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シンプルは深淵で、デザインの塊は細部に宿るとか…。ならば定番品こそ本当にいいものを。そこで、トレンドに囚われず長く愛せるものに目を向けるのが「名品図鑑」連載。ファッションプロを選者に迎え、第26回目のテーマに選んだのはサングラス。強い日差しから目を守るのに欠かせない真夏の必須アイテムであり、バッグや靴などの小物以上に、その人を印象付ける重要アイテムでもある。大人たるものアウトドアやバカンスといったレジャーシーンのみならず、街中でもサラッと纏える品のいいサングラスをひとつは持っておきたい。今回はファッションプロが選んだ、まさしく名品と呼べる5選をご紹介。
王道ウェリントンを
クリアフレームで今っぽく
「掛ける人を引き立てるアイウェア」を信念に掲げ、年齢や性別を問わないボーダレスなデザインを生み出すイエローズプラス。定番モデル「LEON」はオーセンティックな台形型「ウェリントン」をベースに、全体に丸みを持たせることで、顔に乗せた時になじみやすいよう調整。コンティニュエの別注色はピンクベージュのアセテートカラーとシックなブラウンレンズが生む上品かつ軽快な雰囲気が魅力だ。「メイドインジャパンの名品と言えばこのサングラス。クリアフレームのファッション性も楽しみながら、スタイルを選ばずに掛けられるのが嬉しいですね」。(根本 茂行/コンティニュエ プレス)
サングラス(イエローズプラス フォー コンティニュエ)¥33,000/コンティニュエ[TEL:03-3792-8978]
色褪せない、タイムレスなデザイン
2000年代初頭にドイツ人デザイナーが手掛けた名作モデルにインスパイアされたモデル。どうりでドイツ的なミニマルな用の美を感じるわけだ。さらに、デザインや作成技法を重視するアイヴァンらしく、立体的な構造にこだわりを凝縮した。レンズの固定具を独立させ奥行きを生みつつも、無駄を削ぎ落とした佇まいが粋だ。少しエッジの効いたデザインだが、アンティーク調のゴールドカラーは肌なじみよく、レンズサイズも小さめで見た目以上に掛けやすいのも嬉しい。「モダンなディアドロップ型は、探してもなかなか見つからないので魅力的です。白Tにグレーのスラックスなど淡い色味のスタイリングと合わせて、カラーレンズを引き立たせるのもアリですね」。(井上 直哉/トゥモローランド プレス)
サングラス¥60,500/アイヴァン 7285 トウキョウ[TEL:03-3409-7285]
一度は試してほしい
意外と万能なオクタゴン型
自由な発想でオリジナリティ溢れるアイテムを生み続ける、グレープスアンドセラドン。一見、個性的な印象のオクタゴン型サングラスだが、細縁のフレームが緩やかなラインになっていて意外とスッキリかけられる。アームの太さに抑揚があり、横から見ても洗練された印象を与えてくれる。「一見ハードルが高そうなフォルムですが、意外と着用する人やスタイリングを選ばないサングラスです。セットアップのスタイルのアクセントとしても良いですし、秋冬にはハイゲージのニットと合わせるとシックで格好良いと思います」。(古明地 拓朗/レショップ マネージャー)
サングラス(グレイプスアンドセラドン)¥38,500/アナマリア[TEL:03-5787-6696]
職人技と現代の技術が融合した
セルロイド製の逸品
デザイナーの熊谷氏が減りつつあるセルロイド眼鏡を後世に残したいという想いから立ち上げたブランド、カーニー。その最大の魅力はセルロイドが生む透明感のある美しい光沢。ヴィンテージ眼鏡の多くに用いられるセルロイドは非常に加工が難しいため、ひとつひとつ職人の手作業で製作される。伝統的な素材を継承しつつも、硬質なチタンフレームと組み合わせることでモダンで都会的な雰囲気に仕上げた逸品。「昔気質なだけでなく、常に新しい技術も取り入れているのがこのブランドの魅力だなと感じます。クラシックな形ですが、モダンな佇まいも感じられるのでどんなコーディネイトにも合いますね」。(西澤 祐哉/スタジオファブワーク プレス)
サングラス(カーニー)¥42,900/ソスト[sost.jingumae@gmail.com]
ぽってりとした
立体的なフォルムが愛おしい
服好き達からの厚い信頼を誇る、僕らの定番ブランド、アヤメ。線の細いシンプルなデザインも多く出してきたが、今季はボリューム感のあるフォルムが特徴的なモデルが登場。ブラウン管テレビのようなテレビジョンカットが奥行きと立体感を生む、ぽってりとしたフォルムに仕上げた。抜群の存在感でスタイリングのアクセントにぴったりのアイテムだ。「マスクでも快適に過ごせるように、同ブランドオリジナルの防曇レンズにカスタムするのもおすすめ。どのスタイルにもハマる万能な形ですが、個人的にはデニムとTシャツに合わせたいです」。(今泉 悠/アヤメ デザイナー)
サングラス¥38,500/アヤメ[TEL:03-6455-1103]
Photos:Yoshio Kato Stylist:Atsuo Izumi Composision&Text:Takako Nagai
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名品図鑑