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NYヤンキースのスタジャンにエルメスのスーツを!? 古着だけでも今どきコーディネートが余裕で組める!【プロが推す東京の古着屋㉒原宿ROB(ロブ)】

NYヤンキースのスタジャンにエルメスのスーツを!? 古着だけでも今どきコーディネートが余裕で組める!【プロが推す東京の古着屋㉒原宿ROB(ロブ)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。スタイリストの福留愛理さんがメンズノンノモデルの松井大奈と訪れた原宿のロブ。気になる&欲しい古着だらけの店内で、松井は試着三昧。ロブの魅力を詰めこんだ福留さんのコーディネートにも注目!

スタイリスト

福留愛理 さん

熊本県出身。地元で古着屋スタッフなどを経て上京。スタイリスト小林 新さんのアシスタントを7年間務め、2023年に独立。メンズ、レディースと両方こなし、アイビーやプレッピーなどアメリカのトラッドをベースにしたスタイリングに定評がある。自他ともに認める古着好き。

メンズノンノモデル

松井大奈

埼玉県出身。2023年にメンズノンノモデルオーディションで読者賞を受賞して専属モデルに。今年4月から大学生になり、古着好きな友人との出会いがきっかけで、古着屋めぐりが趣味になった。古着とブランドものを組み合わせて着ることが多い。

原宿 ROB(ロブ)

アメカジの王道からアウトドア、テック、
きれいめまで幅の広さで見応えたっぷり

原宿 ROB(ロブ)

福留さんのCHECK POINT

スタイリングに必ずといっていいほど古着をミックスする福留さん。アシスタント時代からリサーチでも、よく古着屋を回っていた。中でも頼りにしていたのが老舗として知られるサンタモニカ。当時、渋谷店の店長だった栗原聖也さんに出会い、店に通って親交を深めた。福留さんが独立して間もなく、栗原さんもロブをオープン。「レギュラー古着でもカッコいいものが多いロブを多くの人に知ってほしい!」と今回推薦してくれた。

大学生になって古着屋めぐりが楽しいという松井は、スタイリストといっしょに古着屋へ行けるということでワクワクモード。しかもロブに行くのは初。「ファッションのプロの視点が学べそうで楽しみです!」(松井)。この日初対面のふたりながら、古着好きということで、姉と弟のように打ち解けた。福留さんはロブに行くとまずオーナーの栗原さんに軽く挨拶をして、インスタグラムなどで見た気になるものからチェックしていく。


この日はまず、アウトドアのアウターやトップスが並ぶ店の中央のアウトドアゾーンへ。「この間来たときも見ていいなと思ったんだけど、このパタゴニアのスナップT、色がかわいいでしょ? 現行のものにはないナイロンの前立てが付いていて…」と松井に商品のプレゼンをする。ときに年代や詳細などを栗原さんに確認しつつ、どんどん気になるアイテムをピックアップしていく。

松井もすぐに「アウトドア独特のこういうカラーリング気になります」とザ・ノース・フェイスのGORE-TEXジャケットを見つける。「着てみたら」と福留さんに勧められて試着。「GORE-TEXのロゴがいい感じですね」と松井が言うと「昔のアウトドアって主張強いデザインが多いかも?」と福留さんが応え、「GORE-TEXの上にプリントされているようにナイロンの中でも強度の高いコーデュラ プラスを使っているんですよね」と栗原さんがさり気なく解説してくれる。

ディテールをチェックしながらフィッティングに手を貸す福留さんは、さながらロブのスタッフのよう。「サイズがぴったりだね! 古着屋さんに誰かと行くとつい店員さんみたいになっちゃうんですよね」(福留)。


続いて鮮やかなグリーンのパタゴニアのダウンジャケットを手に取る松井。「ダウンには用途があって、動きながら着るためのものと、待機しているときに着るものがあります。これは待機用だから、ものすごくあたたかいんです」と栗原さん。「黒もあります」と壁にかかっていた商品も試着させてくれた。両方着てみて「ダウンは派手なほうが好きです」(松井)と結論。

ダウンジャケットをひと通り見た後は、福留さんお気に入りのキャップコーナーへ。「年代は比較的新しいけれど、気の利いたキャップが見つかるので毎回チェックしています。キャップとTシャツはコーディネートのハズしに使えるから、いいものを見つけたら迷わず買いますね」(福留)。「今年は僕もビーニーが欲しいです。赤とかアクセントによさそう」(松井)。


選んだビーニーをかぶるとこの日のコーデュロイジャケットに見事にマッチした。「今日みたいな暗めの服のコーディネートも、小物で赤を差すだけですごくスタイリッシュになりますよね」(松井)。

ひと通り帽子を試した後は、店の壁側のオーセンティックなアメカジゾーンへ。「ここはスウェット類も充実していて、グラフィックのいいものが多いんです。このコーネル大学のスウェットはバックに大きなCの文字が配色であしらわれていたり。あとはNYのレコード屋さんのスウェットのような新品も…」と福留さんが商品を取り出して松井に話していると、栗原さんが「Tシャツやキャップもあります。ローカルなアイテムやスーベニアものなどは、新品も買い付けています」と教えてくれた。


続いては入口左側のきれいめゾーン。「古着のセットアップも意外に充実していて」と、福留さんがシックなウールのストライプスーツを見つけると、なんとエルメス。「これは松井君に超似合いそう!」と福留さんが言えば、「こういうセットアップってどう着たらいいんですかね?」と松井が質問する。「チープなTシャツとか入れたほうがカッコイイと思う」と福留さんが即答。

松井はここでもビビッドカラーのコーデュロイシャツに手を伸ばす。「今年はコーデュロイが気になっていて。赤に惹かれちゃうんですよね…」(松井)。「それって、もしやオールドギャップ? 書体がギュッとしているからそうだね」(福留)。そんなやり取りの後、赤いシャツに袖を通すと「アームが広いからダッドな感じ。羽織りに使ってもいいし」と福留さん。松井も試着しながら、いろいろな発見を楽しんでいる。


最後はニット。ふたりともポロニットが好きと意気投合しつつ、福留さんは「このボーダーニット、女子が着てもかわいいかも?」と鏡を見ながらサイズ感を確認。松井にも試着を勧めつつ、「ニットまでそろっているから、ロブはトータルでコーディネートがしやすいんですよね」と、松井に似合うコーディネートを頭の中で考えていたようだ。

福留さんがコーディネートを組む間、松井は入口横の棚下に並ぶレースアップブーツを物色。「こういうブーツも今年履いてみたいなと思っていたんです」とサイズやディテールをチェックしていた。

原宿 ROB(ロブ)

松井が気になったアイテム

店内をくまなくみたふたり。松井はこの日「いいダウンジャケットがあったら買いたい」と話していた通り、試着した中で、いちばんしっくりきたダウンジャケットと、最後に盛り上がったポロニットを選んだ。


1_配色がいい
パタゴニアのダウンジャケット

00’s パタゴニアのダウンジャケット¥39,600
00’s パタゴニアのダウンジャケット¥39,600

現行のパタゴニアにはない遊び心のあるデザインが光るダウンジャケット。「パタゴニアというブランド力もさることながら、試着したら本当に軽くてあたたかくて機能的にも最高でした! 防寒としてはもちろんですが、配色や切り替えデザインがファッションにも落とし込みやすく、これからの季節、ヘビロテしそう」(松井)。

波打つフロントのカッティングや、弧を描くダウンキルトもユニーク。リップストップをベースに、強度が必要な部分にナイロンツイルをあしらうなど意味のある切り替えがデザインとしてもアクセントになっている。


2_着回し力抜群の
ポロニット

90’s ジェフリー ビーンのポロニット¥7,920
90’s ジェフリー ビーンのポロニット¥7,920

格子柄の編み地がしゃれているポロニット。「軽めの素材感と柄が編み込まれているところに惹かれました。ポロニットはまわりに着ている人は少ないけれど、個人的によく着ているアイテム。何にでも合わせやすくて、しかも襟がついているからかっちり見えるといいことづくめ」(松井)。

ジェフリー ビーンはアメリカのファッションブランド。アメリカでもっとも権威のあるファッションの賞、コティ・アメリカ・ファッション批評家賞を8度も受賞し、アルベール・エルバスや三宅一生が彼のもとで経験を積んだことでも知られる。クチュールだけでなく若者層に向けたカジュアルラインも手がけ人気を博した。

原宿 ROB(ロブ)

福留さんが気になったアイテム

古着への造詣が深い福留さんは、アイビーやプレッピーが好きという自身のベースやトレンドも鑑みて、ロブの魅力が伝わる3点を選んでくれた。


1_ NYヤンキースの
スタジャン

00’s NYヤンキースのスタジャン¥16,500

近年冬アウターとして定着したスタジャン。「旬のMLBアイテムでしかもNYヤンキース。ダメージなどがなく、コンディションがとてもいいのもポイントです。ボディも袖もブラックだから、コーディネートでも使いやすいことは間違いなし」(福留)。

メルトンのボディにレザー袖の王道コンビネーション。襟と袖のボーダーリブがスポーティなムードを盛り上げる。フロントはおなじみのNYロゴワッペン、バックにYankeesのレターワッペンが。トレンド感のある黒白2トーンで、スタジャンの中ではシンプルなデザインをセレクトしているのもロブらしい。


2_オールドの
シンチラ・スナップT

90’sパタゴニアのシンチラ・スナップT ¥24,200

パタゴニアから1985年に発売され、アウトドアシーンを変えたシンチラ・スナップT。「前立て表側にもナイロンが付いた今とは違ったデザインと、オレンジイエロー×パープルの配色も新鮮でした。こういった名品と言われるアイテムをしっかり押さえているのもロブらしい」(福留)。1989年に胸のポケットが追加され、2000年代に前立て表側のナイロンがなくなって現行の形が完成している。

3_ローゲージ
ボーダーニット

90’sボーダーニット¥12,100

配色がポップなボーダー柄ニットは、古着屋で見かけることも多いROYAL NORTH MILLS OUTFITTERS(ロイヤル ノース ミルズ アウトフィッターズ)のもの。「年代もブランドもそこまで特別ではありませんが、個人的に欲しいと思いました! シルエットが今っぽいし、発色のいいニットは冬コーディネートのアクセントだけでなく主役になりそう」(福留)。

原宿 ROB(ロブ)

福留さんのコーディネート

スポーツのトレンドも添えられるNYヤンキースのスタジャンを軸に、松井に似合うコーディネートを福留さんが提案。合わせたのは見た瞬間に「絶対似合う!」と直感したエルメスのスーツ。小物でロブの特徴をギュッと詰め込み、素晴らしいスタイリングが完成した。


00’s NYヤンキースのスタジャン¥16,500・90’sエルメスのスーツ¥79,200・80’s ミッキー・マウスのTシャツ¥16,500・90’s NYヤンキースのコラボキャップ¥6,930・新品 NYヤンキースのスーベニアマフラー¥5,940・1926年イギリスのアンティークネックレス¥69,300・90’sホースシューリング¥49,500

上品なセットアップにスタジャンをラフに羽織るのが、ちょっとプレッピーなムード。松井君がちょうどタッセルのローファーを履いていたのでバッチリでした。セットアップはインナーにTシャツを入れるぐらいが外しになってちょうどいいので、ミッキー・マウスのTシャツをセレクト。スタジャンに合わせてキャップ、マフラーと小物はNYヤンキースでまとめて、ヴィンテージのアクセサリーで大人っぽく仕上げました」(福留)。

自分ではこんな風に上手にコーディネートできないので、感動しています!」と見事に着こなした松井も大いに気に入った様子。自分の持ち味をセオリーにのっとって入れ込むあたりが福留さんらしい。ロブの栗原さんにも大満足の笑みが。

取材を終えて

すっかり距離が縮まった松井と福留さん。取材後ももう少し店内を見たいところだが、福留さんは次の現場があり心惜しい様子。「スポーツもアウトドアも、私が大好きな定番的なものが全部カッコよくて。ヴィンテージをよく知る栗原さんならではのセレクトに、きょうも心が躍りました!」(福留)「僕も欲しいものがたくさんで、今度また友だちといっしょに買い物しに来たいです!」(松井)。

どの古着もコンディションがよくて、確実に使えるものばかりが厳選されている点でロブは出色だ。いい意味で古き良き古着屋のスタイルを感じる一軒でもあり、古着通も初心者も、きっと満足できる!

    

詳細は動画でチェック!

姉と弟のような空気感で楽しくロブを回遊したふたり。福留さんに勧められてどんどん試着しつつ、リアルな感想を松井が伝える。古着店で働いていた経験が見える福留さんのトークも楽しい。さりげなく栗原さんの解説が加わり、見応えのある動画になった。


SHOP DATA

住所:東京都渋谷区神宮前5-25-8
営業時間:13:00~20:00 年中無休
Instagram:https://www.instagram.com/rob.tokyo
HP:https://www.robtokyo.com/

Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「僕らの永久定番ファイル」や「コレクション速報」などファッションテーマを幅広く執筆。

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