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特徴的な素材や色で、普段のスタイルをリフレッシュしてくれるアウトドアアイテム。ずっとトレンドをにぎわせているからこそ、そろそろひと味違ったミックスを楽しみたい。4人のスタイリストと、ショップスタッフやプレスが考える、ミックスの「セオリー」を紹介。
スタイリスト 豊島 猛
ワントーンで素材を変える
「全身で色のトーンをそろえることで、アウトドアアイテムのファッション性を高められるんじゃないかと思いました。さらにアイテムそれぞれの素材に変化をつけて、より奥行きをプラス。また、色ごとにキャラクターを落とし込んでもいます。岩上(右)のカーキは、シャープなロングコートでスタイリッシュに。ブルーの響(中)はデニムでちょっとストリートな雰囲気を意識。林太郎(左)のベージュは、淡い色とルーズシルエットでリラクシングなイメージです」
[右]「主役はPERTEX®のシェルコート。カーキはミリタリーの色でもあるので、ぱっと見ソリッドな印象。そこに太めのパンツといきそうなところを、あえて細身にすることで、モードな雰囲気を漂わせています」。
[中]「シェルジャケットにデニムを合わせるのは、90年代のストリートスタイルです。ロイヤルブルーのブルゾンに淡いデニム、という色のギャップも面白い。素材もブルゾンはタイプライター生地。そこにニットとデニムを加え、ちぐはぐな素材感で奥行きを出しました」。
[左]「VENTILE®という機能素材のフィールドジャケット。アウトドアアイテムできれいなベージュってあまりないですよね。シェルというよりコットンライクな生地なので、中はむしろチープなナイロンのパーカを選び、ボトムはイージーパンツ。しっかりしたジャケットに別の性質のアイテムがはまるのは、色味をそろえているからです」。
Photo:Tak Sugita[Y’s C] Hair&Make-up:Katsuyoshi Kojima[TRON] Models:Hibiki Suzuki Rintaro Mizusawa Shunya Iwakami[They are MEN’S NON-NO models]
スタイリスト 池田尚輝
偶然のミックスを演出する
「"アウトドアアイテム"というと、機能性の高いものが思い浮かびますよね。でもファッションに落とし込むなら、あえてその"機能を無視する"という考え方をしてみたらどうかと。そうすることで、絶妙なバランスに落とし込めるんじゃないかと最近考えていました。アウトドアウエアを、"デザインとしてかっこいい"だけで買っている人、をイメージしてスタイリング。一見、まったくファッションを理解していない人に見えるんだけど、むしろ成立するんです」
[右]「Rabのシェルジャケットに、古着のリーバイス®。山で着ることを考えると、汗冷え防止のために綿100%のウエアはあまり着ません。でもそれをあえて無視(笑)。同じく、足もとも実際のアウトドアシーンならトレッキングブーツですが、そのイメージをずらしてイエローブーツに。セオリーを知ったうえで、絶妙にハズす作業がポイントです」。
[左]「このマウンテンハードウェアのパンツは、ショーツにもなるデタッチャブル仕様で、最近リバイバルしている印象です。今のテックウエアは黒が多いから、微妙な色味のグレーもいいですよね。そこに、80年代イギリスの若者文化であるレイヴ感をイメージして、大きめなパーカを合わせました」。
Photo:Arata Suzuki[go relax E more] Hair:KANADA[LAKE TAJO] Models:Kazuma Anzai Rio Takahashi[Both are MEN’S NON-NO models]
スタイリスト 八木智也
あえて主張させる
「アウトドアアイテムといえば、パキッとした原色のものが定番。それが実際のアウトドアシーンでは実用的だからですよね。ただ最近、日常生活でアートに触れる機会が何度かあって。それを機に、芸術作品みたいに独特な色やデザインのファッションアイテムが気になるようになりました。そこで、色鮮やかだったり柄があったりするアウトドアアイテムをそのまま生かすのは、ファッションに落とし込む方法としていいんじゃないかと思ったんです」
「黒いアウターに柄パンツは、マネしやすい組み合わせだと思います。サウスツー ウエストエイトのストレッチパンツは、毒々しいほどの柄が他にないデザインできいてますよね。トップスをタックインして、全体的にコンパクトにしたのもポイントです」。
「防水で、ストレッチ性も高いイズネスのパンツ。トップスは大ぶりの花柄シャツっていう、まったく異なるジャンルのアイテムだけど、寒色同士なら合わせやすい。アウトドアにしかない明るいグリーンが、むしろアクセントになります」。
「ゴアテックス インフィニアムのジャケットは、鮮烈なブルーと大きめのシルエットがイケてる。これをリアルに着こなすよりは、色の相性がいいものだけでまとめてみたくて。淡いトーンに強い色、というコントラストを意識してスタイリングしました」。
Photos:Shuya Aoki[W] Hair & Make-up:MIHO EMORI[KiKi] Models:Jin Suzuki Sosuke Ogata Yudai Toyoda[They are MEN’S NON-NO models]
スタイリスト 松川 総
70’sスタイルを再構築する
「今流行っているアウトドアファッションは、無機質な感じがしますよね。ブラックやグレーのシェルジャケットをミニマルに着る子が多いイメージ。だから別の方向性を提案できたらいいなと思って、フレアデニムで70年代をオマージュしてみました。ややスマートな印象もあるフレアデニムに、普通トレッキングシューズは合わせないので、そこも面白いと思います。アウトドアアイテムは古着ではなく、現行のアイテムを使っているのもミソ。今でも買えるものだからこそ、当時のファッションに取り入れる意味があると思います」
[右]「極薄のジャケットは実際のアウトドアでも使えます。ビビッドなイエローにユーズド感のあるデニムという正反対のミックスと、タイトなシルエットがポイントです。シェルジャケットは高いものが多いけど、この価格ならこの色にも挑戦しやすいですよね」。
[中]「ガチなシェルじゃなくてレインウエアだから取り入れやすい。K-WAYはフランスのブランドで、あまり見ない色味や配色が、スタイリングに独特のムードを加えてくれます」。
[左]「あえて野暮ったく。当時はアウトドアで何かあったときのために、いろいろな荷物を持っていったイメージがあって。だから腰にシャツを巻いたり、大荷物だったり、そのあたりもリアルに再現しています。このジャケットは環境に配慮したコットンを無染色で使った色もいいですね」。
Photo:Ryosuke Hoshina Hair&Make-up:Narumi Tsukuba Models:Eriya Kazuma Anzai Rintaro Hinotsu[They are MEN’S NON-NO models]
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