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シンプルは深淵で、デザインの塊は細部に宿るとか…。ならば定番品こそ本当にいいものを。そこで、トレンドに囚われず長く愛せるものに目を向けるのが「名品図鑑」連載。2週目に入った本企画の最初のテーマはカーディガン。秋の気配を感じ始めるこの頃、朝晩の寒暖差が広がり、理想の一枚を探す人も多いはず。そこで選ぶなら、さっと羽織るだけで品よくキマり、冬にはアウターの下に忍び込ませてもアクセントになるものがいい。今回もファッションプロを選者に呼び、素材もカラーも多種多様な名品カーディガン5選を紹介する。
モヘアで贅沢に仕上げた、肉厚な一枚
新進気鋭のユニセックスブランド、サブレーションズ。ファッションディレクター金山大成が立ち上げたことで話題に上がり、モダンかつエレガントなデザインが好評。このカーディガンは、希少なキッドモヘアを使用した贅沢な佇まいが特徴。さらに裏側にはオーストラリア産のウールを使用することで、スウェットのような肉厚さと上質な柔らかな着心地の両立を叶えている。防風性が高くゆったりとしたシルエットだから、ニットオンニットのレイヤードにもいいし、アウターとしても活躍するはず。「これから希少価値が高くなるであろうモヘア素材のアイテムを、このプライスで買えるのは今だけです。大きめな水牛ボタンが中性的な印象を与え、真面目に見えすぎないのもいいですね。肌寒くなってきたら、ジャケットやスーツの上から羽織りたいです」。(古明地 拓朗/レショップ プレス)
カーディガン(サブレーションズ)¥60,500/ONE FIVE[sublations.01@gmail.com]
素材は上質に、デザインには彩りを
キャバンらしい鮮やかなカラーコンビネーションが目を惹くカーディガン。暗いトーンなりがちな秋冬のスタイリングだが、この一枚をアクセントにすれば気分まで明るくになりそう。きめ細かく滑らかなカシミヤブレンドの生地で、包み込むような柔らかい肌触りが特徴。すっきりとした身幅に対しアームホールはゆったりとしているから、袖の着膨れも心配無用だ。カラー展開は全11色。豊富なカラバリから自分らしいお気に入りを見つけたい。「カジュアルさを残しつつ、素材や編み目に趣向が凝らされて上品さが感じられる一枚。色味が鮮やかで、この他にも10色を展開しています。肌寒い時期なら、ロンTをタックインして上からカーディガンを羽織るスタイルが僕の好みです」。(井上 直哉/トゥモローランド プレス)
カーディガン¥41,800/キャバン 代官山店[TEL:03-5489-5101]
とろける着心地がクセになる
国内最高峰を誇る技術で名品を生み出しているヘリル。カシミヤ100%のニットに定評があり、このニットカーディガンもカシミヤ素材と着心地にこだわり抜いた逸品。縫い目がないホールガーメント仕様なので肌当たりがよく、きめ細やかで柔らかな素材を堪能できる。ゆったりしたシルエットに対して絞りのあるリブで、メリハリのある着こなしができるのも嬉しい。大人なら手に入れいたい、憧れの一枚だ。「最高峰のカシミヤを使用しているので、とにかく触り心地がたまらない。かといって高級感が主張しすぎるわけではなく、普段使いしやすいのが嬉しいですね。肉厚なインナーと合わせて、オーセンティックにまとめてしまうのもアリかも」。(柳 雅幸/メイデンカンパニー プレス)
カーディガン(ヘリル)¥48,400/メイデンズショップ[TEL:03-5410-6686]
ウールのかわいげある表情が魅力
ユニークな素材を楽しみたい人におすすめなのがカンターテのアストラカン風カーディガン。注目すべきポイントは、クルクルとした巻き毛のようなニット地だ。ロシアのアストラハン地方で育つ子羊の毛皮をイメージし、それをウールとモヘヤの混紡で表現した。ゆったりとしたシルエットによるリラックス感と、美しい天然繊維によって品の良さを兼ね備えるのが嬉しい。「プリプリとした触り心地と表情がかわいらしいですよね。ニュアンスカラーが温もりを与え、着るだけ秋の到来を感じられます。控え目ながらも、他のモヘヤのアイテムとは一線を画す仕上がりです」。(木下 誉/1LDK AOYAMA HOTEL)
カーディガン(カンタータ)¥93,500/1LDK AOYAMA HOTEL[TEL:03-5778-3552]
硬派かつ端正な佇まいでシックに
日本文化や風景をインスピレーションに、素朴ながらも上品なアイテムを展開しているヤシキ。このカーディガンのテーマは秋の夜空だ。光沢のある天竺編みが夜空を、肩と袖の凹凸のある編み地が月明かりを表現している。天然の黒蝶貝のボタンのさりげない光沢がシックな印象を後押しするのも特徴。滑らかなスーピマコットンを均一に編み上げたつるりとした面感は、見た目に美しく、着心地も抜群。「ヤシキは、素材やシルエットだけでなく服の背景をしっかり表現するブランド。このカーディガンを通してデザイナーの故郷である石川県の美しい情景を感じられるのが好きです」。(稲垣 大貴/アルファPR プレス)
カーディガン(ヤシキ)¥42,350/アルファ PR[TEL:03-5413-3546]
Photos:Yoshio Kato Stylist:Atsuo Izumi Composision&Text:Takako Nagai
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名品図鑑