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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載の第9回。後編ではスタイリスト井田さんが「欲しい!」服をピックアップ。50’sシャツを主役にした、メゾンブランドを彷彿とさせるモードなコーディネートも必見!
アームズの提案と自分の感性が
共鳴する“セレクトされた古着”たち
祐天寺 Arms Clothing Store
(アームズクロージングストア)
井田さんのCHECK POINT
モード服と同じくらい古着も買う井田さん。自分の“気分”に合うオーセンティックな古着も好きだが、それ以上に今の時代にはない古着ならではのデザインやカルチャーを感じるものに惹かれるそうだ。最近はどこか色気を感じるアイテムが気になっている。
「アームズクロージングストアはいつも上のほうから見ていきます。年代とか細かいことよりも、パッと見たとき珍しいデザインや『カート・コバーンが着てそう』みたいに、自分の好きなミュージシャンや映画のイメージに結び付くものはかなりの確率で買っちゃいます」と井田さん。この日もディスプレイされていたスモーキングジャケットや50’sシャツをまずチェック。
「ラックごとにスタイルやテイストがまとまっているのがアームズクロージングストアのいいところで、例えばこのラックなら90’sのスポーツテイストのものが集まっているんだな、とか考えながら見ていきます」(井田)。この日着ていた古着ジャケットと同じ、イエロー×ブラックが目下、気になる色。そういうものを目ざとく見つける。
「古着屋に必ず置かれているネルシャツも、例えばこれは王道のビッグマックですが、この淡いライトブルーの色みや素材の風合いなど、自分が探していたものがサラッと見つかると『この店は信用できる!』と惚れちゃいます」(井田)。オーセンティックなものほど古着屋さんのカラーが出ると、ネルシャツが山積みされた一角で熱弁をふるう。
バッファローチェックのマウンパのようなコートを見つけ「これ気になります。試着していいですか?」と、井田センサーに反応するものは試着して、鏡でサイズ感や後ろ姿をチェック。年代や詳細がわからないブランドなどはその都度スタッフに確認して、自分の知識を補完して会話を楽しむ。
「一点一点見ていきたい古着ばかりで、きょう時間大丈夫かな?」と、取材時間が足りないかもアピールをするほど、次々とユニークな古着をピックアップしていく井田さん。その様子や熱いトークに「うれしいです」とオーナーの斎須さん、マネージャーの星野さんも解説に力が入る。
祐天寺 Arms Clothing Store
(アームズクロージングストア)
井田さんが気になったアイテム
「アメリカものの珍しいヴィンテージだけでなくヨーロッパのデザイナー古着もあったり、いつ来ても気になるものがたくさん見つかるんですよね」と店内をひと通り見て、井田さんの琴線に触れたアイテムはこちら。
1_50’sのチェックシャツジャケット
1950年代に流行したシャツとジャケットを合体させたデザインシャツ。袖と裾がリブになっているのが、逆に今っぽい。「色柄とデザインがパッと目に入ってきました。大きめの衿も今の気分に合うし、70年も前のものですが古さを感じません。メゾンブランドの服のようにも見えます。古いモノ独特のよさがありながら、モダンに見える古着が好きです」(井田)。
ロングポイントの衿も独特。タグにはRevere(レヴィア)の文字が。「カート・コバーンが着ていたカーディガンと同じブランドだと思われますが、TAILORED BYとあるようにオーダーでつくられたものかもしれません」と星野さんが教えてくれた。
2_キルティングのスモーキングジャケット
スモーキングジャケットはディナーの後に、くつろいで煙草(葉巻)を吸うためにつくられた室内着。ショールカラーと装飾的なボタンがその特徴だ。「ジャケットが好きで、古着ではシンプルなテーラードよりもオーダーで作られたようなデザインがきいたものや、時代を感じるディテールのものに目が行きます。これもパープルの色みとキルティング素材が抜群にいい」(井田)。
「織りネームにMADE IN CANADAとあるようにカナダ製です。キルティングボディだけでなく、衿や袖などにも凝った素材が使われているのが贅沢ですよね」(星野)。古き良き時代を彷彿とさせるこのガウンは、メゾンブランドなどサンプリングしていることでも広く知られている。
3_デザインスウェット
赤×グリーンのコントラストが鮮やか。イタリアで80年代に流行したパニナリのファッションを彷彿とさせるスウェット。「単純に自分に似合いそうと思って選びました。こういうものほど、古着の体になじむ風合いが大事」(井田)。
4_クリスチャン ディオールのコート
バルカラーコートのデザインながらフラップポケットというメゾンらしいデザイン。「今のディオールにはないデザインが新鮮です。トラッド感のある玉虫調の生地も大人っぽい。こういうものを20代のうちに買っておくと、ずっと着られておすすめです」(井田)。
Christian Dior LE CONNAISSEUR(ル コネスール)のタグにはPARIS NEW YORKと2都市の表記が。LE CONNAISSEURには「こだわり」という意味があり、当時のディオールの上位ラインだった。このコートはライニングが取り外しできて、秋冬春と3シーズン着られる機能性も備わっている。
衿裏には取り外しできるベルトが付き、スタンドカラーにして着られるのも井田さんのお気に入りディテール。スタンドカラーで着ると印象がだいぶ変わる。
背面にはヨークがあり、ベルト付きというのもユニーク。バルカラーコートとトレンチコートのハイブリッド的なデザインも今っぽい。
5_衿の大きなレザーのハーフコート
ラストはラペルの大きいシングルスタイルのレザーコート。「アームズクロージングストアにはレザーもたくさんあって、どれもきちんと手入れされているので欲しくなるものが多いです。セクシーなムードもある70’sスタイルのコートは、デイリーに着たい一着」(井田)。トレンドアイテムとして脚光を浴びるレザーも古着なら手が届く。
祐天寺 Arms Clothing Store
(アームズクロージングストア)
井田さんのセルフコーディネート
井田さんがコーディネートに選んだのは「古着ならではデザインでモダンに見える」この2点。どちらもメゾンブランドのネタ元になっているようなヴィンテージというのが井田さんらしい。
「パッと見たとき大きな衿と短丈の感じがいいなと思いました。一枚で主役にしたかったので、上には何も合わせず、今気分のフレアパンツをコーディネートしました。グリーン×ブラウンの配色でトレンド感を盛って、全体的にはモード感のあるモダンなスタイルになったと思います」(井田)。
フレアパンツはリーバイスが70年代から80年代にかけて展開していた、スポーティなライン、リーバイス パナテラのもの。スタプレストのような素材感で「ポケットのカッティングなどにも色気があるんですよね」と井田さんもいたく気に入った様子。足元はこの日履いてきたフット・ザ・コーチャーのフレンチローファーがばっちりハマった。
スモーキングジャケットはあれこれコーディネートを試して、結果的に私服のニット&ジーンズに羽織るのがベストと決着。「ジャケットにパワーがあるので、シンプルな服のほうがやっぱり落ち着きました」と井田さん。リパーパスの裾を折り返したデニムとの組み合わせで、モダンなリアルクローズに落とし込んだ。
「個人的にはこのスモーキングジャケットを、ジャージのような気持ちで着たいと思っています。僕が持っているヴィンテージのリーバイス®501®に羽織るのも合いそう」(井田)。気になるアイテムの脳内コーディネートが止まらない。
取材を終えて
「時間が足りないかも?」との予想通り、井田さんはまだまだ見足りない様子。「アームズクロージングストアのセレクトは、お店の提案や『好き』という気持ちが伝わってくるラインナップで、見ていると『楽しんでいってね』と言われている気がするんですよね。夜、仕事の後、戻ってこようと思います!」(井田)。
商品数はかなりだが、整然と、見やすくディスプレイされているから、ゆったりと買い物が楽しめる。ポロ ラルフ ローレンのほかにないようなアイテムが大量に並んでいたり、ザ・ノース・フェイスのヴィンテージダウンジャケットがサラッと置かれていたり。感動ポイントが、そこここに見つかる。古着でワクワクしたい人は絶対行くべし。
詳細は動画でチェック!
古着からモードまで洋服の知識豊富で、映画や音楽などカルチャーにも造詣の深い井田さん。気になる古着を次々ピックアップし、熱く解説しまくる動画をお見逃しなく!
SHOP DATA
住所:東京都目黒区祐天寺2-12-1 2F
TEL:03 3793 5334
営業:平日15:00~24:00 土日祝日13:00~22:00
定休日:無休
Instagram:https://www.instagram.com/armsclothingstore/
WEBサイト:https://armsnewport.base.shop/
Photos:Yumi Yamasaki(still & movie)
Movie Edit:Yuuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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