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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。今回はスタリストの戸田あさ香さんが、アメカジが似合うメンズノンノモデル小方蒼介を連れて、昨年末にオープンしたばかりのホワイトサークルへ。小さな古着店にはオーナーの“愛”がぎっしり詰まっていた!
今回のお店を訪ねたのは…

スタイリスト
戸田あさ香 さん
福井県出身。大阪の服飾専門学校を卒業後、上京。スタイリスト松川総さんのアシスタントを5年間勤め、2023年1月に独立。女子の視点を活かしたスタイリングを自分の持ち味に。師匠の影響でアメカジ古着に強いが、選ぶポイントは“見た目”重視派。
ディスプレイにも工夫が凝らされ
見どころ満載の感動的な古着店
松陰神社前
WHITE CIRCLE(ホワイトサークル)
SHOP PROFILE
松陰神社駅から徒歩5分ほど。世田谷通り沿いのビルの1階にホワイトサークルはある。間口一間ほどで少し奥まっていることもあり見落としがちだが、隣の老舗バイク屋さんが目印。タイルの壁に白いサークル刺しゅうの額装とユッカ・ロストラータの鉢植え、シルバーのブルドッグの置き物を見つけたらそこがホワイトサークルだ。

ホワイトサークルは昨年末の12月26日にオープンしたばかりの新しい古着店。中目黒の古着の名店、ジャンピンジャップフラッシュで長く店長を勤めた白岩孝輔さんがオーナーだ。自宅に近い物件だったこともあり倉庫にしようと借りたが、内装を考えるうちにアイデアが湧き「やっぱり店にしよう」と出店することにした。
スタイリストの戸田さんはアシスタント時代、師匠の松川さんに似た雰囲気の白岩さんとジャンピンジャップフラッシュで出会い、ホワイトサークルを出店したと聞いて今回、紹介してくれた。

店内は3坪ほどとかなりコンパクト。アメリカ・ニューメキシコのサンタフェをイメージして、壁や天井をピンクブラウンに。商品は左手のラックに集約され、右手には大きな鏡やトルソーが置かれている。

ホワイトサークルの商品は100%アメリカ古着。2カ月に1回ペースで買い付けに出かけ、主に1930年代から1990年代までの古着をピックアップする。メンズをメインに3割ほどレディースも扱う。
左手のラックには50着ほどしか並べられないが、シャツのインナーにTシャツを入れたり、シャツとコートを重ねたりと工夫して、コーディネート提案を兼ねながら多くの商品を陳列している。

椅子や台の上には、きれいにたたまれたジーンズなどのパンツ類。そのそばにウエスタンブーツがさり気なく並ぶ。家具やカゴ類もヴィンテージで統一されている。

白岩さんがこだわるのは古着の生地感。現代にはない手仕事の雰囲気が感じられるもの、再現するのが難しい褪せた色など、古着ならではのアイテムを選ぶ。スタイルとしてはウエスタンが好きということで、ネイティブアメリカンの雰囲気があるものも散見。

ヴィンテージも多く、店の奥の壁には背面に緻密な刺繍が施されたデニムジャケットがディスプレイされている。

ネイティブアメリカンの編み皿に載せられたバンダナには重しとして馬蹄の灰皿が置かれ、そこ、ここに白岩さんの“好きなモノ”が。

ウエスタンを象徴するカウボーイ、馬も大好きということで、壁にはロデオのレリーフも。セレクトしている古着はもちろん、ディスプレイに使われている小道具も白岩さんの愛情がたっぷりで、ホワイトサークルの世界観を投影している。
松陰神社前
WHITE CIRCLE(ホワイトサークル)
STAFF PROFILE
オーナーの白岩さんは大学時代に中目黒に住んでいたことが縁で、古着店ジャンピンジャップフラッシュを手伝うようになり、その流れで大学卒業後、就職。人前に出るのが苦手だったので、店舗ではなく卸業の部門で働いていた。しかしながら当時の店長が店のオリジナルブランドを立ち上げて忙しくなった2008年に白岩さんが店長を任され、退職する2021年まで勤め上げた。

店長になってからはアメリカに買い付けにも出かけ、バイイングも担当。名物店長としてお客さんからの信望も厚かったがコロナ禍もあって、40歳のときに独立することに決めた。独立してからはPOP UPで古着を販売。白岩さんは対面で販売するのが信条で、ホワイトサークルという店名には「自分が好きで選んだ古着を共有するサークル」のような思いを込めているそうだ。
松陰神社前
WHITE CIRCLE(ホワイトサークル)
RECOMMENDED ITEMS
ホワイトサークルに並ぶのは、100%アメリカ古着。白岩さんはアメリカでの買い付けの際、ヨーロッパ古着には手を出さず、アメリカ古着だけを選ぶ。ヴィンテージも扱うがメインは1970年~90年代のものが多く、オーセンティックなものだけでなく「タグが凝っている」という理由で買い付ける古着もあるとか。ホワイトサークルの魅力が詰まったおすすめ5選はこちら。
1_リーの名品「ウエスターナー」ジャケット

1959年にカウボーイのドレスアップ用のウェアとして、デニムでなくコットンサテンを使用してつくられたのがウエスターナー。アイビーリーガーやモッズにも愛された歴史を持つ。「僕が大好きなウエスターナー。サテンを使用しているので、デニムに比べてスマートなルックスです。生成りだけでなくグリーン系のカラーもあっていいんですよ」(白岩)。

Lee WESTERER、MADE IN U.S.A.と書かれたタグもしっかり残っていて、汚れなどもないグッドコンディションのヴィンテージ。「これはサイズが38と小さめなので、かなりお買い得価格になっています」と白岩さん。ウェスタンコアが注目されている昨今、復刻も登場するなど人気も再燃中。サイズが合う人は要チェック!
2_リーの名品
「ウエスターナー」ジーンズ

同年代のジーンズもピックアップしている。「別々のところで買い付けたんですが、年代は同じくらいのものです。ザ・ウエスタンなアイテムではありますが、ドレスアップ用だから洗練されていて、WESTERNERという名前が最高にいいんですよね」と、熱く語る白岩さん。
3_ニルヴァーナ「BLEACH」のロンT

ファッションアイコンとしても絶大な人気を誇るカート・コバーン。彼が率いたニルヴァーナの1stアルバムのジャケット写真がプリントされた希少なロンT。「半袖Tはよく出回っていますが、正規品のロンTをあまり見ないので、これはレアです。袖にも「NIRVANA“ BLEACH”」とバンド名とアルバム名が両方プリントされていますが、ユーロボディということで比較的手ごろな価格になっています」(白岩)。

背面にはアルバムに収録された曲名がプリントされている。グラフィック的にもかなりスタイリッシュ。こちらもコンディションは良好。「バントTシャツは大人が着られるグラフィックを選んでいます」(白岩)。
4_ヴィンテージのワークコート

テーラード風の衿と、着丈の長さが特徴のワークコート。2010年代にはショップコートと呼ばれブレイクした。「ボス オブ ザ ロードはゴールドラッシュの真っただ中、1852年にサンフランシスコで創業したワークウェアのブランドです。母体はノイシュタッター・ブラザーズという会社でしたが、1946年にリーに買収されたので、リーとのWネーム古着も見つかります」(白岩)。

実はこのブランド、ブルドッグのタグが有名で、これもまた白岩さんに刺さるポイント。中でもこのバージョンは、配色がポップでグラフィカル。ヴィンテージワークウェアのタグに記載されている「UNION MADE」(労働組合製を意味する言葉)の文字も入っている。
5_カーテン生地でつくられたジャケット

ラストは白岩さんがこだわるヴィンテージテキスタイルの魅力が詰まった一着。「50年代のカーテン生地をリメイクしたジャケットです。おそらくウィメンズのものだと思いますが、縮緬(ちりめん)のような50’s独特のファブリックと、この柄の切り取り方のセンスのよさに惹かれました」(白岩)。中にエアロスミスのロックTをコーディネートしていて、70’s~80’sのミュージシャン風に着こなすのがハマるとわかる。白岩さんのスタイリング提案も見事だ。
次回はスタイリスト戸田さんと
メンズノンノモデル小方が気になったアイテムやコーディネートを紹介!

SHOP DATA
住所:東京都世田谷区世田谷1-11-17
GoogleMap
営業時間:13:30~19:30(水曜~日曜)
14:00~18:00(月曜)
定休日:火曜
※インスタグラムにて休業日を要確認
Instagram: https://www.instagram.com/white_circle_01
HP:https://shirasyo10.fashionstore.jp/
Photos:Kaho Yanagi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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