすすめの、気負わず通える古着店だ。
動画も公開中!
ロマド・ロマン
住所: 東京都世田谷区北沢2-35-15 下北沢マンション2F 66号
営業時間: 14:00〜20:00 (土日12:00〜) 不定休
Instagram:@lomad.loman
WEBサイト:lomadloman.thebase.in
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Photos:Yumi Yamasaki
Model:Kazuma Anzai [MEN’S NON-NO model]
Composition & Text:Hisami Kotakemori
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