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Grand Seiko
グランドセイコー ヘリテージコレクション 「SBGA375」
人生初の高級腕時計を買うなら、どのブランドのどのモデルがいいのか。詳しく知りたいけど、何から学べばいいのかわからない…。そんな人たちに向けて、一生モノとして愛用できる数々の名作ウオッチを紹介。歴史からデザインまで、時代を超えて人気を集め続ける理由に迫る。第3回はグランドセイコーの「スプリングドライブ」を徹底解説。
独自性を詰め込み世界へと飛躍する
1. 「スプリングドライブ」の歴史
日本で初めて世界に行き、
真のグローバルブランドへ
明治維新をきっかけに欧米の時計文化に触れた日本では、いくつもの時計会社が立ち上がった。しかし長い歴史を持つスイス時計ブランドと比べると、まだまだ製品のレベルには差があった。そこで世界最高級の腕時計を作るべく、1960年に生まれたのが「グランドセイコー」である。当時の時計技術の最高峰をめざした時計は、かなり高価であったが、それでも国内の愛好家から高評価を受けた。
当初のグランドセイコーは、「SEIKO」の1ブランド。しかしSEIKOは様々なタイプの時計を作っているため、個性を明確化しにくかった。そこで2017年に「Grand Seiko」という単一ブランドとして独立。基本的な部分は変えないものの、デザイン領域を拡大したり高額モデルを増やしたりすることで、日本を代表する高級時計ブランドとしての立ち位置を確立した。
こういった価値創造のカギを握ったのが、技術とデザインである。デザインについては後述するが、グランドセイコーには世界に類を見ない特別な技術がある。高級時計の世界では伝統的な機械式ムーブメントこそが至高とされる一方で、高精度のクオーツ式ムーブメントの価値も高い。グランドセイコーではその両方を完全自社製造しているのだが、これをスイス時計ブランドで実現しているところはほぼ存在していない。しかしグランドセイコーではさらに一歩先を行く。
この「SBGA375」に搭載しているのは、独自の「スプリングドライブ」というムーブメント。これは機械式ムーブメントとクオーツ式ムーブメントをかけ合わせた世界初のハイブリッド機構で、機械式の味わいとクオーツ式の高精度を一挙両得できるというものだ。
世界の時計をめざして生まれたグランドセイコーは、独自技術を積みあげることで唯一無二の存在となった。こういう時計が日本にあるということは、とても誇らしいことではないだろうか。
2. 「SBGA375」のデザイン
職人技に裏打ちされたデザインがある
グランドセイコーでは統一されたデザインコードを大切にしている。それは「セイコースタイル」と呼ばれており、1967年に誕生した「44GS」というモデルがその原点となる。特徴は平滑な面と面を組み合わせることで生まれる稜線(りょうせん)の美しさにあり、これは屏風(びょうぶ)や障子からインスピレーションを受けたものである。
「SBGA375」は、この「44GS」のデザインを現代的に進化させたもので、グランドセイコーらしさを楽しめる1本。ゆがみのないケースの鏡面仕上げは、“ザラツ研磨”という特別な技法で下地処理を整えており、優れた職人技から生まれたもの。こういったデザインやディテールも、他にはないグランドセイコーの特徴となっている。
3. その他のモデル「SBGN027」「SBGW283」
ムーブメントとスタイルで
多様な表現を行う
グランドセイコーには、前述のスプリングドライブ式ムーブメント搭載モデルのほかに、機械式ムーブメント搭載モデルとクオーツ式ムーブメント搭載モデルの3種がある。これだけのムーブメントのバリエーションは他ブランドにはないことなので、ぜひともムーブメントの異なるモデルたちを紹介したい。
機械式ムーブメントは約400年前から基本構造が変わっていない時計の機構で、巻き上げた動力ぜんまいが回転する動きで歯車を回す一方で、調速・脱進機によってその回転スピードをコントロールする。いわゆる高級時計に用いられる伝統的なメカニズムである。そしてクオーツ式ムーブメントは、水晶(クオーツ)振動子に電気を流した際に発する振動数を利用し、IC回路によって正確な1秒を割り出し(グランドセイコーでは、32,768㎐を1秒としている)、モーターを駆動させて針を正確に動かしている。
すべてのムーブメントはセイコーの自社一貫生産であり、ケースも中身もすべてが調和されている。それがグランドセイコーのすごさだ。
グランドセイコー スポーツコレクション 「SBGN027」
グランドセイコー エレガンスコレクション 「SBGW283」
4. 「スプリングドライブ」のファッションとしての楽しみ方
ブルーのパーカと合わせて、
ほどよいバランスを意識
“正統派の大人ブランド”というイメージの強いグランドセイコー。なので、どうやってバランスよくスタイリングするかがカギになる。カーキのパンツにブルーのパーカを合わせるぐらいがちょうどいい。パーカはカシミア素材なので柔らかくて上品さがあり、カラーリングをダイヤルの色に合わせればさらにベスト。
時計(グランドセイコー)¥660,000/セイコーウオッチお客様相談室 パーカ¥42,900/キャバン 代官山店 中に着たTシャツ(プロファイブ)¥1,320/ロウドリップ パンツ/スタイリスト私物
問い合わせ先
セイコーウオッチお客様相談室
TEL:0120-061-012
https://www.grand-seiko.com
キャバン 代官山店 TEL:03-5489-5101
ロウドリップ TEL:03-3796-6338
Photos:Yuichi Sugita Hair:Masaki Takada Stylist:Masashi Sho Model:Koji Moriya[MEN’S NON-NO model] Text:Tetsuo Shinoda Props:TITLES
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