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レイヤードがうますぎる達人を召喚。それぞれの得意な重ね技を、秀逸コーデで披露&重ね着がうまくいく秘けつを深掘り!今回は、ビームス プレス 田中さん流の重ね着、「その2」を紹介します。
05|"Zoom映え"技で首まわりを考える
「最近はリモートの打ち合わせも多くなり、画面に映る狭いエリアでのファッションにも注意を払うように。このコーデは、ハイネック、モックネック、クルーネックの三層構造。肌に触れる順番に、生地のウエイトを"薄→厚"で調整すると、すっきりまとまって見えますよ。仕上げは地厚なモヘアカーディガンで全体を包んで、色の一体感をプラスしました。首が短く見えないよう、肌の見える面積を残すのもポイントです。つけ衿や、アイウエアを用いたポイントづくりもZoomには効果的!」。画面上では顔まわりの盛り上げが有効。上半身しか見えないことが多いからこそ、ほんの少しの"見せ方"で大きな差がつく。
[田中さん着用/肌に近い順に]ニット(ジョン スメドレー)・同(グランサッソ)・カットソー(ビームス)
06|定番シャツを印象的に。ドッキング技をマスター!
「ベーシックなシャツを、いかに真面目に見せないか。そんな天邪鬼な心理から生まれたのがシャツの2枚重ねです。色違いのシャツのボタンをわざとかけ違えて、アシンメトリーに。アンバランスなシルエットからのぞく、くすんだベージュはパンツの色味ともリンク。アンニュイなムードに」。まったく同じ形のシャツを使って新たな着こなしをつくった高等技術! 色をつなぐ秘けつは、トーンの差異を抑えてシャツを選ぶこと。二重になった衿や袖、腰の位置で巻いた裾もアクセントになって、見慣れたシャツがモードな風合いに転生。
シャツ(ともにビームス)
07|重衣料が増える秋冬は"足もとイン"技で均衡を
「ニットやジャケットなど、上半身のボリュームが増す秋冬は、ブーツインで全身のバランス調整を。インすることでブーツの重さが引き立ち、スタイリングのほどよいアクセントに。レザージャケットの量感ともバランスがとれるんです。ブーツにインしたパンツの裾は、少しだけたるませるのがこなれて見せるコツ。ブーツから少し脱線しますが、重さと品のよさを一挙に担えるレザーシューズは、僕のスタイルに欠かせないアイテム。その日のパンツやコーデの色合いに合わせて履き分けています」。ハードルが高く見えるブーツインも、上半身との重さのバランスを意識すると、仕上がりが格段にアップ。
ブーツ(グイディ×インターナショナルギャラリー ビームス)
08|どんなレイヤードも"小面積"技があってこそ!
「アイテム数が増えるレイヤードこそ、"頑張ってる感"を出さないことが何より大切だと思うんです。そのうえで、一番大事にしているのは見せる分量。本当に、ちょっとでいいんです。ジャケットからTシャツの柄をちょっと、Tシャツの衿からシルバーをちょっと、パンツのスリットからソックスをちょっと。(※1)アウターだって、ジャケットはちょっと。他のスタイリングもそう。"ちょっと"だけ。普段のスタイリングにほどよい違和感をプラスしつつ、無理に頑張っている感じにもならない、そういうバランスを毎日考えています」。レイヤードのスタイリングは"重ねた部分を見せる"ことに終始しがちだけれど、一度引いて全身のバランスをチェックしよう。技ひとつずつの秀逸さはもちろんのこと、そのさりげない使い方が、神たるゆえん。8つの奥義を習得すれば、明日からレイヤードに死角なし!
ジャケット(132 5.イッセイ ミヤケ)・パンツ(デミルクス ビームス)
※1
Godより/修業の積み方
レイヤードしない日はない!? テクニックの元ネタは…
メンズだけでなくウィメンズも含めて、国内外のコレクションやヴィンテージショップまでをチェックしています。斬新な着こなし、素材や色合わせの発想など、自分にはないレイヤードのヒントが無数に転がっている。大切なのは、見つけたヒントをしっかりして自分の着こなしに落とし込むこと。「自分ならどう着るのか」っていう当事者意識を持ってファッションを考えることが、オリジナリティのあるレイヤードと、自分らしい「スタイル」への近道だと思います!
※価格は全て税別です。
Photos:Kanta Matsubayashi Text:Kanta Hisajima
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