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古着はおしゃれ男子の必須アイテム! でもどの古着屋に行ったらいいのか? いい古着屋を見つけるのは意外に難しい。ならば古着通にきけばいい! おしゃれ男子御用達の古着屋を毎回一軒、ディープに紹介。
第10回は意外に古着好きなメンズノンノモデル鈴鹿央士が、「イメージに合う」古着を買っている三軒茶屋のスリーをレポート!
広々とした店内にクリーンな古着がズラリ。
セレクトはもちろんスタッフも頼りになる!
古着好きの間では、深夜まで営業する優良古着屋が多いエリアとして知られる三軒茶屋。祐天寺方面に向かう、栄商店街を抜けた広い通り沿いのビルの2階にある。1階はスパイスバル317というレストラン。ガラス張りのドアを開けて階段を上ると、そこがスリー。アロマの香りが漂う古着と新品のセレクトショップが広がる。
「インスタグラムで見つけて、スリーに行ったらイシューの店員さんがいたので兄弟店だと知りました」と鈴鹿が語る通り、スリーは学芸大学駅エリアにある名古着店、イシューの兄弟店。祐天寺にあった人気古着店、カタチ(現在は閉店)のオーナーが手がける4番目の店舗(3店舗めはレディース古着のLUIK)として2015年に、ここ三軒茶屋にオープンした。
深夜まで開いているからありがたい
スリーは15時開店、深夜24時まで営業するスタイルで、仕事終わりが20時を過ぎる美容師などが常連に多い。1980年代から1990年代のヴィンテージを中心に、希少性の高いモノ、気の利いたデザインをアメリカやヨーロッパで、目利きのオーナーがハンドピックする。最近ではヨーロッパ古着が2~3割を占め、メゾンブランドの古着も多い。また古着にマッチする新品のセレクト商品(全体の2~3割)も一部取り扱っている。
大きな窓から光が注ぐ店内は開放的でディスプレイも美しく、ショップというよりもショールームのようなムード。シーズンの推しの古着を吊るしてアピールする一角が、ショップの顔になっている。年に4回ほどシーズン切り替えの大量入荷があるほか、週に1回は商品が補充され、いつ訪れてもフレッシュな気分でショッピングが楽しめる。取材に訪れた日は秋物が大量入荷した直後。instagramで発信されたディスプレイをそのままの状態で見ることができた。
壁際にもアンティークのドアを利用したギャラリーのようなコーナーがあり、こちらにはオンブレチェックの大きなブランケットとともに、2000年代のディーゼルのモッズコートやコーチのレザーショルダーバッグなどが飾られ、スリーのセンスのよさを物語る。
さっそくお目当ての古着をチェック
鈴鹿はこの日「カーディガンや秋物のトップスが欲しい」と、慣れた様子で店内を周遊。秋物に入れ替わったスリーに来るのは今季初で、端から丁寧に商品を見ていく。「スリーの商品は古着という感じがまったくしないくらい、どれもきれいです。値段はそこまで安くはありませんが、セレクトショップでオリジナルの商品を買うような価格で、いい感じに味の出た自分好みの一点ものが買えるというのが魅力です」(鈴鹿)。
ラックの中から目ざとく見つけたのがブラウンにベージュとブルーのドットボーダー柄があしらわれたポロシャツ。「かわいいけれど、ちょっとおじさんっぽい、そんな雰囲気が僕のキャラクターには合っている気がして、その感じをファッションで出せればと思っています。イメージ通りだったのがこのポロシャツ。ブラウンは好きな色で、そこにかわいらしいドットいうのがツボでした」(鈴鹿)。ボトムにはクリース入りのワイドデニムをチョイス。
今季はクリスチャン ディオールの古着にフォーカス
「サラッと羽織れる軽いカーディガンを探している」という鈴鹿のリクエストに応えて、顔なじみのショップスタッフ倉 拓哉さんが選んでくれたのがネイビーのカーディガン。胸にDiorのワンポイント刺しゅうが入った、この秋注目のアクリルカーディガンで、ディオールなのにメイド・イン・USAという代物。
オーナーが今まで買い集めてきたクリスチャン ディオールの古着が一定量まとまり、今シーズンのブランド古着の目玉になっている。「このカーディガンはメンズながら“クリスチャン ディオール”ネームが付いた90年代のものです。このほかにもシャツやコート類が充実していますので、この機会にぜひ、手に取っていただければと思います」(倉)。鈴鹿が選んだポロシャツとも相性がよく、品のいいコーディネートが完成。
スリーが推す“ナチュラルダメージ”に挑戦
スリーはオールジャンルのファッションに対応した品ぞろえで、ストリート系のアイテムも充実している。中でも得意としているのが、ナチュラルダメージのスウェットやデニム類。「ペイント汚れや襟もと、袖、裾のダメージなど、計算されていないからこそのよさがあります」と倉さんが語る通り、デザインものが勝てない本物のパワーに惹きつけられる。
普段はストリート系にまったく手を出していない鈴鹿も、倉さんの話に大きくうなずき、チャンピオンのダメージスウェットを見つけ出した。「この色みとダメージがいいですね。今までこういうジャンルを着たことがないのですが、意外とイケるなと思いました」(鈴鹿)。コットン90%、ポリエステル10%という混率から90年代と思われるが、まだメイド・イン・USAの時代のもの。XLというリラックス感のあるサイズを選んでいるのが鈴鹿らしい。
イメージをスタッフに伝えて欲しい古着を見つける
欲しい服のイメージをスタッフに伝えて、相談しながらショッピングをするのが鈴鹿のスタイル。「先日も“ちょっときれいめだけれども、古着っぽくない、ピシッとしていないシャツ”とリクエストして、出していただいたシルクのベージュ色のシャツを買いました。そのときどきの欲しい服のイメージを伝えると、いつも僕にぴったりの一着を見つけてくれるので、頼りにしています」(鈴鹿)。
この日もスリーや兄弟店のイシューでもおなじみのスタッフ、倉さんに「白いアウターを取り入れたいんですが」と尋ねると、ホワイトデニムのジャケットとジーンズのセットアップを提案してくれた。
「今ちょうどディスプレイしていますが、 Sunbelt(サンベルト)というアメリカのカジュアルブランドのホワイトデニムのGジャンに、ディッキーズのペイントのダメージがあるデニムパンツをセットアップにして着るのは鈴鹿さんに似合いそう。シルエットもきれいだし、サイズ感もちょうどいいと思います」と倉さん。デニムにはグリーンのベルトをセットにして販売している。
「こういうの好きです。デニムもベルト付きでありがたい」(鈴鹿)。インナーには新品でセレクトしているニット&カットソーブランド、ANDER(アンダー)のボーダーTを鈴鹿がチョイス。足もとはナイキのオールドスニーカー。クリーンなストリートコーディネートが新鮮だ。
倉さんはスリーとイシューを掛け持ちするベテラン。学生時代にカタチに通っていたことが縁で「セレクトや世界観が自分好み」のカタチに転職。スリーは立ち上げ1年後から店頭に立ち、Instagramにモデルとしても登場する看板スタッフだ。「古着とそのムードに合う新しいブランド服を合わせる着こなしが自分流です」との言葉通り、この日も古着のデザインニットにベルギーの気鋭ブランド、オー プロジェクトのニットパンツをさらりと合わせていた。
つい気になる顔モチーフのアイテム
ちなみに鈴鹿はアーティストTや偉人Tなど人の顔のモチーフを見ると、つい買ってしまうのだそうだ。「VネックカーディガンのVの部分に顔をチラ見せすることにハマっていて」と、この後も顔のパッチがついたリメイクシャツをピックアップ。「このボーダーTにも合いそう」と鏡越しにフィッティング。
「これも持ち主が自分でしたリメイクをそのまま生かした古着です。裏を見るとわかりますが、穴が開いた部分をSaks Fifth Avenueのネームタグでリペアして、あとはバランスでYves Saint Laurentやフェイスプリントの布をパッチワークしているんですよね」(倉)。リメイクのセンスも今っぽい。
オールドスニーカーや新品のセレクトも見逃せない
トレンド感は大事にしているというスリー。スニーカーも復刻が続く1990年代から2010年代のデッドストックを中心にそろえたり、ここ数年人気が続くナイキやアディダス、スポーツブランドの古着にも注力している。
新品では古着とのミックスをモダンに見せてくれる別注のニットなども手掛け、セレクト商品にもファンがついているそうだ。「このMACMAHON KNITTING MILLS(マクマホンニッティングミルズ)はネパールのハンドニットブランド。白ベースに黒のスター柄がスリーの別注色で、今季のイチオシです」(倉)。
レジカウンターのショーケースには925シルバーのハンドメイドメキシカンジュエリーも並ぶ。存在感はありつつシンプルなデザインで、どんなスタイルにも合わせやすい。多彩な商品を見ていると、あっという間に時間が経ってしまう。
「スリーは服が入れ替わる頻度が高くて、いろいろな服と出会えます。とても見やすくて、雰囲気もものすごくいいので、ぜひ皆さん、お店にきてスタッフさんに相談してみてください!」(鈴鹿)。Instagramで日々商品情報がアップデートされている。ぜひともチェックしてほしい。
動画も公開中!
THREE
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1- 7-12 2階
TEL: :03-5431-3832
営業時間:15:00~24:00
Instagram:@three0511
WEBサイト:threevintage.theshop.jp
Photos:Yumi Yamasaki
Model:Oji Suzuka [MEN’S NON-NO model]
Composition & Text:Hisami Kotakemori
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