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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載の第7回。今回は本誌のスナップやヘア特集でもおなじみのスタイリストアシスタント後藤留維さん。行きつけの古着屋さんの2号店、808(ハチゼロハチ)が下北沢にオープンしたということでさっそく案内してくれた!
駅近ながら住宅街にポツンとある
旬な古着のセレクトショップ
下北沢「808(ハチゼロハチ)」
SHOP PROFILE
下北沢駅の小田急線南西口改札口からだと徒歩2分ほどながら、住宅街にある808。今年の5月1日に三軒茶屋の古着店ZIG(ジグ)の2号店としてオープンした。ZIGは古民家を改造したアットホームな雰囲気が魅力だが、808は新築物件で内装も無機質なコンクリートの打ちっぱなし。そして現在、ZIGはレディースの古着店へとシフトし、メンズ古着は808に集約されることになった。
ちなみに808という店名は、万人に覚えやすい数字というのがポイントで、読み方はハチゼロハチに限らず、ハチマルハチ、エイトオーオエイトのように自由に読んでもらってOKなのだそうだ。
ミニマルな内装とも相まって、808は古着屋というよりもハイブランドのショップのような空気感だ。買い付けはアメリカ。808店長の佐藤将賢(さとうまさよし)さんがオーナーの谷口真央さんとともに3カ月に1度のペースで出かけ、自分たちの好きなものをピックアップする。2000年代の古着が中心で、最近はテック系のアイテムを多くラインナップ。ほかにもブレイク予報発令中の迷彩柄や、メゾン系のブランドものなど、充実の品ぞろえだ。
下北沢「808(ハチゼロハチ)」
STAFF PROFILE
後藤さんは人とかぶらない、見たことがないアイテムが見つかるZIGが好きで通っていた。下北沢に姉妹店ができると知ってさっそく足を運んだところ、今気になるアウトドア系のアイテムが充実しているセレクトに感動。808の店長を務める佐藤将賢さんは、もともとはZIGのスタッフだ。
佐藤さんは中学時代にアメリカのスケーター、ヒップホップ、アートなどのカウンターカルチャーに影響を受けた。その後モード系ブランドに触発されるも、大学卒業後は職人に憧れて植木屋で2年修行をしたという経歴の持ち主。ZIGに通ううちオーナーに誘われて、スタッフに。ストリートとモード、両方の知識を持ち、センス抜群のスタイリング提案で後藤さんとの会話も弾んだ。
下北沢「808(ハチゼロハチ)」
RECOMMENDED ITEMS
「自分たちの好きなもの」といいつつ、感度の高い佐藤さんたちが選ぶ古着はトレンド感も抜群。ファッションシーンで熱いアウトドア&スポーツブランドのアイテムがズラリと並ぶ。時節に沿った商品構成で、8月は軽いトップスやショーツなど夏アイテムが中心。
「今回の買い付けではアウトドア、スポーツ系のブランドと変わり種の古着をかなりピックアップしました。ほかにも僕が個人的に好きな迷彩柄や、アート系のアイテムもTシャツを中心に力を入れています」と佐藤さん。808の推し5選を紹介する。
1_ナイキ ACGのテックトップス
カラーリングや切り替えデザインも今っぽいACGのサイクリングトップス。「本格的なスポーツものの中からファッション的に面白いと思うものを選んでいます。このトップスも今っぽいライトブルーに少しだけオレンジのパイピングを入れたり、両脇のメッシュのあしらいにもテック感がありますよね」(佐藤)。
サイクリング用トップスらしく後ろ身頃が長く、背面にはドリングホルダーなどを入れるのにも便利なポケットが3つ付く。機能でありながら、デザインとしても魅力的だ。
2_90’sの波柄シャツ
複数のラインで描かれた波模様が印象的なSTREET CULTUREのシャツ。「これは僕的には波柄がヴェルナー・パントン(モダンデザインに影響を与えたデンマークのインテリアデザイナー)の作品を彷彿とさせる、アート系のアイテムと捉えています」(佐藤)。パントンチェアなどで有名な、ミッドセンチュリーを代表するデザイナーにインスピレーションを得て、アート感覚のある古着をピックするのも808ならではの視点。
「タグに銀色のラメ糸のようなものが使われてキラキラしているんですが、こういうディテールも今の服にはありませんよね」と佐藤さん。細かい部分までチェックして厳選しているスタンスがよくわかる。
3_ピカソのアートTシャツ
「個人的にアートも好きで、アートTも見つけたら仕入れるようにしています。これはピカソの有名な作品『ゲルニカ』のスーベニアTシャツ」(佐藤)。アートTはセレクトショップなどでもコラボが増えているジャンルだけに、古着市場でも注目度が高まっているようだ。
シュールレアリスムを代表するピカソの作品として有名な『ゲルニカ』は、第二次世界大戦中の1937年に、スペインの町・ゲルニカがドイツ空軍によって受けた無差別爆撃を描いた絵画。その作品クレジットがフロントのプリントの下にきちんと記されている。
4_アークテリクスのデッドストックショーツ
アウトドアブランドの中でも近年、注目度が急上昇のアークテリクス。「アウトドアものも個人的に好きで、アークテリクスだけでなく、いいと思うものをチョイスしています」(佐藤)。ほかにもサロモンなど旬なブランドが見つかる。
5_ルイ・ヴィトンのモノグラムショーツ
「メゾン系のブランドはスポーティなモノを積極的に買い付けています。これは比較的最近のものですが、水着としても着られる2WAYという点も選んだポイント」(佐藤)。モノグラムに星のモチーフをランダムに加え、同系色の濃淡でコントラストをつけたグラフィックが秀逸だ。メゾンブランドの選び方にもセンスが感じられる。
【後編】では
スタイリストアシスタント後藤さんが
気になったアイテムやコーディネートを紹介!
SHOP DATA
住所:東京都世田谷区北沢2-16-3
TEL:なし
営業:13:00〜20:00
定休日:無休
Instagram:https://www.instagram.com/03_808_808/
WEBサイト:なし
Photos:Yumi Yamasaki
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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