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スニーカーはおしゃれ男子の必須アイテム。名品スニーカーの歴史や変遷を解説する連載の第8回は、定番スニーカーといえば誰もが思い浮かべるコンバース オールスター。生い立ちから現在の形になるまでの変遷をレクチャー。同じくバッシュとして誕生したスター&バーズもピックアップ!
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コンバース オールスターの歴史
1917年に誕生して1940年代に現在の形が完成
現存する最古のオールスター。発売して間もない1920年代のものでアンクルパッチにはまだ星がない。
コンバースは1908年にアメリカ、マサチューセッツ州で創業。マーキス・M・コンバースがコンバース・ラバー・シュー・カンパニーを設立して、地域性にあった、雨や雪の中でも作業できるラバーシューズの製造を開始した。創業当初から品質の高さで支持され、1910年には従業員350人という地元の有力企業に成長。
創業当時の工場。積み上げられたコンテナーには創成期のオールスターのパッチに見られるCONVERSE RUBBER SHOE CO.の“ビッグCマーク”と呼ばれるロゴが。
ラバーシューズの販売は雪の多い冬場に集中するため、1年を通して販売できる商品の必要性を感じていた。マーキスが着目したのが、当時冬のスポーツとして考案されたバスケットボールだった。試行錯誤の末、1917年にバスケット専用のシューズ「キャンバス オールスター」を開発。足首を保護するハイカットのデザインは斬新で、やがてプロにも注目されるシューズに。
コンバースの顔となったスタープレイヤー、チャールズ・H・テイラー
キャンバス オールスターに惚れ込んだのが当時のスタープレイヤー、チャールズ・H・テイラー(通称、チャックテイラー)。プロバスケットボールリーグで活躍した現役時代を通して愛用しただけでなく、引退後も全米の学生バスケットチームを訪ねてクリニックを開催しながら、キャンバス オールスターを紹介した。
アドバイザーとしてもシューズの改良に尽力した彼の功績に敬意を表して、1946年からチャールズの愛称“Chuck Taylor”がアンクルパッチに記されるようになった。世界初のシグニチャーモデルの誕生でもあり、オールスターがチャックテイラーと呼ばれる所以でもある。
コンバースが発行していた「イヤーブック」の商品紹介ページ。1936年のキャンバス オールスターはアンクルパッチにチャックテイラーの文字はなく、サイドには補強のステッチが見られる。
コンバースは1922年にバスケットボールの普及と新興のために、全米大学リーグのスコアなどをまとめたイヤーブックの制作に乗り出す。創刊当時は大学の話題が中心だったが、プロリーグの発足とともに全米バスケットボールプレイヤーのバイブル的存在へと進化。
第2次大戦の終了とともにロゴマークを刷新。1946年にはチャックテイラーの文字がスターの上に、またオールスターのモデル名も入った。ベンチレーション(空気孔)も装備し、デザインは現行のモデルとほぼ同じ。
イヤーブックは1983年まで60年以上に渡って発行され、毎年コンバース製品の最新モデルも紹介されていた。初期は写真ではなくイラストだったが、精密に描かれていたためオールスターの変遷をたどることができる。
1969年のイヤーブックではスターの左右に文字が入った現行のアンクルパッチが確認できる。
ここに並べた3つのキャンバス オールスターの紹介ページからもわかるように、イヤーブックにはオールスターのアンクルパッチやヒールラベルのデザインが緻密に描かれ、製造年代を知る最高の手がかりに。90年代のヴィンテージスニーカーブームの際にはマニアの間でこの存在が話題になった。
ちなみにキャンバス オールスターのアンクルパッチはプレー中のくるぶしの保護のために1925年頃に付けられた。当初はビッグCマークだったが、1928年にはスターマークが登場。1946年に追加されたチャックテイラーの文字位置も最初はスターにまたがっていたが、中に入ったり上部に配されたりマイナーチェンジが行われ、1962年には両サイドに描かれる現行のデザインに。
1966年からチームカラーに合わせられるようにと展開色が7色に増加。1960年代のオールスターはブラックヒールラベルいわゆる3つ星と言われるスターマークが入っている。
1957年にはローカットタイプのオックスフォードモデルが登場。当時のデータによれば、1960年代にはバスケットボール市場の8割をコンバースが占めたと言われ、黄金時代を迎える。バスケットシューズとしては後継モデルがその役割を担っていくが、キャンバス オールスターはタウンユースとしても人気を博し、1970年代にはロックミュージシャン、1990年代にはスケーターにも愛され不動の地位を確立。
1988年のカタログ。80年代の後半にはカラー展開が増え、ファッション需要がメインに。
コンバースが生誕100周年を迎えた2008年にはヴィンテージのスタイルを踏襲するハイエンドなライン「CONVERSE ADDICT(コンバース アディクト)」が誕生。オールスター100周年の2017年には機能をアップデートした「オールスター 100」シリーズをリリースし、進化しながら今も永久定番として人々を魅了し続ける。
スター&バーズの歴史
生産期間が短かったため幻のモデルと呼ばれる
当時のスター&バーズ。コンバースを象徴するスターマークと2本のラインが特徴。
90年代のヴィンテージスニーカーブームでオールスター以上にマニアが探し求めたのがスター&バーズ。1969年にスムースレザーのオールスターとして登場し、「ジャックスター」の通称で愛された。きっかけは1968年のメキシコオリンピック。競合するブランドがスムースレザーのバスケットシューズを発表したため、その対抗モデルとして発売された。
オリジナルモデルはスムースレザーで登場。トリコロールカラーはマニアにも大人気。
最初に登場したのはスムースレザーで、翌年の1970年にスエードアッパーが加わった。もともとこの2本ラインはプレーヤーの足の動きをサポートするための機能で単なる飾りではなかった。コンバースのアイコンであるスターとの組み合わせも新鮮で、当時の人々を魅了した。
スエードのスター&バーズはスクールカラーを意識したカラー展開で人気を博した。
70年代のコンバースを象徴するヒールラベル。この頃はひとつ星に。
60年代にスクールカラーに合わせてカラーバリエーションを増やしたオールスター同様、スエードのスター&バーズも7色を展開。人気を集めたにもかかわらず、スムースレザーは1969年から1973年まで、スエードも1970年から1973年までと生産期間は短かった。
本格的バッシュだった1971年のコンバースのカタログ。オールスターと並んでスター&バーズがフィーチャーされている。
1974年に2本ラインがなくなったワンスターが登場するが、こちらも2年だけの生産。このシリーズが「幻の」と言われるのは生産年数の短さゆえ、ヴィンテージ市場でも圧倒的に数が少ないからだ。2014年には名品を復刻する「TimeLine(タイムライン)」が始動し、ワンスターやスター&バーズが復刻されている。
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オールスター US カラーズ HI / OX
現在オースターではさまざまなコレクションが展開され、それぞれスペックが異なる。こちらはコンバースの古き良きアメリカンヴィンテージテイストを追求した「U.S. ORIGINATOR(U.S.オリジネイター)」のオールスター。艶のあるラバーパーツや風合いのあるコットンシューレース、洗いざらしたような加工のキャンバスアッパーが特徴。80~90年代のアーカイブにあったような、ポップカラーが春の新色として登場! HIとOXともにバーントオレンジ、アイリッシュスプリング(グリーン)、ローズ、スカイの4色展開。
スニーカー(コンバース)各¥7,700/コンバースインフォメーションセンター
オールスター 100 IGNT HI / OX
1980年代にはファッションアイテムとして多種多様な柄、素材で展開されたオールスター。その膨大なアーカイブのアレンジモデルは、発売されるや話題をさらう。このフレイムパターンもそんな新作。2000年に発売された「オールスター イグナイト」をアレンジした。アメリカの車やバイクのカスタムカルチャーとしておなじみの流れる炎柄が、コーディネートにストリートのムードを添えてくれる。
スニーカー(コンバース)各¥8,800/コンバースインフォメーションセンター
オールスター US カウスポット
HI / OX
「U.S.オリジネイター」スペックのカウプリントもこの春の新柄。キャンバスに洗い加工を施しているから、インパクトのある柄もどこかレトロな表情に。アニマル柄はオールスターの中でも人気が高い。モノトーンで合わせやすいカウ柄は旬の白がちコーデとも相性抜群。
スニーカー(コンバース)各¥8,250/コンバースインフォメーションセンター
スター&バーズ スエード
1970年代のオリジナルを再現したカラーアレンジモデル。しっとりした質感のスエード素材でクリーンな印象に。トレンドカラーとしても注目のベージュ、きれいめコーデにマストなネイビーの2色を展開。ジャケットスタイルやセットアップの足もとにもぴったり。
スニーカー(コンバース)各¥13,200/コンバースインフォメーションセンター
CONVERSE
「SUEDE ALL STAR US HI」
バスケットボールシューズとして1917年に誕生したコンバース「オールスター」。本作はラバーソールの艶やコットンシューレース仕様など、古き良きアメリカンヴィンテージテイストを追求した「U.S. ORIGINATOR」のスペックを搭載しつつ、毛足の長いスエード素材をアッパーに採用。スモーキーホワイトのカラーはどんなコーディネートにもなじむ。
CONVERSE
「CANVAS ALL STAR J HI」
1917年にバスケットボールシューズとして誕生したコンバース オールスター。メイド・イン・ジャパンモデルは、80年代に作られていたアメリカ製のオールスターのシルエットを継承しつつ、履き心地の良さをアップデート。当時は青で印字していたインソールのコンバースロゴは、日本の国旗をイメージして赤に変更。ヒールラベルの「MADE IN JAPAN」の文字もさり気なくていい。
CONVERSE / ALL STAR(R) GORE-TEX OX
ALL STAR(R) GORE-TEX HI
言わずもがなクラシックスニーカーの代名詞であるコンバース「オールスター」。どれだけ時代を経てもそのルックスは不変だが、象徴的なキャンバスアッパーに防水透湿性に優れたゴアテックスが搭載されたこのモデルなら、オールスターにとって唯一ネックだった雨の日も臆せずに履ける。もちろんハイカットとローカットが展開されているので、好みに合わせてチョイスしたい。
オールスター Ⓡ ジーショック HI
スニーカー(コンバース) ¥17,600/コンバースインフォメーションセンター
オールスター Ⓡ トレックウェーブ
サイドゴア HI
スニーカー(コンバース) ¥15,400/コンバースインフォメーションセンター
LEA オールスター ロングライフ TS HI
スニーカー(コンバース) ¥36,300/コンバースインフォメーションセンター
問い合わせ先
コンバースインフォメーションセンター(TEL:0120-819-217)
※価格は全て税込です。
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中田圭祐(メンズノンノモデル)
オールスターHI
「スエードアッパーのオールブラックのオースターです。だいぶ履き込んで味が出ているので、新品のきれいな服よりも古着に合わせることが多いです。きょうも古着で見つけた90’sの身幅が広めで着丈の短いコーチジャケットとストレートのワークパンツにコーディネート。ラフだけどネイビー&ブラックの配色やシュッとしたシルエットで、野暮ったくなりすぎないバランスを意識しています」
「オールスターはハイカット派。ハイカットはパンツの丈に干渉しないところが好きです」
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橋本直樹さん(ウィズム新宿店 スタッフ)
オールスター OX
「コンバースのオールスターは流行り廃りなく、どんな服にも合わせすい唯一無二のスニーカー。オーセンティックなデザインだからパンツの幅を選ばないのも魅力です。2年前にこのイエローにひと目惚れして買いました。足元に色を差すがの好きで、特にブラックデニムとイエローのコンビネーションが好物。UDAのレングスが短めのブラックデニムパンツにノーマtdのチェックシャツとアルテリアのフーディ、足もとにはイエローのオールスター。全体をモノトーンで統一した都会的なストリートコーデにイエローを差すことでこなれ感が加わり、スタイリングが華やぎます」
「ローカットはソックスとの色合わせが楽しめるところが好み。気分によってソックスのテイストやカラーを変えられるのでおしゃれの幅も広がります。僕はいろいろなテイストの洋服を着るので、靴は汎用性の高さでチョイスします。オールスターは自分にとってスタメンスニーカーのひとつです」
工藤健さん(アダム エ ロペ プレス)
スター&バーズ
「オールスターやジャックパーセルも好きですが、やっぱりスター&バーズやワンスターが好きです。最近は太めのパンツが気分で、長め丈の裾をややたるませて生まれる絶妙なシルエットを楽しんでいます。ジェリー別注のマウンテンパーカとアダム エ ロペのワイドカーゴパンツのコーディネートはオフホワイトやベージュ、グレーの中間色でまとめ、スニーカーとサングラスをブラックにしてカチッとした印象に仕上げています」
「オールブラックアッパーのスター&バーズはアダム エ ロペの30周年を記念したコラボモデル。クラシックでいてストリートな香りもするところに惹かれます」
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Composition&Text:Hisami Kotakemori
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