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古着はおしゃれ男子の必須アイテム! でもどの古着屋に行ったらいいのか? いい古着屋を見つけるのは意外に難しい。ならば古着通にきけばいい! おしゃれ男子御用達の古着屋を毎回一軒、ディープに紹介。
第7回はおしゃれ感度に磨きがかかったメンズノンノモデル豊田裕大が、古着屋ならではの楽しみが詰まった高円寺のラフ バイ キスメットをレポート!
デザイナーズの隣にストリートブランドが!?
端から端まで商品を選ぶのが超楽しい!
ラフ バイ キスメット(以下ラフと省略)は日本のデザイナーズ古着をメインに扱うキスメットの姉妹店だ。オーナーの重松新太郎さんはセレクトショップ勤務を経て2011年、高円寺にキスメットをオープン。3年後の2014年にはブランドやスタイルにこだわらず自分が好きなモノ、旬のアイテムを集めたラフを出店した。高円寺駅南口から歩いて2~3分ほど、氷川神社の目の前という絶好のロケーション。
「大学2年生のとき、インスタで好きな服の画像を集めていたら欲しい服がラフにありました。それでお店に行ってみたらスタッフさんもとても気さくに話しかけてくれて、頼りになるなと。それから通うようになって、きょうはいているスラックスもラフで買いました」(豊田)。外から店内が一望できるガラス張りの路面店だから、初心者でもとても入りやすいムード。
少数精鋭ながらバリエーションは豊富!
白を基調とした店内には、映画のポスターなどが飾られ、素敵なアクセントに。こじんまりとしているが、商品はゆったり、見やすくディスプレイされている。買い付けはアメリカ、国内からということで、70年代のヴィンテージがあるかと思えば、ポール・スミスのようなデザイナーズブランドがあったり、シュプリームのようなストリートブランドも見つかる。2000年代以降の古着も多く、値段がこなれているのも大きな魅力。
棚にディスプレイされた帽子を見てもわかるように、左はヒステリックグラマーのデニムバケットハット、真ん中にはピンクが今っぽいNYヤンキースのキャップ、右はCKカルバン クラインのデニムキャップと、ブランドのふり幅がスゴイ。
この開襟シャツも50’sのヴィンテージシャツかとおもいきや日本のシャツブランド、MacbaTros(マクバトロス)のもの。裾にはイルカが波とたわむれるプリントがあり、アロハと合体したようなデザインが新鮮だ。
商品はアイテムごとにカラーパレットでディスプレイされているのも見やすいポイント。店の奥には現代アートの注目アーティスト、Mr. Brainwash(ミスターブレインウォッシュ)の『スター・ウォーズ』ポスターが飾られていたりして、オーナー重松さんのセンスが光る。
入った瞬間に惹かれたニットポロ
「夏に向けてきょうはシャツをチェックしたいと思っています!」と豊田。お店に入ってすぐ目を奪われたのがサーモンピンクの色味がきれいなニットポロシャツ。「Donegal Coleseta (ドネガル コルセタ)というブランドの70年代くらいのスキッパータイプのニットポロです。ニットポロはシンプルなデザインのものが多いのですが、これは透かし編みやブルーのラインがあしらわれていて、少しモード感もあります」と店長の浅瀬石友麻さん。
70年代のニットポロシャツ¥7,990。
スラックスはラフで買った豊田の私服。
「普段こういう色はあまり着ませんが、お店に入った瞬間、パッと目に飛び込んできて、惹かれました! サイズもぴったりできょうの黒いスラックスにも合いました。襟元があいているからネックレスとか合わせてもよさそう」(豊田)。
「アクセサリーやTシャツを中に着てもよいと思いますが、開き具合が絶妙なので一枚でサラッと着てもサマになります」(浅瀬石)。
ビリドゥーエのデッドストックスラックス¥13,990
モンテナ ポレオーネのエナメルローファー¥11,990
「この白いスラックスを合わせてみたいんですが」(豊田)とラックから選んだビリドゥーエ(BIGLIDUE)のパンツともコーディネート。ビリドゥーエはイタリアのファッションブランド、ヴェリー(VERRI)のセカンドラインとして、日本限定でライセンス展開されていたイタリアンモードの流れを汲むメンズブランド。ニットポロとの相性も抜群で、メゾンブランドのルックのような着こなしが完成した。
このスラックスは90年代のデッドストックで、裾上げされているのがユニーク。「夏は意識して白いパンツを置くようにしていますが、白はとても人気があって、入荷してもすぐに売れてしまいます。特にデッドストックは見つけたら買いです」(浅瀬石)。靴は浅瀬石さんの見立てたエナメルのローファー。ニットポロのブラウンラインとさりげなく色を合わせた。「まさに今、こんな感じの格好がしたかったんでバッチリです!」(豊田)。
少数ながら靴もローファーや旬のスクエアトウブーツなどをランナップしていて、だいたい1万円台と買いやすい。
パンツの品ぞろえに定評あり!
豊田もこの日、ラフで買ったスラックスをはいてきたように、パンツ類のセレクトには定評があり店としても力を入れているそうだ。「トレンドのフレアパンツやタック入りのスラックスなど、シルエットや色、素材なども含めて幅広く選べるようにそろえています。お客さんの中には『パンツはラフで買うことに決めている』という方もいらっしゃいます」と浅瀬石さん。白パンツのほかに、気になるパンツを物色。
日本のブランド、パパスのスラックス¥9,990
日本のブランド、セダクション ド ニコルのレーヨンシャツ¥9,990
イタリアのブランド、モンテナ ナポレオーネのエナメルローファー¥11,990
選んだのはミックス調ブラウンの落ち感のいいスラックス。パパスは今も大人世代に人気のある日本のブランドだ。「ズドンとしたストレートシルエットが好きだからテーパードシルエットはどうかな? と思いましたが、生地感がよかったので。はいてみたら思いのほか、いい感じでした。レングスもちょうどよくてダブル裾をためてはくのもいいなと」(豊田)。
「おそらく90年代くらいのパパスだと思います。トップスに選んだセダクション ド ニコルは、今はなくなってしまいましたが、ムッシュ ニコルの上級ブランドで、ヨーロピアンムードのシックなデザインが魅力でした」とオーナーの重松さん。
1980~1990年代は日本のメンズファッションに勢いがあった時代でもある。「今は方向性が違ってしまったブランドも多いのですが、菊池武夫さんがデザインしていた頃のメンズビギや松田光弘さんがデザインしていた頃のニコルなど、今見てもいいものが多いですよね」(重松さん)。当時最先端だった日本のブランドを改めて掘ってみるのも面白い。
この日お目当てのシャツを試着
2000年代のボーリングシャツ¥6,990
イタリアのブランド、フラテッリ ロセッティのキルトタッセルローファー¥11,990
パンツ同様に夏場、力を入れるのが開襟シャツ。「商品は買ってすぐに着られる季節感でそろえています。7月から8月にかけては、開襟シャツが毎週入荷してきます」(浅瀬石)。「夏に向けて僕もシャツを買いたいと思っていました!」(豊田)と、気になった開襟シャツを着てみることに。選んだのは襟の刺しゅうがかわいいボーリングシャツ。
背面にはアクションプリーツがあり、チェーンステッチでロゴとキャラクターが大胆にあしらわれている。「50’sはストリートでは根強いスタイル。各年代でその影響を受けたアイテムが見つかり、どれもグレードが高いです」(浅瀬石)。
アメカジスタイルのTシャツに挑戦
90年代のリンガーTシャツ¥5,990
ノーブランドのレーヨン混デニムスラックス¥7,990
Tシャツも着回しのきくロゴものが充実。旬のリンガーTシャツで、配色やロゴのかすれ具合がいいこちらを発見。「これ一枚でザ・アメカジな雰囲気が出せますね」(豊田)。「普通のデニムだといなたすぎるから2タックのデニムスラックスで合わせるのがおすすめです」(浅瀬石)。靴もローファーでアイビーテイストのスタイリングに。
ルーズすぎず、小さすぎずのサイズ感も今のファッションにマッチ。「いいなと思っても、サイズ感が自分のイメージと違うとあきらめることもありますが、これはジャストですね」(豊田)。
80年代くらいのジャック ダニエルTシャツ¥4,990。ウィスキーのラベルは白黒だがこのTシャツはカラフル。
豊田が最初に目を付けたのはジャック ダニエルのロゴTだったが、こちらはサイズが小さくて断念。「Tシャツはグラフィックやロゴを見て、いつも直感で選びます。これはお酒のブランドですよね? そういうことは気にせず、配色がきれいだったので。あと、背中にちょっとだけダメージがあって、それもカッコよかったから」(豊田)。古着ならではのディテールも細かくチェックしている。
メンノン世代の若き店長、浅瀬石さん
ラフの店長の浅瀬石さんは22歳。古着屋で働くために上京して、東京で初めて古着を買ったのがラフだったそうだ。縁あってスタッフとなり早4年、今は店長として店を切り盛りする。「上京したての頃に比べると肩の力が抜けて、古着を取り入れた自分らしいスタイルができるようになりました」(浅瀬石)。この日はUSA製の古着BDシャツにコムデギャルソンオムの古着デニムスラックスといういで立ち。サイドゴアブーツで大人っぽく仕上げている。
ラフおすすめのコーディネート
ポロ・ラルフローレンのシャツ¥6,490
リチウムエクスペディションのショーツ¥6,990
豊田との付き合いも長く、好みを知り尽くしている浅瀬石さんに、おすすめのコーディネートを選んでもらった。「豊田さんはいつもダークな色合いを着ているので、明るい色味の服を着てほしいなと思ったんですが…。今っぽいデザインも似合うだろうなと思って、ショーツと長袖シャツのコーディネートにしました」(浅瀬石)。
サイドのメッシュポケットに本体が収納できるパッカブル仕様。
「ショーツがスポーティでギミックがきいているから、トップスはオーセンティクなシャツに。スニーカーを合わせるとストリートなムードになりますが、あえてローファーでクリーンにコーディネートしました。シャツとローファーは同じ文脈なので、ショーツでハズした感じです」(浅瀬石)。
ショーツはLITHIUM EXPEDITION(リチウムエクスベディション)という海外のアウトドアブランドの古着で、今のトレンドにもマッチする。ポロのシャツはトラッドなチェック柄だが、両胸ポケットでワーク風のニュアンスが。
60年代のレーヨンシャツ¥11,900
最初に浅瀬石さんが豊田に着せたいと思ったのはこちらの開襟シャツ。切り替えや刺しゅうのあしらいがスタイリッシュで、どこかメゾンブランドのような雰囲気もある。「こういう色合いも豊田さんは似合うと思うので、今度ぜひ、挑戦してみてください!」(浅瀬石)
「久しぶりに来ましたが、相変わらずいいアテイムが多くてきょうは楽しかった!」と豊田がいう通り、メンズノンノ世代にはたまらないセレクション。アメリカ古着やヴィンテージ、モードブランドにラフが得意なドメスティックデザイナーズ。今のファッションとの親和性も高いので、初心者でもめちゃくちゃ楽しめることは確実だ。
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住所:東京都杉並区高円寺南4-29-8 1F
TEL:03-5929-7837
営業時間:14:00~20:00(土日祝日13:00~) 無休
Photos:Yumi Yamasaki
Model:Yudai Toyoda[MEN’S NON-NO model]
Composition & Text:Hisami Kotakemori
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