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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載の第10回。ストリートスナップなどに引っ張りだこの4Kプレス岡﨑陸大さんが、アニメTで話題の店へ! 古着からマンガまでオタクトークに花が咲き、大いに盛り上がった!
オタクの聖地と思いきや裏原から
モードまでオーナーのセンスがスゴい!
SHOP PROFILE
インスタグラムにUsed & “OTAKU” select clothingとある通り、アニメTの品ぞろえで脚光を浴びるチルウィーブ。代田橋というロケーションだがファッションインフルエンサーや有名な芸人が訪れ、YouTubeなどにも紹介される“知る人ぞ知る”有名店。代田橋の駅からは徒歩3分程度とアクセスもよく、環七に面したビルの1階と場所もわかりやすい。
チルウィーブはミミック(mimic)と共同で2021年5月にオープン。オーナーのチルさんはもともとアニメTのコレクターだった。やがてコレクションをインスタ上で売りはじめ、4年前に高円寺でホップアップを行うと思った以上の反響が。そのときにTAKARAさん(現ミミックのオーナー)と出会い、意気投合していっしょに店を出すことになった。代田橋の店舗は入口に向かって右側がチルウィーブ、左側がミミックという店舗構成になっている。
プレミアムなTシャツが壁上段に並び、『AKIRA』のタペストリーが象徴的な店内。アニメT、マンガTが充実しているのはもちろん、アウターやパンツ類はチルさんが影響を受けたモード系や裏原宿系など、これまた旬の古着が並ぶ。秋冬は重衣料が増えるものの、中央の棚と正面のラック上段にはたっぷりとTシャツをそろえている。
代田橋 chillweeb(チルウィーブ)
STAFF PROFILE
アニメやマンガはもちろん、古着も大好きな岡﨑さんはインスタでチルウィーブの存在を知り、10月に初めて足を運んだ。アニメTが目当てだったが、ほかにもストリートやアウトドア、スポーツブランドなど、自分好みの古着が多く、虜になった。来店したときチルさんは海外に買い付けに出ていたので、対面するのはこの日が初めて。いろいろと話すうちに推しのマンガが共通ということで急接近!
チルさんはモードや裏原、雑誌が好きな父親の影響でファッションに興味を持った。中学時代からお下がりのブランド服を着はじめ、古着のバンドTを集めるようになる。古着を掘るうちアニメTの面白さに魅せられ、10年前からアニメTを蒐集しはじめた。「当時はまだアニメTを集めている人は少なくて、破格の値段で売られていました。アニメTが注目されるようになったのは、ここ1、2年ほどですね」(チル)。
代田橋 chillweeb(チルウィーブ)
RECOMMENDED ITEMS
もともとはデザイナーズの服が好きというチルさんは、ファッションとしてアニメTを取り入れる独自の“ナード・コバーン”スタイルを提案している。「ネルシャツ、ダメージジーンズにバンTという王道を、アニメTに変えてナードにしたカート・コバーンをイメージしています。そんな感覚で自由にミックスしてコーディネートしてほしいんですよね」(チル)。チルウィーブ流のオタク×モードなスタイルが叶う、おすすめの5選を紹介しよう。
1_『攻殻機動隊』のTシャツ
アニメTの中でも世界的にコレクターが多い『攻殻機動隊』のTシャツ。「これはコスパという日本のアニメT専門の会社がつくったものです。海外人気が高い『攻殻機動隊』は日本のメーカーのものが少ないので、コスパ製は希少です。しかもシルクスクリーンプリントだから、ヴィンテージTシャツ好きにも響く一枚」(チル)。
『攻殻機動隊』の電脳化されたキャラクターの首元にあるプラグが、背面にあるのもマニアの心をくすぐる。デザイン的にもファッション性が高く、コーディネートのポイントに使いやすい。
アニメTファンの間では有名なコスパ(cospa)。「90年代からオフィシャルでアニメやゲームのアパレルやグッズをつくっている日本の会社です。クオリティの高いシルクスクリーンプリントのTシャツは、海外のアニメT好きからもかなりリスペクトされています」(チル)。最近はコスパの存在が、おしゃれ系の人たちにも認識されるようになったそうだ。
2_鉄腕アトムのワッペン付きスウェット
胸に電話機を持ったアトムのワッペンが付く、ラグランスリーブのスウェット。「ワッペンに1992. NTT THANKS FAIRと入っているように、NTTのノベルティでつくられたTシャツだと思います」(チル)。襟ぐりには“手塚プロダクション”の織りネームも付くオフィシャルグッズだが、サイズが小さいことから買いやすい価格に! 配色もとても今っぽく、ファッションユースに最高。
3_『ROBOT CARNIVAL』のTシャツ
ストリートブランドのグラフィックTかと見紛うのは、大友克洋が監督を務めたオムニバスOVA作品『ROBOT CARIVAL(ロボットカーニバル)』のTシャツ。「OVAと言うこともあり大ヒット作ではなく、知る人ぞ知る作品。知名度では劣りますが珍しさで言えば『AKIRA』よりも全然上で、完璧なコンディションなのでこの価格です」(チル)。
『AKIRA』のTシャツをつくっていたことで有名なKIMONO MY HOUSE製で、コピーライトも入ったオフィシャルマーチャンダイズだ。「『ROBOT CARIVAL』のような、メジャーではないけれど隠れた名作のTシャツをフックアップしていきたいんですよね」(チル)。公開当時はヒットしなかったものの、近年アメリカでBlu-rayが発売されるなど、評価が高まっているそうだ。
4_ダーク ビッケンバーグのデニムパンツ
90年代から2000年代にかけて人気を博したコーティングジーンズ。「マルジェラのコーティングジーンズが有名ですが、これは同時代のアントワープ出身のデザイナー、ダーク ビッケンバーグのものです。 古着ならではのコーティングがほどよくはがれた雰囲気が出ています」(チル)。
独特のデザインブーツが有名なダーク ビッケンバーグ。90年代初頭に脚光を浴びたアントワープ6(1985年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業した才能ある6人のデザイナーの総称)のひとりでもあり、先鋭的なデザインのアパレルは古着でも比較的買いやすい値段で見つかる。「僕自身がアニメTにデザイナーズブランドのパンツを合わせるのが好きなので、ボトムはハイブランドもそろえています」(チル)。
5_ネイバーフッドのボーン革ジャン
ラストは裏原ブランドの頂点ともいうべき、ネイバーフッドの革ジャン。「このボーンパッチワークは探している人も多く、白いボーンはよく出るんですが、黒は少ないんですよ。革ジャンなのにトラックジャケットっぽくて着やすいし、オールブラックなら飽きずに長く着られます」(チル)。こんなところにもチルさんのセレクトのセンスが光る。
背面にもボーンのパッチワークが施され、両サイドはファスナーで開けられる。襟はリブニットでスポーティにアレンジされているが、袖はファスナー仕様でウエストにはアジャストベルトも付き、イメージ的にはライダースジャケットというハイブリッドさ。チルウィーブには、エッジのきいたアイテムも多くラインナップされている。
【後編】では
4K岡﨑さんが気になったアイテムや
コーディネートを紹介!
SHOP DATA
住所:東京都世田谷区大原2-10-1
営業:平日15:00~22:00 日祝日13:00~21:00
定休日:不定休
Instagram:@chillweeb
Photos:Yumi Yamasaki
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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