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スニーカーはおしゃれ男子の必須アイテム。名品といわれるスニーカーの歴史や変遷などを、わかりやすく解説する連載の第10回は、ニューバランス 1300を中心に1000~2000番台のプレミアムモデルを紹介。「1300のほかにセレブが履いたモデルは?」「最近話題の2002ってどんなスニーカー?」など、今回も皆さんの疑問に回答!
ニューバランス1300の歴史
1985年に130ドルで発売され
セレブのステータスに
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1985年のニューバランス1300の広告。「なぜ130ドルもするのか?」という理由を詳細に解説している。
ニューバランス1300は、1000シリーズの初代モデルとして1985年に発売された。ニューバランスは1982年に990を発表したとき、1足100ドルという値段で世界に衝撃を与えたが、1300はその上をいく130ドル。当時の日本での発売価格は39,000円(現在の6万円くらいの感覚)で、高級革靴とほぼ同じ値段だった。100ドルの壁を越えたスニーカーとしても、語り継がれる。
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1300 はクラシックなデザインが持ち味。ラルフ ローレンのようなアメリカントラッドにもよく似合う。
1300はニューバランスの革新的テクノロジー、ENCAP(エンキャップ)をはじめて搭載したシューズ。アーカイブの広告でも詳細に紹介されている通り、衝撃吸収性のあるEVA素材をクッション性のあるポリウレタン素材で包み込んだミッドソール構造だ。これによって衝撃吸収性と安定性を実現した。ラルフ・ローレンが「雲の上を歩いているよう」と語った通り、それまでのスニーカーにない極上のはき心地を実現した。
こうして1300からスタートした1000シリーズは、900シリーズを上回る技術と素材で、ニューバランスのプレミアムラインとしてデビューし、高額にもかかわらず富裕層を中心にブレイク。ステータススニーカーとして定着していく。渋カジ時代に注目されて以来、日本での人気は絶大で、1995年から5年に1度、MADE IN USAの復刻モデルが登場し、毎回争奪戦が繰り広げられている。
ニューバランス公式サイト
https://shop.newbalance.jp/shop/e/eEnb-m1300cl
A.ビル・クリントン元アメリカ大統領が愛用した1500が有名。
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ニューバランスのハイテク顔の起点になった1500。刺しゅうのNロゴにも注目。
1000シリーズの2代目として1989年に発売された1500は、シンセティックレザー(合成皮革)にメッシュのコンビネーションで、Nロゴが小さくなったハイテクなデザインが魅力。1992年の大統領選のさなか、ビル・クリントンがジョギングで履いていたスニーカーとしても話題に。当時エリート層に浸透していたニューバランスをはいていたことが、当選の決め手になったという噂もあり、大統領に就任した1993年にはニューバランスのボストン本社にビル・クリントンから感謝状が送られた。
ちなみに1000シリーズのほかのモデルは発売順に以下の通り。
ニューバランス1000番台のデザイン歴史
1994年→ 1400
日本のサポートで発売された本来の2代目
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1300の後に発売される予定だった1400だが、量産が難しいということで発売を断念。本来2代目ということでルックスは1300に似ている。メタリックのNロゴが特徴。
1994年→ 1600
ABZORBを初搭載したハイテクモデル
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1500の実質的後継モデルとしてハイテク顔を踏襲。衝撃吸収性と反発性を兼ね備えるABZORB(アブゾーブ)を1000シリーズで初搭載。
1999年→ 1700
20世紀最後の1000番台モデル
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ミッドソールのビジブルABZORB、耐摩耗性のNデュランスヒールでさらにハイテク化。パンチングレザーのあしらいも特徴。
2005年→ 1450
2000年代に発売された1000シリーズ
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レトロファンのために2000年代に入って発表された、オールスエードのクラシックなデザイン。ソールユニットはハイスペックに進化。
A.2010年に “スーパーチーム33”が携わったモデルを10年ぶりに復刻!
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900シリーズの2000年代の人気品番と同様の雰囲気をまとう。濃いチャコールグレーがオリジナル。
2000シリーズは1000シリーズを受け継いだニューバランスのプレミアムライン。2000年代に入って品番を1000から2000に刷新した。2002はその3代目で、2000番台の一桁品番の最後のモデル。ニューバランスのプレミアムモデルを生産するアメリカ、スコヘーゲン工場のエキスパートによる“スーパーチーム33”が開発に携わったモデルとして、マニアにも高く評価されている。復刻が待望されていたこともあり、2020年にアジア製で復刻された。今年もカラーバリエーションが発売されているが、いずれも完売を繰り返している。
ちなみに2002以前の2000シリーズは、発売順に以下の通り。
2001年→ M2000
21世紀の第1号プレミアムモデル
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1700のデザインを踏襲しつつ、レザーパッチのNロゴが復活。衝撃吸収を推進力に変える革新的な弾力素材、N-ERGY(エナジー)をミッドソールに初搭載。
2003年→ M2001
ルックスはほぼ同じで機能を更新
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ソールユニットに変化はあるものの、アッパーのデザインはあまり変わらず。 ABZORB SBSなど進化系テクノロジーでアップデート。
A.YES! 990同様にvでバージョンアップしていくニューバランスの最上級モデル。
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2002のデザインを引き継ぎつつNロゴをビッグに、レザーの分量を増やして革靴化。
2012年に発売された2000シリーズの4代目から品番を2桁台の2040に更新して、さらなる高級化を推進。アウトソールにはブランドのヒストリーを刻み、レッド、ネイビーなどUSA国旗カラーで今まで以上にMADE IN USAをアピール。はき心地とともにプレミアムなルックスも追求。
ちなみに2040は現在、v3まで発売されている。
2013年→ 2040v2
アッパーにホーウィンレザーを採用
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アメリカの高級革メーカー、ホーウィン社の上質なヌバックレザーを使用したオールレザアッパーが特徴。Nロゴがエンボスに変わる。
2016年→ 2040v3
ハイエンドラインとして定価4万円に突入
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ホーウィン社製ヌバックレザーを継続して使用。全体的にシンプルなデザインになり、さらに革靴化。タンにはUSA国旗の刻印入り。史上最高の履き心地を誇る。
ニューバランスM1300 AO
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オリジナルデザインを踏襲したクラシックなスエード×メッシュアッパー。ソールの仕様をアップデートした現行の1300。グレーと並んで人気のネイビーをグレーのNロゴでラインナップ。MADE IN USA。展開店舗限定モデル。
スニーカー(ニューバランス)¥33,000/ニューバランス ジャパンお客様相談室
ニューバランスM1300 CLR
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タイムレスなデザインの1300を鮮やかなレッドで。シンプルコーデのアクセントに最高。MADE IN USA。展開店舗限定モデル。
スニーカー(ニューバランス)¥33,000/ニューバランス ジャパンお客様相談
ニューバランスM1300 AT
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バイカージャケットに着想した、スムースレザーのオールブラック1300。取り外し可のファスナー付きのシュータンが付属し、2通りの表情が楽しめるスペシャルデザイン。MADE IN USA。展開店舗限定モデル。
スニーカー(ニューバランス)¥39,600/ニューバランス ジャパンお客様相談室
ニューバランスM1400 BKJ
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クラシックなフォルムが魅力の1400。ブラックアッパーにグレーロゴは、トラッドからモードカジュアルまで合わせられて、コーディネート力抜群。MADE IN USA。展開店舗限定モデル。
スニーカー(ニューバランス)¥35,200/ニューバランス ジャパンお客様相談室
ニューバランスM1500 WHI
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現行のフラッグシップ1500モデルは、MADE IN UKで展開されている。ハイテクなデザインをオールホワイトにシルバーグレーの刺しゅうでミニマルなルックスに。トレンドのホワイトコーデの足もとに、抜け感の演出にと大活躍。展開店舗限定モデル。
スニーカー(ニューバランス)¥30,800/ニューバランス ジャパンお客様相談室
M1500 XG
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チャコールからライトまでグレーのグラデーションと上質なピッグスキンスエードで、名品をモダンにアップデート。MADE IN UK。展開店舗限定モデル。
スニーカー(ニューバランス)¥30,800/ニューバランス ジャパンお客様相談室
M1500 BTG
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英国製の上質なレザー&スエードを渋いブラウン系カラーブロッキングで展開する“GENTLEMAN PACK”の1500。ブリティッシュスタイルやベージュワントーンの足もとにぜひ。MADE IN UK。展開店舗限定モデル。
スニーカー(ニューバランス)¥33,0000/ニューバランス ジャパンお客様相談室
CM1700 B1
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安定性とクッション性を両立した、USA製と同じソールを使用したアジア製の1700。軽快なライトグレーが、カジュアルな着こなしを品よくスタイリッシュに演出。
スニーカー(ニューバランス)¥19,800/ニューバランス ジャパンお客様相談室
M1700 WN
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1000番台最後のモデルとしてコアなファンも多い1700。上質なスムースレザーを使用し、旬のイエロー&ネイビーでアレンジしたホワイトは、注目のカレッジ風スタイルにもぴったり。MADE IN USA。公式ストア限定モデル。
スニーカー(ニューバランス)¥42,900/ニューバランス ジャパンお客様相談室
問い合わせ先
ニューバランス ジャパンお客様相談室
(TEL:0120-85-0997)
福井傑也さん
(SNS TOKYOアシスタントマネージャー)
ニューバランスM1300 AT
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「ニューバランスの中でも1300はすごく気に入っていて、この5月にもバイカージャケットからインスパイアされたという1300ATを購入。個人的にアメ車やバイクのカルチャーが好きなので、このデザインはツボでした。バイカーカルチャーを意識して、キャッツアイのサングラスを合わせたいと思い、そこからコーディネートをふくらませて。古着のニットベストとプロクラブのTシャツ、ニードルズの極太パンツはダークトーン、ゴルフワンのキャップでグリーンを差し色に。全体のシルエットとしてはバイカーテイストを残しつつ、冠バッジなどアクセサリーでシティ感を足しました」
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「レトロなルックスのモデルでも機能的に優れていたり、時代に合った新しいデザインをリリースするなど、ニューバランスは老若男女、誰もが自分のスタイルに合う1足を見つけられるブランド。中でも1300は“スニーカー界のロールス・ロイス”と言われることもある通り、クラシックな見た目ながらもはき心地は極上というのが大きな魅力だと思います。今回のATのジッパータンのような、ひと味変わったギミックもニューバランスの確立された説得力があるからこそ買う気になったし、親しみやすかったのだと僕は思っています!」
副島卓己さん(Silly美容師)
ニューバランスM1500ホワイト
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「夏に向けて白いスニーカーを探していたときに、この1500を見つけました。巷は白のエアフォース1だらけなので、変化球的なニューバランスのオールホワイトに心惹かれて。1000シリーズは数字が上がるほどテクノロジーが進化していて、1日中はいていてラクチンというところもよきです。ハイテク顔の1500はNロゴも小さくて主張せず、オールホワイトはミニマルなルックスで抜群に合わせやすい。OAMCのシャツとフレッシュサービスのスウェットパンツにニューエラのキャップ、とラフなスタイルに合わせても上品に締まるのが魅力です」
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「ニューバランスは品番通りにスニーカーが出ていない歴史も面白いし、今は1500シリーズを歴史あるMADE IN UKでつくっているところも好印象。クリーンカジュアルに似合うスニーカーとしておなじみですが、僕はセットアップにニューバランスだと普通に決まって面白みがないと思ってしまうので、スウェットパンツやキャップのようなラフさをニューバランスでクリーンに魅せたい派です」
名知正登さん(エディター)
J.クルー×ニューバランス1400
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「スエードのしっとりした質感、夏の森林を思わせるグリーンにひと目惚れ。J.クルーとのコラボレーションは、ロゴにブルーをあしらうなど、インラインにはないカラーリングがよかった。とはいえ、意外に主張が強いので、カラーブロックで見せるスタイルにハマっています。きょうはオーラリーのネイビーのセットアップをベースにウェールズ ボナーの赤いTシャツ、ラロース パリのベージュのキャップとこのニューバランスで構築しました」
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「1400、1600、2002、2040とニューバランスはいろいろと持っていますが、いい意味でいなたいデザインとシルエットがコーディネートをソフトに見せてくれます。かっちりドレッシーなスタイルも、足もとをニューバランスにすると肩の力が抜けた洒脱な装いに変わります。自分の名前(NACHI)とリンクする、大きなNロゴもひそかに気に入っています(笑)」
林 克哉さん(ベンダー プレス)
ニューバランスML2002R B
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「5月28日に発売されたML2002R BをGETしました! ニューバランスはほかにも990v5を持っていて、クラシックなモデルよりもハイテク感のあるデザインが好きです。ベンダー シングスのネイビースウェットにノンネイティブのカーゴショーツとミックス調のショートソックスでコーディネート。最近はボリューミーなショーツにボリューム感のあるスニーカーを合わせるスタイルにハマっています!」
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「フラッグシップモデルとして2010年に登場した2002のオリジナルモデルのアッパーと、ML860 v2のハイスペックソールを融合したモデルということで、履き心地が抜群によいです! 僕のカラーはブラックですが、ヌバック部分はチャコールに近くて重くなりすぎず、ソールもホワイトと抜け感があって夏の着こなしによく合います」
野村優歩さん(エディター)
ニューバランスML2002R D
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「ずっと993を愛用していたので、デザインに共通性を感じる2002に惹かれました。ニューバランスはぼってりとしたフォルムと、極上のはき心地が最大の魅力。普段、ワイドシルエットのパンツをはくことが多いので、その相性も抜群。僕は仕事で外出する際は、ストライプ柄のオックスフォードシャツをユニフォーム的に着ています。そんなわけできょうもシュプリームのオックスフォードシャツ、オンブレニーニョのワイドカーゴパンツに2002をコーディネート。リラックス感と品のよさを意識してスニーカーを選ぶと、やっぱりニューバランスに落ち着きます」
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「ベーシックなネイビーのスニーカーは、一足あると着こなし不問で合わせやすいのが魅力です。最近はブルーを基調としたワントーンスタイルも多いので、スニーカーがネイビーだと全体がまとまりますし、ニューバランスであればさらに気分も上がります」
※価格は全て税別です。
Composition&Text:Hisami Kotakemori
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今さら聞けないスニーカー基本のき!