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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。今回は独立したてのスタイリスト佐久間 歩夢さんが、三軒茶屋の有名人御用達古着店を紹介してくれた。ヴィンテージのアクセサリーが充実していることでも有名!
今回のお店を訪ねたのは…
メゾン古着とヴィンテージジュエリーを
破格のプライスでラインナップ
SHOP PROFILE
田園都市線三軒茶屋の南口から徒歩5分圏内。こんなところにプチアーケードが? という飲食店が立ち並ぶ路地にノワールはある。2011年3月にオープンして、2017年には菅田将輝さんのMV『ばかになっちゃったのかな』に登場するなど、有名人も通う人気古着店に。
オーナーが愛する50’sのアメリカンヴィンテージとハイブランドの古着、そして欧米のヴィンテージジュエリーを核に商品が構成されている。元メンズノンノモデルの三宅亮輔が、50’s古着にハマるきっかけがノワールだったというエピソードもあるほど、2010年代は良質なヴィンテージをそろえていた。
現在は90年代以降の古着が多くなったが、今も店の奥や壁にはヴィンテージやメゾン古着がディスプレイされている。年代に関係なく「本質的にいい古着」をセレクトするというコンセプトはオープン当初から変わらず。
アンティーク&ヴィンテージのジュエリーに注力する姿勢もそのままで、アクセサリー好きや女子にも顧客が多い。今回ノワールを紹介してくれたスタイリストの佐久間さんもそんなひとり。服はシンプル、BUTアクセサリーで個性を出したいという人にはたまらない古着店だ。
ハイブランドの古着やジュエリーが占める割合も多く、ハイブランド古着だけのラックもある。エルメスやプラダといったラグジュアリーブランドのアーカイブが、現行品では考えられないような価格で買えるのもうれしい。
レジ前の木製ショーケースには、ノワールが力を入れるゴールドのアンティークジュエリーが並ぶ。中には1800年代の貴重なアンティークもあるというから圧巻だ。小さいケースの中には100点以上のお宝が詰まっている。
レジ横のショーケースの上は、旬のアクセサリーをまとめたコーナー。取材した日(4月中旬)は夏に向けてサングラスや、珍しく時計がまとまって入荷したとのことで、「こんなにそろっているのはなかなかないですよね!」と、スタイリスト佐久間さんも興奮気味だ。
三軒茶屋 NOIR(ノワール)
STAFF PROFILE
佐久間さんをいつも接客してくれるという大曽根 睦(おおそね あつし)さんは、ノワールに勤めて8年になるベテランスタッフ。ルックスはもちろん、豊富な知識に裏付けされた解説と美声にも聞き惚れる(ぜひ動画で聞いて欲しい!)。店頭に立つのは週に3日で、あとはEC対応の内勤なのだとか。「じゃあ僕、かなりの確率で当てているんですね」と佐久間さんの顔がほころぶ。
大曽根さんはヴィンテージ古着が好きで、ノワールに通ううちにオーナーに声をかけられてスタッフになった。「基本的にはTシャツにシャツのようなラクな服装が好きです」というが、カジュアルなものをここまでスタイリッシュに着こなすセンスはお見事。
三軒茶屋 NOIR(ノワール)
RECOMMENDED ITEMS
ノワールの古着はアメリカものを中心にヨーロッパのメゾンやコム デ ギャルソン・オムのようなブランドも扱う。またジュエリーはアンティーク&ヴィンテージだけでなくメゾンのものもセレクト。ロックTを主軸とする古着Tシャツにも力を入れているそうだ。初夏のおすすめアイテムを教えてもらった。
1_ドルチェ&ガッバーナの
ロザリオネックレス
メゾンのジュエリーやアクセサリーも得意とするノワール。二次流通でなかなか見つからないものも、なぜかノワールにはあるというエピソードも。「ドルチェ&ガッバーナが得意とするロザリオネックレスです。貴金属ではなくクリスタルなどを使用したもので、定価だと7~10万円ほど。新古品でこの価格はお買い得だと思います」(大曽根)。
2_ヴィンテージのテニスブレスレット
こちらはハイジュエリーの中でも人気の高いテニスブレスレット。「フォーマルだけでなく、カジュアルにも使いやすいのが魅力です。ノワールではゴールドのテニスブレスレットを見つけると買い付けていますが、入荷するといつもすぐに売れてしまいます」(大曽根)。素材にもよるが、9Kとリアルダイアモンドでこの価格は破格だ!
ちなみにテニスブレスレットとは、一周すべてに小粒のダイヤモンドをセットしたダイヤモンドブレスレットの総称。1987年の全米オープンで当時のスター選手、クリス・エバート(“アイス・ドール”のニックネームを持つ美女!)が出場した際、ダイヤモンドブレスレットを着けてプレーしていたときのアクシデントに由来するそうだ。留め具が外れてコートに落としてしまったブレスレットを、彼女が「テニスブレスレット」と呼んだことから注目を集めることに。
3_エルメスのレザーベスト
おしゃれ好きが憧れるエルメスの革製品。スカーフも有名だが、馬具からスタートしたブランドだけに革製品のクオリティはファッション業界の中でも随一だ。「エルメスの革製品はやはり別格ですね。シンプルな中にもファスナーやエポーレットなどちょっとしたディテールに、メンズカルチャーのエッセンスが落とし込まれています」(大曽根)。
美しいステッチワークがエルメスらしさを物語る。HERMÈSのロゴ入り裏地が付き、革もやわらかい。レザーでもエレガントかつ上質な着心地。現行品では革小物でも10万円以下のものは少ないご時世、このベストはかなりの掘り出し物だ。
4_プラダのレザーTシャツ
エルメスと並んでおしゃれ男子に高く評価されるプラダ。「ラムレザーのやわらかいTシャツは、バックの裾がナイロンの切り替えになっていて、内側にはメッシュも配されている90年代のプラダらしいデザインです。ブラウン系のレザーは上品さがあっていいですよね」(大曽根)。
ヨーロッパは日本に比べて乾燥した気候だから、春夏にレザーを着ることも当たり前。ナイロンのイメージが強いプラダもアパレル製品では春夏レザーの提案が得意で、コアなファンも付いている。
5_ヴィンテージグラフィックTシャツ
バンドTと同じ感覚で着られる、スタイリッシュなグラフィックを厳選するヴィンテージTシャツは、ノワールの売れ筋商品のひとつ。「アメリカの有名なコメディアン、グルーチョ・マルクスのオフィシャルTシャツです。日本での知名度はさておき、グラフィックとして完成度が高く、どんなコーディネートにも合わせられるのではと思います」(大曽根)。
マルクス兄弟としても有名な、アメリカのミッドセンチュリーに活躍したグルーチョ・マルクス。太眉毛&ヒゲに丸眼鏡と付け鼻がトレードマークの人気コメンディアンだ。ジャケット&ニッカボッカーにブーツを合わせたクラシックなファッション、連続柄のアイデアや配色も素晴らしい。
SHOP DATA
住所:東京都世田谷三軒茶屋1-35-3 MTビル1F
TEL:03-6450-8478
営業時間:15:00~22:00
定休日:無休
Instagram: @noir_sangenjaya
HP:https://noir120317.thebase.in/
Photos:Kaho Yanagi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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