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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載の第9回。本誌11月号では表紙のスタイリングも担当した井田正明さんが、平日は24時まで営業という「仕事の後でも行ける!」祐天寺のアームズクロージングストアを紹介してくれた!
ヴィンテージからレギュラーまで
ワクワクする面白いモノをそろえる
祐天寺 Arms Clothing Store
(アームズクロージングストア)
SHOP PROFILE
祐天寺駅中央改札東口から徒歩2分という、駅近なロケーションがありがたいアームズクロージングストア。今はなき原宿の名門古着店出身の斎須康孝さんがオーナーだ。2012年に現在の場所にオープンして、その後下北沢、青山にも出店し、現在3店舗を切り盛りする。それぞれ商品構成が異なるが、1号店でもある祐天寺は、オーセンティックとスタンダードがバランスよくそろう昔ながらの古着屋という商品構成。
アームズクロージングストアという店名には、「自分の腕前でしっかり古着を選んでピックアップしてくる店」という思いを込めたそうだ。アメリカに駐在して古着のバイヤーをしていた経歴を活かし、行先を固定せずにアメリカ全土から地域性を活かした古着を買い付けてくる。
斎須さんには「見ていてワクワクするような面白いモノを置きたい!」という思いがあり、ヴィンテージ、アメカジ古着だけでなく、ヨーロッパのモードブランドや旬のファッションとリンクするアイテムも積極的に選んでいる。「デザイナーのようなクリエイターの皆さんにも面白いと思ってもらえる鮮度の高さ、みたいなことは意識しています」(斎須)。
店舗はビルの2階の2室にまたがり(通り抜けはできない)、階段を上って左手がいろいろなアイテムをバランスよく並べる一室、右手はドレス、ミリタリー、レディースに特化した商品構成になっている。今回はアームズクロージングストアの真髄ともいうべき、左側の一室をメインに取材した。
祐天寺 Arms Clothing Store
(アームズクロージングストア)
STAFF PROFILE
井田さんは買い物する古着屋に周期があるそうで、いっときはアームズクロージングストアに足しげく通い、いろいろなお宝をGETした。この日は久しぶりの来店ということで、3店舗を行き来するゼネラルマネージャー星野泰平さん(中)と、1年半前からスタッフになった祐天寺店常駐の川上隼矢さん(左)が対応してくれた。
井田さんが店内を回遊する際に語った熱い “アームズクロージングストア愛”に星野さん、川上さんともに感動しつつ(後編の動画でぜひチェック!)、井田さんの質問に丁寧かつ細やかに対応してくれた。普段店舗に立つのは川上さんということで、オーナー斎須さん&星野さん仕込みの古着解説が伝授されている。
祐天寺 Arms Clothing Store
(アームズクロージングストア)
RECOMMENDED ITEMS
ファッション業界にも常連が多いアームズクロージングストア。井田さんが「デイリーに着られる古着で、かついいものがそろっている」と絶賛する通り、トレンドのアイテムの元ネタから一歩先を行く古着まで、実力がわかるショップおすすめの5選はこちら。
1_ペリー エリスの紺ブレ
まずは注目のテーラードジャケット。「ペリーエリスは80年代後期にはトム フォードとマーク ジェイコブスのふたりが在籍していたブランドとして、古着界では注目を集めています。オーナー斎須のファッションへの入り口がモードだったこともあって、アームズクロージングストアではペリー エリスの製品を集めています」(星野)。
左胸のポケットのAMERICAネームからもわかる通り、この紺ブレは90年代にペリー エリスが展開していた“アメリカ”ラインのもの。「“アメリカ”ラインはスポーティなものが多いのですが、こちらはGREIF CAREER APPAREL(グリーフ キャリア アパレル)の別注としてつくられたものです」(星野)。
右胸にGREIF CAREER APPARELのネームが。総裏地のしっかりしたつくりで、コンディションも抜群だ。
2_リーバイスのグレンチェックスラックス
リーバイスのビジネスカジュアルウエアとして1980年代から2000年代にかけて展開されていたリーバイス アクションスラックス。「化繊ではきやすく、古着でも人気の高いアイテムです。無地はよく出回っているんですが、このグレンチェックのような柄モノがなかなか出ないんですよね」(星野)
筆記体のLevi Strauss&Coの織りネームにはBUSINESS CLASS™ SUITの文字も。きちんと感のあるフロントホックのデザイン&テーパードシルエットで間違いのない1本。
3_L.L.ビーンのハンティングジャケット
「世間では流行っていませんが、L.L.ビーンのブラウンダックのハンティングジャケットは、今買って、おじさんになっても着られる一生ものです」(星野)。両肩のガンパッチが特徴のハンティングジャケットは、ファッションブランドのアウターの元ネタにもなっているまさに永久定番。
筆記体の「白タグ」と呼ばれるヴィンテージタグは、右肩に™の文字がないことから1960~70年代のものとわかる。70年代に™表記が加わるとロゴは太字になる。左胸のジッパーにも趣が。
背面にはハンティングジャケットの証ともいえるゲームポケット。鳥やウサギなど打った獲物を入れて持ち帰るためのポケットだ。80年代末の渋カジ初期ではポケットの多いフィッシングベストとともにブラウンダックのハンティングジャケットが流行。フィッシングベストがリバイバルしている今、トレンドとして浮上する可能性もないとは言えない。
4_グーチのアートプリントシャツ
アートテキスタイルのシャツとして近年脚光を浴びるグーチ。「80’s~90’sのものが多いのですが、50’sのレーヨンシャツのようなヴィンテージとして値段が高騰しています。このグーチは迷彩調のグリーン、ブラウンにピンクが入った珍しい配色だったのでピックアップしました」(星野)。
織りネームのアイコンに80’sなムードが漂う。英国人フォトグラファーのアラン・グーチ氏が1968年にカナダで設立したシャツブランド。いろいろなデザインが展開されていたが、アート柄が有名だ。
5_フローシャイムのジッパーブーツ
フローシャイムは古きよきアメリカを代表するシューズブランド。「1892年創業の老舗メーカーというのもさることながら、コンディションがめちゃくちゃいいジッパーブーツです。ペコスブーツ風のデザインやバーガンディカラー、スクエア気味のトウも含めて、とても今っぽいと思います」(星野)。
パリやミラノコレクションでもブーツが復権している今季。メゾンブランドのブーツかと見紛うクオリティで品のよさも兼ね備えるこのフローシャイムは、もしサイズが合うなら絶対買うべき。底レザー部分だけでなくヒールのラバーにも刻印が施されているのが贅沢。
【後編】では
スタイリスト井田さんが
気になったアイテムやコーディネートを紹介!
SHOP DATA
住所:東京都目黒区祐天寺2-12-1 2F
TEL:03-3793-5334
営業:平日15:00~24:00 土日祝日13:00~22:00
定休日:無休
Instagram@armsclothingstore
WEBサイト:https://armsnewport.base.shop/
Photos:Yumi Yamasaki
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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