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一目惚れのセーリングベストはジャケットにレイヤード。色がかわいい80~90’sのマウンパにもハマった!【プロが推す東京の古着屋⑬ピッツ 後編】

一目惚れのセーリングベストはジャケットにレイヤード。色がかわいい80~90’sのマウンパにもハマった!【プロが推す東京の古着屋⑬ピッツ 後編】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。スタッフの古着愛があふれるピッツで、スタジオファブワーク/ エンケル プレスの西澤祐哉さんが、春らしいセーリングアウターをあれこれ試着。テーラードジャケットとのレイヤードにも挑戦!

スタジオファブワーク / エンケル プレス

西澤祐哉 さん

長野県出身。高校時代から地元の古着屋に通い、掘り出しものを見つけるのが趣味に。大学進学で上京してからも都内のあちこちに出かけ、古着屋を見つけては掘る日々。アタッシュドプレスに勤める今でも古着のチェックは欠かさない。

神宮前 PITTZZ(ピッツ)

スタッフとの会話を楽しみながら
自分のコーディネートの幅を広げる

神宮前 PITTZZ(ピッツ)

西澤さんのCHECK POINT

仕事場から近いピッツは「21時まで営業しているので、仕事帰りに立ち寄ることもできるんですよ」と顔をほころばせる西澤さん。人懐こい性格もあって、オーナーの伊藤 翼さんやスタッフから古着のことをいろいろ教えてもらうのが楽しいという。「古着はコミュニケーションが大事」というオーナーの伊藤さんの言葉にもうなずく。

西澤さんは年代を気にせず、デザイン重視で古着を選んでいる。「ヴィンテージに執着がないんですが、生地がいいなと思って手に取ると50’sの希少品だったということがよくあります。今の服にない、古着ならではのテキスタイルに自然と惹かれているんですね」(西澤)。今、古着で狙っているのは軽く羽織れる春アウターだとか。

ピッツに来るとまずスタッフに挨拶をして、カウンターの右横のラックから商品を見始める。「ピッツの推しアイテムがここに集まっている気がするんですが…」と西澤さんが言うと「今はヨーロッパのスポーツものが集まっています」と伊藤さん。ラックの上にもカラフルなアウトドアのアウター類が並ぶ。その中から気になる1点をスタッフの遠藤雅士さんに取ってもらい「このブルーのジャケットと同じ色のパンツが…(とラックから取り出して)。ブランドは違うけどセットアップになりますね」(西澤)。アイテムの特徴を見ながらコーディネートについても考えを巡らせる。


カウンターの裏手はテーラードジャケットやスーツなどのコーナー。「テーラードジャケットは着たことないんです」と西澤さんが話すと、スタッフの佐藤詩響さんが「このディスプレイのように、カジュアルなシャツの上サラッと羽織るとか? あんまり難しく考えずに楽しく着ていただいていいと思いますよ」とアドバイスをしてくれた。

気になったブルーのアウトドアジャケットを、店内奥の大きな鏡の前で試着。「上だけ閉めて羽織るとどんな感じかな?」と着方を探りながら、着こなしを考える。ときには2つのアイテムを上下で合わたり、重ねてみたり、自分の体に当てたりしながらマッチングも確認。自分で選んだものだけでなく、スタッフに勧められたものも試着して、自分のファッションの振り幅を広げていく。

神宮前  PITTZZ(ピッツ)

西澤さんが気になったアイテム

スタッフに古着のストーリーを詳細に聞いて、西澤さんが選んだのはこの4点。「どれもほかの古着屋さんでは見ないようなものばかりで、初めて知ったアイテムもありました」(西澤)。トレンドとシンクロするカラーアイテムやモードにも通じるクラフト感のあるアイテムがそろった。


1_セーリングベスト

90’s~00’s イタリアのブランドのセーリングベスト¥12,100

コットンポリエステルの高密度クロスを使用しているセーリングベスト。「今日、セーリングアウターについていろいろと話を聞いて、今までなじみのないジャンルでしたが、魅力的なアイテムがたくさんありました。中でもこのイタリアもののセーリングベストは生地感やデザインが素晴らしく、ありそうでないディテールにも惹かれて」(西澤)。同色のセーリングジャケットと重ねてディスプレイされていた、そのレイヤードも素敵だった。

ファイヤーマンジャケットのようなフックがベストで付いているというのも新鮮でした」と西澤さんが話すと「グローブとかをしていてもサッとはずしやすいように、そのフックが採用されているんです。意味のあるディテールなんです」と伊藤さんが解説してくれた。くすんだイエローやマットなルックスにもモード感が漂う。


2_セミノール族のハット

90’s~00’s セミノール族のハンドクラフトハット¥24,200

店内回遊を初めてすぐに食いついたハンドクラフトのハット。アメリカ・フロリダ州に居住するセミノール・インディアンの工芸品だそうで、店内にはジャケット類も複数ラインナップされている。「キャッチーさとハンドメイドという点にグッときました。機械ではつくれない、あたたかみを感じるテキスタイルに弱いんです。かぶったら予想以上に深い(笑)。キャラクター感の演出や、モード服のハズしにはもってこいだと思います」(西澤)。

3_アーティスト・ペイントのパンツ

年代不明 ユーズドパンツにアートペントしたパンツ¥34,100

カウンター裏手のラックに積み上げられていたアーティスト・ペイントのパンツは、古着を使ったピッツのオリジナル。「自分のワードローブは無地とダークトーンが多いので、この春、こういうアイテムで色を取り入れたいと思いました。同じものがひとつとしてない、一点ものというのも響いたポイント」(西澤)。


このアイテムに関してはオーナーの伊藤さんが「自分が語っていいですか?」と、動画でも熱弁をふるっている。「オランダで若いイギリス人アーティストに出会って、彼のこのかすれたような味のあるペイント作品が気に入って、古着のパンツに柄を描いてもらうようにお願いしました。マルチカラーはこれだけですが、単色の別パターンはいろいろあります。計算されていない偶然のようなアートプリントが好きなんです」(伊藤)。

4_ヨーロッパのアウトドアアウター

80’s~90’s vauDe(ファウデ)のマウテンパーカ¥17,600

動画の中でも脱ぐのを忘れてずっと着ていた「ファウデ」のマウンテンパーカ。「青が好きなので、これはブルーの色みが決め手です。スポーティなものはテック感が強いものより、もともとレトロ系が好きだから、そういう文脈でも自分好み」(西澤)。「ヨーロッパのアウトドアものは3~4色使いのマルチカラーが多いんですが、どれもしゃれていて品があるんです」とスタッフの遠藤さんが補足してくれた。


ちなみにファウデ(現在の欧文表記はVAUDE)はドイツのアウトドアブランド。登山家がバックパックをつくったことからスタートし、登山用品に定評がある。最近、ヨーロッパでは自転車用品が人気を集めているようだ。

神宮前  PITTZZ(ピッツ)

西澤さんのセルフコーディネート

この日、ピッツが推していたセーリングアイテムに感動した西澤さんは、セーリングベストを軸にコーディネートを考えた。「スタッフの皆さんが全員ジャケットを着ていたことに触発されて(笑)。遠藤さん、佐藤さんにアイテムを提案してもらって、スーツとのレイヤードに挑戦しました」(西澤)。

90’s~00’sセーリングベスト¥12,100・80’sイタリア製のスーツ¥24,200・00’sドイツのコンフォートシューズ¥12,100・10’sデッドストックのMade in USAウエストポーチ¥7,920

テーラードジャケット&スラックスのスーツを着るのは初という西澤さんだが、まったく違和感がない。「スポーティなベストをクラシカルなスーツに合わせて主役にしました。大人っぽくしたかったので、イエローとなじむベージュのスーツを選んでいます」(西澤)。ジャストサイズで合わせているのも今っぽい。


ピッツおすすめのカラフルなポーチをウエストに付けて「遊び心のあるアクセント」に。ベストのイエローを拾いつつ、ネオンピンクがY2Kムードを醸し出す。西澤さんの感度の高さが垣間見える。

足元にはこちらも回遊中に気になったコンフォートシューズ。「いい意味でダさくてかわいいと思いました。カジュアルよりもドレッシーなアイテムに合せるのが気分です」(西澤)。すべてピッツのアイテムでコーディネートしてくれたが、西澤さんらしいスタイリングになっていた。

取材を終えて

ゆったり、じっくり、自分のペースで店内を回遊し、古着との出会いを楽しんだ西澤さん。「きょうも見たことのない服にたくさん出会えて楽しかったです。特にセーリングジャケットは春のアウターとしてありだなと。この後、もっと試着してみたいと思いました」(西澤)。

ファッション業界人に顧客の多い実力店でありながら、初心者にもやさしい。すべては買い付けた古着への愛がベースにあるから。店頭で気になったものはぜひ、スタッフに尋ねてみてほしい。思った以上の古着の魅力に気づけるはずだから。

 

詳細は動画でチェック!

西澤さんのほんわりした癒し系キャラと、スタッフのアットホームな接客。そしてオーナー・伊藤さんの熱い語り。ピッツの魅力が存分に伝わる動画は必見!


SHOP DATA

住所:東京都渋谷区神宮前2-16-16 KUROSU3ビル2F
TEL:03-6447-4324
営業時間:13:00~21:00(日曜のみ~20:00)
定休日:不定休
Instagram:
@pittzz_tokyo
WEBサイト:https://linkfly.to/41117qapfuQ

Photos: Yumi Yamasaki(still & movie)
Movie Edit:Yuuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「僕らの永久定番ファイル」や「コレクション速報」などファッションテーマを幅広く執筆。

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