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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。スタイリスト佐藤弘樹さんのアシスタント時代からの友人がオーナーというスケア。エッジがきいたセレクトが持ち味だが、トレンドにマッチするアイテムだって見つかる!
エッジだけじゃない! おしゃれ好きに
響く感度の高いアイテムも!
池ノ上 SCARE (スケア)
佐藤さんのCHECK POINT
佐藤さんがアシスタント時代に知り合った、同い年の須田託実さん(下写真:左)と及川将生さん(右)がオーナーというスケア。井の頭線池ノ上駅の北口を出てすぐ。下北沢からも余裕の徒歩圏内だ。ヒッピーやパンクなど、70’sのカウンターカルチャーをベースにしたセレクトは唯一無二。
「買い物というよりも友だちの家に遊びに行くような感覚です。行ったらまず挨拶をして、近況など世間話をして。ふたりとも感度が高いので、スケアの古着から刺激を受けることも多いです」(佐藤)。お互いに名前で呼び合う親しい仲。この日もスケアの世界観がひと目でわかる私服で出迎えてくれた。
「西海岸に買い付けに行っていたんだよね? インスタでいろいろ見てた」と佐藤さんが話すと「3日前に帰国して、昨日から営業を再開したところ。ヒロ(佐藤さん)にも気に入ってもらえそうないいものがいろいろ見つかった」と、須田さんが買い付けてきたアイテムのトピックを大まかに伝える。佐藤さんはそれを受けて、まずはおすすめアイテムを中心に古着を見ていく(このあたりはぜひ動画で!)。
ふたりの解説を聞きながらも自分が気になるアイテムをピックアップする。「このTシャツ、ラグランでリンガーってめずらしいよね」と佐藤さんがいうと「フロントのFALCONSって、何かのチーム名だと思うけど、フロッキープリントで入っていて、背面にもLEEと名前が入っている」と及川さんが説明してくれる。「ブランドのLEEではないという。しゃれてるね」(佐藤)。テンポのいいやりとりが続く。
夏でも長袖シャツがマストという佐藤さんは、レジ横のシャツのセレクションに目を留めた。「70年代が多いのかな? シャツ、かわいいね」(佐藤)「50~60年代のものもピックアップしてる。レーヨンとかギャバジンのトロみ素材を、サイズにもこだわって選んできた」(須田)「このウエスタンシャツ、刺繍がしゃれてるけれどスタッズも上品で。いいね」(佐藤)。良品ぞろいのシャツに、佐藤さんの目が輝く。
「このシャツ、似合うんじゃないかな?」と須田さんが勧めてくれたドットシャツを試着する。「すごいセクシーだけどイヤらしさがない。着てみたらカフが長くて、ドレッシーなつくりなんだね」(佐藤)。ボタンを留めたり開けたりして、「羽織もタックインもどっちもいける。すごくいいね」と絶賛。佐藤さんの私物じゃないかと見紛うほど似合っていた。
対面のラックにはサーフムードのTシャツが。今回の買い付けで「着丈が短く、身幅の広い、今っぽいシルエットの総柄Tシャツをいろいろ見つけたのでピックアップした」と須田さん。「自分のテイストとは違うんですが、こういう感度の高い古着をスケアで見ると、自分の知見が広がってスタイリングのヒントにもなったりします」(佐藤)。
レイヴの視点で選んだというケミカルデニムのデザインジーンズにはなぜか日本のアニメ『妖怪ウォッチ』のキャラグッズが。「日本のアニメとかカルチャーって自分たちが思っている以上にアメリカで人気があって。見方が変わった」(須田)「このパンツそのものも面白いね。今の時代にはないディテールがいろいろ盛り込まれていて」(佐藤)。古着からいろいろな情報を読み取る。
池ノ上 SCARE (スケア)
佐藤さんが気になったアイテム
「スケアはクセの強いものが多いんですが、それだけじゃなくて、僕が着たいもの、スタイリングに使いたいと思うハッとするものがあるんですよね」と、スケアの振り幅を解説してくれた佐藤さん。選んだのはトレンドともリンクするこの3点。
1_開襟ドットシャツ
大きな襟、胸元の開いたデザインが70’sを象徴する化繊シャツ。「開襟風のデザインですが、いやらしさがなく、素材も含めて着やすかったです。これは個人的に欲しいと思ったアイテム」(佐藤)。リラックス感がありつつ、大きすぎないレギュラーフィットが今っぽい。
襟元の織りネームにある「Triumph OF CALIFORNIA」は、70年代に人気を集めたシャツブランド。ファッショナブルなテキスタイルやデザインで古着好きに注目されている。
2_アンブロのサッカーシャツ
肩にアンブロのロゴテープも配されたTシャツ。「サッカーをやっていたので、サッカー系のアイテムには弱いんです。今、大人気のアンブロですが、このシャツはローカル感があって、そこも響いた」(佐藤)。ポリエステルコットンの混紡素材にもレトロなムードが。
「ロゴが消えかけていたり、ヤレ感がなんだかよくて。グリーンの色みも今っぽくていいです」(佐藤)。
3_ブラウン系配色ウエスタンシャツ
2024年秋冬コレクションでルイ・ヴィトンが「カウボーイ・コア」を打ち出したことでも、注目の集まるウエスタンシャツ。「ブラウン×イエローという配色やサテン生地の雰囲気もいい。ハットやブーツ、ウエスタンを象徴する刺繍モチーフにも心が動きました」(佐藤)。本格的ウエスタンシャツながら、モードな空気感を携える。
カウボーイのモチーフが刺繍されたSaddle Champ, Ranch Wearのシャツはカナダ製。刺繍は多色使いながら、品よくまとまっているのが素晴らしい。
池ノ上 SCARE (スケア)
佐藤さんのセルフコーディネート
この秋はトレンドに浮上しそうなウエスタンシャツでコーディネートを組んだ佐藤さん。「トレンドとしても注目しているウエスタンシャツを自分らしくコーディネートしました。フレアパンツ+Tシャツというのが僕の私服のベーシックです」(佐藤)
回遊中に見つけたフレアジーンズはサイズもぴったり。この日、ウエスタン調のシルバーバックルベルトをしていたこともあり、Tシャツをタックインしてウエスタンシャツを羽織った。「ポイントはシャツの刺繍とTシャツのプリントの色みを合わせたこと。スタイリングするときにもメインアイテムの色を拾って、コーディネートをすることが多いんです」(佐藤)
インナーはBANGKOK THAILANDのプリントの通り、タイのお土産Tシャツ。線画に赤と緑をあしらったプリントに加え、リンガーTシャツというのもポイント。「シャツのインナーに着るプリントTを探していたので、これは掘り出し物でした。バンドTやフォトT以外にもスーベニアTがあったかと」(佐藤)。
バックにもTHAILANDの文字がアーチ状にあしらわれデザイン性の高さがわかる。「この後、買いにきます!」(佐藤)。
取材を終えて
知り合って8年になる盟友と、濃い時間を過ごした佐藤さん。探していたTシャツも見つかって、喜びもダブルに。「万人に受ける古着ばかりではないかもしれませんが、タクミとマサキ、ふたりのパーソナリティに触れたり、彼らが選んだものを見て話しを聞いて知見を広げたり。ファッションの楽しみ方がひとつ上がる古着屋だと思います。若い世代にこそ、ぜひ来てほしい」としめくくってくれた。
詳細は動画でチェック!
佐藤さん、須田さん、及川さんの仲のよさが伝わってくる動画は、随所にカルチャーに関するエピソードが盛り込まれ、見るだけでためになる。アイテムの知識だけでなくコーディネート提案も含めて、必見! きっとスケアに行ってみたくなる。
SHOP DATA
住所:東京都世田谷区代沢2-46-5
営業時間:13:00-21:00
定休日:不定休
Instagram:https://www.instagram.com/scare______/
HP:https://scareclothing.stores.jp/
Photos:Kaho Yanagi(still)Yumi Yamasaki(movie)
Movie Edit:Yuuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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