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【プロが推す古着屋㉓】大量のストーンアイランドにテンション上がる! コーディネートはアートなブラックMA-1を今の気分で/自由が丘 EROTIC

【プロが推す古着屋㉓】大量のストーンアイランドにテンション上がる! コーディネートはアートなブラックMA-1を今の気分で/自由が丘 EROTIC

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。最近ストーンアイランドやC.P.カンパニーが気になるというスタイリストの瓜坂拓海さんが、自由が丘のエロティックへ。お目当て以外のアイテムも大漁で、試着してよさを実感しまくる!

スタイリスト

瓜坂拓海 さん

島根県生まれ、愛知県育ち。スタイリスト森田晃嘉さんのアシスタントを経て、2020年に独立。モードから古着まで守備範囲が広く、ストリートムードのあるクリーンなスタイリングを得意とする。ファッションとアーティスト分野で活躍。最近はレトロテックなアイテムが気分。

自由が丘  EROTIC(エロティック)

服好きのフィーリングにマッチする
商品構成&バランスのよさに感動

自由が丘  EROTIC(エロティック)

瓜坂さんのCHECK POINT

最近は仕事でも現行品のストーンアイランドやC.P.カンパニーをスタイリングに使う機会が多く、レトロテックなトレンドが気になっているという瓜坂さん。2023年にインスタグラムでエロティックを見つけ、プライベートで足を運ぶように。注目のストーンアイランドを筆頭に、デザイナーズブランドやシルバーアクセの品ぞろえも素晴らしく、瓜坂さんが好きなアンセルムやエッセイなど「古着と親和性の高い現行ブランド」をバランスよくセレクトしている点もツボだった。

商品ラックを探る瓜坂さん

ストーンアイランドやC.P.カンパニーは、近年アーカイブをベースにした新作も多く、オリジナルが古着で見られたらいいなと思っています」と、注目するブランドの古着に期待。入口に近いところから流れに従って全体を見ていくのが瓜坂さんのスタイル。この日も入口すぐの黒いアイテムが並ぶラックから見始めた。


オーナーの杉本さん

エロティックは2022年9月に自由が丘の住宅街にオープンした新進気鋭の古着店。オーナーの杉本陽介さんは原宿のキンセラに勤め、姉妹店である下北沢のフランクブラックの看板店長を経て独立した。エロティックは自身が好きなエルメス、ストーンアイランド、C.P.カンパニー、ジョルジオ アルマーニなどヨーロッパのハイブランドを中心とした「取り入れやすい、いい古着」をヨーロッパ買い付けでそろえている。

ティンバーランドのナイロンジャケットを羽織る瓜坂さん

レトロテックが気分という瓜坂さんはブラックのラックの中から、ティンバーランドのミリタリーとアウトドアを融合したようなリップストップナイロンのジャケットを発見。さっそく「試着していいですか?」と羽織ってバランスや丈感をチェック。この日履いていたのがティンバーランドのGORE-TEXモックトウブーツということもあり、見事にマッチ。


ストーンアイランドのラックからアイテムを取り出す瓜坂さん

続いては隣に並ぶ、お目当てのストーンアイランドのラックへ。「こうやって見ると素材も形もめちゃくちゃ種類があるんですね」と大量のアウターを見て笑みがこぼれる。その中から手に取ったのは、ストーンアイランドを代表する素材「フォーミュラスチールナイロン」のジャケット。「こちらは1995年の製品です」と杉本さんがタグを見て教えてくれる。

ストーンアイランドのラックの前で瓜坂さんと杉本さんが話している

杉本さんからも「これは特殊なルートで見つけたサンプルジャケットで、この色は製品化されていないんです」というレアなアウターをおすすめされ、こちらも試着してみることに。


レアなストーンアイランドのジャケットを羽織ってみるる瓜坂さん

「ショート丈で身幅がワイドというのが今っぽくていいですね。特にこの丈感…着てみるとボタンにラバーが付いていたり…ディテールもめちゃくちゃカッコいです!」(瓜坂)と、思わず笑顔に。

エルメスのスキッパーを手に取る瓜坂さん

奧のコーナーでは白いトップスが並ぶラックからエルメスのスキッパーを見つけ、天井から吊るされたメゾン マルジェラのスエードのセットアップを見て「マルジェラでレザーでセットアップ…コレ、ヤバイですね」と目を輝かせる。


マルジェラのセットアップを見る瓜坂さん

入口から見て右手の奥の壁際にはレディース古着が2ラックほど並ぶ。その中からニット襟のないMA-1を発見。「前の持ち主が襟を取ったカスタム品です」と杉本さんが説明してくれると「ブラックでタロンジップと、気が利いていますね」と瓜坂さん。「メンズサイズですが、女子が着た方がかわいいと思って、ウィメンズのラックに置いています」(杉本)。こういった掘り出し物もあるので、レディースコーナーも見逃せない。

アクセサリーの棚を見る瓜坂さん

壁際に沿って商品を見た後は入口付近のテーブルにあったシルバージュエリーをチェック。「個人的にシルバージュエリーも好きです。スタイリングによって手首まわりだけ、襟元だけと、ジャラジャラつけることはしませんが…」と着こなしの極意を説明しつつ、気になるジュエリーを着けてみる。デザインはもちろん、コーディネートとのバランスを確認。


スペシャルなポロ ラルフローレンのダウンを羽織る瓜坂さん

この後はスペース中央へ。エンポリオ アルマーニの珍しいレザージャケットを試着して「アルマーニも注目しているブランドのひとつです」と瓜坂さんが言うと、杉本さんから「手前にあるオンレジのジャケット、ポロ ラルフ ローレンでダウンなんですよ」と勧められ、試着すると「これメッチャいいですね! モノとしてもカッコいいけれど、着るとさらにカッコいい」(瓜坂)と、いたく気に入った様子。

カスタムされたカーゴパンツを手に取る瓜坂さん

「まだこのあたり見てませんよね」とミリタリー系のアイテムが並ぶコーナーを見ていると、カスタムされたカーゴパンツに遭遇。さらに見ていくと、そこに運命の出会いが…。このあたりはぜひ、動画でご確認いただきたい!

自由が丘  EROTIC(エロティック)

瓜坂さんが気になったアイテム

オーナーの杉本さんとじっくり話をしたのはこの日初めてということで、いろいろな気づきがあった瓜坂さん。お目当てのストーンアイランド以外にも感動的なアイテムが見つかった。瓜坂さんが選んだ5選はこちら。


1_ストーンアイランドの
フォーミュラスチール
ナイロンジャケット

1995年ストーンアイランドのジャケット¥132,000
1995年ストーンアイランドのジャケット¥132,000

ストーンアイランドのコーナーで最初に手に取ったジャケット。「素材が変わっているなと思って惹かれたんですが、色もいいし、シェルだけだからレイヤードもしやすそうと思いました」(瓜坂)。ストーンアイランドは独自開発のテックな素材に定評があり、80年代から90年代にかけて多くの名品が生み出されたが、この光沢感のあるフォーミュラスチールナイロン素材もそのひとつ。

2_ストーンアイランドの
ラーゾ・ゴマト素材のパーカ

90’sストーンアイランドのパーカ¥178,000
90’sストーンアイランドのパーカ¥178,000

こちらは杉本さんにすすめられたパーカ。「サンプルで珍しいという点だけでなく、試着してそのシルエットのよさや今っぽさを実感しました」(瓜坂)。「これはラーゾ・ゴマト(Raso Gommato)というストーンアイランドの象徴的な素材になっています」と杉本さんが補足してくれた。ラーゾ・ゴマトはミリタリー用のコットンサテンにポリウレタンコーティングを施した素材で、現行品にもたびたび登場する。


ストーンアイランドのタグ

ストーンアイランドはC.P.カンパニーを創立したマッシモ・オスティによって1983年に設立された。90年代のタグには現行のタグにあるコンパスマークがない。ちなみにマッシモ・オスティがデザインを手がけたのは1996年まで。エロティックでは杉本さんが好きなマッシモ時代のものにこだわってセレクトしている。

3_ポロ ラルフ ローレンの
ダウンジャケット

90’sポロ ラルフ ローレンのダウンジャケット¥128,000
90’sポロ ラルフ ローレンのダウンジャケット¥128,000

杉本さんにすすめられたアウターその2。「ポロ ラルフ ローレンにはまったく見えない意外性もありますが、着てみたら驚くほど暖かくて。ギミックも満載で、まさにレトロテックな一着です」(瓜坂)。ミリタリーディテールがたっぷりで、オレンジ表地、オリーブ裏地という配色にも目を奪われる。


90’sポロ ラルフ ローレンのダウンジャケットのタグ

ミルスペックのようなデザインの織りネームも珍しく、タグには確かにポロ ラルフ ローレンの文字が。「胸のファスナーポケットのプルタブがハート型になっているのは、前の持ち主がカスタムしたからですね」(杉本)。

4_気の利いたデザインのカバーオール

90’s POP84のカバーオール¥16,500

カバーオールのデザインをテックにアレンジしたジャケット。「パッと見は普通でいて、よく見るとポケットが横についていたり、二重になっていたり。こんな風にディテールがデザインされているところが、ヨーロッパのブランドらしい」(瓜坂)。POP84はデニム製品が有名な現存するイタリアのカジュアルブランド。チンタブ付きの襟元など、トラッドなディテールを取り入れている点もいい感じ。


5_カリム・アジャブのカスタムドMA-1

90’sカリム・アジャブのMA-1¥154,000

瓜坂さんがひと目惚れしたカリム・アジャブ(KARIM HADJAB)のブラックMA-1。「ダメージ系やボロボロのアイテムが好きなので、このMA-1はドンズバでした。屋外に放置されて日焼けしたスチール板の跡のようなダメージとか、アーティストの方が古着を手間と時間をかけてカスタムしていると聞いて、とても興味深かった」(瓜坂)。

日焼けしたスチール板のようなダメージ加工

カリム・アジャブはパリを拠点に古着をカスタムした作品で脚光を浴びるアーティスト。杉本さんがインスタで見つけて連絡を取り、パリのアトリエに出向いて買い付けている。日本でも限られた店舗でしか扱っていない、エロティックの目玉のひとつでもある。

自由が丘  EROTIC(エロティック)

瓜坂さんのコーディネート

もともとブラックMA-1に着目していた瓜坂さんは、カリム・アジャブのMA-1にひと目惚れ。自分好みのダメージ感にコーディネートのアイデアが広がった。エロティックがセレクトする現行ブランドもMIXして、古着好きならではのスタイリングに。


90’sカリム・アジャブのMA-1¥154,000・90’sエルメスのニット¥55,000・90’sポロ ラルフ ローレン ボーイズのチェックシャツ¥19,800・新品アンセルムのパンツ¥38,500

ダメージのきいたMA-1にアンセルムのユーズド加工のジーンズが合うと思いました。ボロボロどうしですが、アンセルムが新品ということもあり、やりすぎた感じにならないのがポイントです。インナーにはエルメス、ポロ ラルフ ローレンとブランド古着から差し色になるオレンジやトラッド感のあるチェックを合わせて、クリーンな印象にまとめました」(瓜坂)。

今どきなブラウンデニムや、足元にブーツを合わせるなどモダンなエッセンスを落とし込んでいるのはさすが。古着と好相性の新品も扱うエロティックの個性をうまくピックアップしている。

取材を終えて

言葉数少なめの瓜坂さんと杉本さんだが、お互い共感することも多く、親交を深めた。「オーナーの話をいろいろと伺って、改めていい店だなと思いました。マルジェラ期のエルメスやポロ ラルフ ローレンのセレクトもエッジが利いていますし、そんな中にパタゴニアのフリースがあったり。王道のアメカジ古着屋では物足りない人は、ぜひ足を運んでほしい」(瓜坂)

デザイナーズブランドの古着が中心ながら、「シンプルなデザインやいい素材にこだわって」リアルクローズをセレクトしている点でエロティックは出色だ。上質な古着に出会いたい人、ハイブランドを古着で取り入れたい人も必見。

    

詳細は動画でチェック!

気になる古着が次々と見つかり、どんどん試着していく瓜坂さん。要所要所で解説を入れ、瓜坂さんに響くアイテムを提案してくれた杉本さん。絶妙な距離感でやりとりする服好きふたりの動画は、見ればファッション感度が上がる!


エロティックのロゴ

SHOP DATA

住所:東京都世田谷区奥沢5-40-12 南国ビル1階
営業時間:14:00~21:00 不定休
Instagram:https://www.instagram.com/erotic_jiyugaoka/
HP:https://erotictokyo.theshop.jp/

Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「僕らの永久定番ファイル」や「コレクション速報」などファッションテーマを幅広く執筆。

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