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古着はおしゃれ男子の必須アイテム! でもどの古着屋に行ったらいいのか? いい古着屋を見つけるのは意外に難しい。ならば古着通にきけばいい! おしゃれ男子御用達の古着屋を毎回一軒、ディープに紹介。
第8回はストリートベースのクリーンカジュアルで存在感を増すメンズノンノモデル稲井孝太朗が、海外セレブも立ち寄るという原宿のバニーをレポート!
敏腕女子店長がLAでハンドピック!
ストリートを先取りするスゴいセレクト!
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有名古着店がひしめく原宿通り(とんちゃん通り)に2016年7月にオープンしたバニー。同じ通り沿いにある古着店、ボストック(VOSTOK)、ピンナップ(PIN NAP)の系列店で、店長はピンナップ出身の飯村マイナさん。女子ならではの視点とパワフルな行動力が買われて、バニーを立ち上げる際に抜擢された。
3か月おきにLAで飯村さんが直接買い付ける1990年代から2000年代を中心としたアメリカ古着は、若い世代には新鮮に、大人世代には懐かしいセレクト。USAのオモチャやカルチャーが匂うプロップを巧みに使い、原宿通りでも注目の人気店に成長した。「メンズノンノモデルの大平(修蔵)君に連れられて入ったのが最初です。僕好みの古着ばかりで、店員さんもフレンドリー。去年の冬から通っています」(稲井)。
映画Tやポロのヴィンテージが充実!
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1階の路面店でガラス張り、しかも壁は水色と明るくてクリーン。LAらしいカラフルな古着や、カルチャーを感じるヴィンテージが空間を有効に使ってディスプレイされている。ポロ ラルフ ローレン、トミー ヒルフィガー、シュプリームなど、おなじみのブランドが並ぶ中にBAPE®なども散見するが、すべてLA買い付け。「レディース古着やサイズが小さい古着でも、メンズで行ける! と思ったら迷わず仕入れます」と飯村さんが語る通り、型にはまらない商品構成がバニーの強み。
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大学でポップカルチャーを研究した飯村さんは、独特の視点で古着のネクストブレイクを探っている。「バンドTはずっと人気ですが、どんどん高騰していていいものも減ってきている。それでグラフィックの秀逸なものが多い映画Tを仕入れてきたんですが、これもここ2~3年で高騰。今はプロレスTに注目します!」(飯村)。映画Tとともにディスプレイされているが、確かにカッコいいし、ストリートスタイルにハマる。
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古着でも人気の高い、ポロ ラルフ ローレンや1990年代に一世を風靡したポロ スポーツのアイテムも豊富で、ディスプレイだけでなくそれぞれのラックで見つけることができる。棚の上にもさまざまなお宝が!
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店の奥には1992年のバルセロナオリンピックのために製作されたポロ スポーツの「ポロ スタジアム コレクション」(2018年には復刻もされている!)のヴィンテージも。
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こちらはスケーター界のレジェンド、トニー・ホークのサイン入りスケボーデッキ。トニーが手がけるデッキブランド、バードハウスのデッキで、彼がプロデュースした映画『The End』のグラフィックというのがまたレア。なんと本人がバニーに来店したときに書いてもらったものだとか!
LAにマメに通って古着だけでなくゴルフワンのような話題のブランドもいち早く買い付ける飯村さんは、LAのストリートブランド界隈ではちょっとした有名人らしく、つながりのあるセレブたちが来日の際に、バニーに立ち寄るのだそうだ。ジャスティン・ビーバーも来たというエピソードに、稲井も感動。
まずは稲井が気になるTシャツを紹介
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店内をひと通りチェックした稲井は「バニーと言えばTシャツですよね?」とラックの中から気になるTシャツをピックアップ。Tシャツは1年中店頭に並ぶ人気商品で、夏場は店中央の棚の上もTシャツで埋めつくされ、かなりのボリューム。
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マルーン5の2011年のツアーTシャツ¥10,990
稲井が最初に選んだのがアメリカの人気バンド、マルーン5のツアーTシャツ。「好きなバンドのTシャツにはやっぱり反応しちゃいますよね。『SUGAR』のヒットでもおなじみですが、好きなバンドのひとつです!」(稲井)。フロントにはメンバーのポートレート、バックにはツアーで訪れる都市名がプリントされている。
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2000年代のダース・ベイダーのグラフィックTシャツ¥6,990
続いてはカルト的な人気を誇る映画『スター・ウォーズ』のアンチヒーロー、ダース・ベイダーのグラフィックTシャツ。「実は『スター・ウォーズ』は見たことがないんですが、登場キャラクターは知っています。全部同じなのにANGRY(怒り)、HAPPY(しあわせ)と感情表現ワードがついている、このアイデアが面白い!」(稲井)。
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『X-ファイル』のオフィシャルTシャツ¥10,990
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背面にはタイトルバックで流れる“THE TRUTH IS OUT THERE.(真実はそこにある)”のグラフィックが。
最後はUFOなど超常現象にまつわる事件を描いたアメリカの傑作ドラマシリーズ『X-ファイル』のTシャツ。「母親が見ていたのを思い出して手に取ったんですが、純粋にデザインもカッコいいと思いました」(稲井)。海外ドラマブームの先駆けとなったこの作品は1993年にスタートし、1998年には『X-ファイル ザ・ムービー』として映画も製作されている。
稲井が選んだのはいずれも黒ベースのTシャツ。グラフィックが派手でも黒ならカジュアルに振れすぎず、ストリートスタイルに取り入れやすい。この日はいてきたディッキーズのパンツとも好相性だ。
派手めのポロシャツに挑戦したい!
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「この夏は派手めのポロシャツに挑戦したいんですが、僕に合いそうなおすすめはありますか?」とスタッフの宮下裕次さんに相談する稲井。「色が派手なものですか? 稲井さんは身長も高いんで、90年代にポロ ラルフ ローレンがリリースしていたビッグポロが似合うと思うんですよね」とオレンジ色のパイル地のポロシャツをピックアップ。
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90年代のポロ ラルフ ローレンのビッグポロシャツ¥9,990
リーバイス®550デニムショーツ¥7,990
「肉厚のパイル地ですがタオルっぽいのでサラッと着られますね。90年代のスケーターっぽくデニムのショーツをコーディネートしました! シンプルな夏スタイルもビビッドカラーのポロシャツがあれば一点突破できる気がします!」(稲井)。90年代にポロ ラルフ ローレンがリリースしたビッグシリーズは、当時スケーターの間でも大ヒット。
「今のラルフ ローレンのお店にはないものなので、古着でも人気が高く、入荷するとすぐに売れてしまいます」(宮下)。ポロシャツではこのほかにラコステが人気で、カラーバリエーションも豊富にそろえている。ポロシャツは無地だけでなく、ボーダーを筆頭にアロハ風など柄ものも充実。
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エキゾチックな柄の開襟シャツ¥8,590
ポロシャツの隣に並ぶ開襟シャツの中からもエッジのきいた一枚をセレクト。美女とドクロとコブラに炎と、ストリート要素満載のプリント。「開襟シャツも好きで、こういう派手な柄もディッキーズ&コンバースで合わせれば大人っぽく着られてかっこいいかなと思いました」(稲井)。フロントを開けてタンクトップとネックレスを生かし、ラフに着こなした。
バニーのおすすめコーディネート
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キューバシャツ¥9,990
エンジョイのTシャツ¥7,990
ラングラーのランチャージーンズ¥10,990
10Kゴールドネックレス(20インチ)¥39,990
まずは稲井の私服に寄せて、バニーが推すキューバシャツをメインにしたコーディネート。「キューバシャツはバリエーションが豊富で、ジッパータイプのものはシャツジャケット風に応用することができておすすめです。ブラウン系のトーンでまとめつつ、エンジョイのパンダTシャツでコミカルな要素をプラスしました」(飯村)。エンジョイは2000年にスタートしたスケーターブランドで、パンダがアイコン。
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フロントを閉じると印象が変わる「グァジャベーラ」ブランドのキューバシャツ。
グァジャベーラの別名でも知られるキューバシャツは、シュプリームなどのストリートブランドからもリリースされている経緯もあり古着でも人気。稲井もバニーで買った水色のキューバシャツを愛用している。
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タバスコTシャツ¥10,990
ラルフ ローレンのパンツ¥13,990
ボンダッチのハット¥4,690
腰から下げたスカーフ¥4,290
こちらはタバスコTシャツをメインにして、バニーらしさを全面に打ち出した。「企業Tシャツも推していて、中でも注目しているのがタバスコ。90年代にはゴルフウエアもあったほど、アイテムが豊富なんです。インパクトのある全面グラフィックTをラルフ ローレンのリネンパンツで品よくまとめました」(飯村)。デニムではカジュアルすぎるのでネイビーのリネンパンツ。夏は涼しくて上品さも出ておすすめだ。
ニックネームはマイケル
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キューバシャツ¥8,990
スタッフの宮下さんはマイケルの愛称で顧客にも愛される、古着とスニーカーが好きな21歳。バニーが推すLAのスケーターブランド、フックアップスのアニメ調グラフィックTをサラッと着こなす。「スケーター系のブランドは気になるグラフィックが多くて、ほかの古着屋さんでも掘ったりしています」(宮下)。ワールドインダストリーズのキャップはTシャツと色みをそろえ、ボトムはチャンピオンのスウェットパンツとオールブラックのエアマックス90というこなれた出でたち。
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ネックレスはすべて私物だが、ネックレス¥19,990~・チャーム¥23,990~でバニーにて販売中。
襟元にはバニーオリジナルの10Kゴールドネックレスを重ねづけしている。「バニーがLAのジュエラーにオーダーしてつくっているんですが、古着に合わせることでラグジュアリー感が添えられます。華奢なデザインがポイント」(飯村)。これなら女子への好感度もアピールできる。
秋に向けての注目アイテムは?
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2000年代のボンダッチのドリズラージャケット¥12,990
最後、稲井は秋に向けてアウターをチェック。商品はシーズンごとに入れ替わるので9月にはアウター類が入荷するが、ナイロンジャケットやドリズラージャケットは夏場でも一定量店頭にそろえている。ラックの中から目ざとくボンダッチのブルゾンを選んだ稲井。この日のコーディネートにもバッチリ。
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「この秋はショート丈のアウターが着たいと思っていました。黒い服が多いんで、ベージュ系の色はしっくりきますよね。ボンダッチのワッペンがいい感じで、男っぽいムードが出せると思いました」(稲井)。車やバイクのカスタムカルチャーのカリスマだったケニス・ハワードによって設立されたボンダッチ。西海岸でも今また熱い存在なのだとか。
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飯村店長のおすすめはエヴィスジーンズ。日本発のデニムブランドだが、ファッション番長として影響力を持つラッパーのトラヴィス・スコットが愛用していることもあり、こちらもLAでブレイク中。「デザインものだと4万円を超える高級デニムですが、古着なら半額ほどです」(飯村)。
渋谷パルコのようなポップカルチャーとファッションを融合した店づくりを目指しているという飯村店長。「自分が好きなカッコいいデザインを、オール1点モノの中から見つける発掘感が古着屋の楽しみ。バニーにはひと癖ある、個性的な服や派手で洒落た服が多いので、いつもとは違った雰囲気の服が欲しいときは迷わず足を運びます」と稲井が言う通り、冒険したくなった人は絶対行くべし。
動画も公開中!
Banny
住所:東京都渋谷区神宮前3-21-21 1F
TEL:03-3408-1114
営業時間:12:00~20:00 無休
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Photos:Yumi Yamasaki
Model:Kotaro Inai[MEN’S NON-NO model]
Composition & Text:Hisami Kotakemori
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