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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載の第6回。前編ではアネームのマニアックな側面をオーナーが紹介してくれたが、後編ではスタイリスト瓜坂拓海さんが、掘り出し物を次々ピックアップ! 良心的価格設定に樋之津琳太郎も大興奮!
デザイナーズ古着が格安で!
ストリート感をMIXして着こなす
高円寺「アネーム」
瓜坂さんのCHECK POINT
最近はコレクションブランドの古着を掘ることが多いという瓜坂さん。アネームは入って左側にデザイナーズものが多く、左側から店内をチェックしはじめた。「ずっと探しているのはジルボー(マリテ+フランソワ・ジルボー)、DKNYですが、最近はペリー エリスが気になっています」(瓜坂)。樋之津は外のラックで赤いプリントTを見て「Tシャツはやっぱりグラフィックの幅が広い古着が買いですよね!」とテンションが上がっている。
左サイドのラックから目ざとくペリー エリスのニットポロをピックアップ。「樋之津君も着てそうな服だよね」と瓜坂さんが手渡すと「ニットポロが4,950円!? 良心的!」と値段を見て驚く。次々とデザイナーズアイテムを見つけ値段に感動しつつも、どんどん真剣な表情に。「没頭すると無言になりがちですね(笑)。いやー、こんな古着屋があったんですね」(樋之津)。
店の奥のレジ前のパンツのラックから樋之津が「アクションスラックス? リーバイスだ! え? 6,380円?」と気になるパンツを取り上げると、瓜坂さんがすかさず「スタプレストのようなパンツで、洗濯してもセンタークリースが落ちないヤツです。ほかのお店に比べて割安なので、ここで5色くらい買わせてもらいました!」と解説する。
Tシャツのラックやシューズ類もつぶさにチェックして、最後は入口右手のアメトラ系アイテムが並ぶコーナーへ。目ざとく赤いブルゾンを見つける樋之津。袖のところにPOLO SPORTSとネームがあるけれど、襟元のタグはポロ ラルフ ローレン。「ショート丈のブルゾンを探していたので…(と試着する)、丈感もちょうどいい! 背中にアクションプリーツ入りで動きやすいし、なんか、ずっと着られそう!」とあちこちチェックする。
「コットン素材だから、春は羽織って、秋も羽織って、冬は中に着てと3シーズン着られるヤツですね」と瓜坂さん。気になるものはタグや素材を確認しつつ、次々試着してサイズ感もチェックするふたり(その様子は動画で!)。コーディネートに選んだアイテムには、それぞれの個性が表れた。
高円寺「アネーム」
樋之津が気になったアイテム
「赤い服ってテンション上がりますね!」と赤いアイテムに注目していた樋之津だが、本当に気に入ったのは楽しみにしていたデザイナーズ古着。どちらも樋之津が好きなブランドで、アイテムも1年中愛用しているシャツに落ち着いた。
1_プラダのチェックシャツ
「今出ているプラダは高額すぎて手が出ませんが、古着ならまだ手が届く。シンプルなチェックシャツは自分のワードローブにも取り入れやすいので、ひと目惚れしました」(樋之津)。「これも樋之津君が着てそうなアイテムだよね。探すと意外にないアイテムかも」と瓜坂さんにも高評価。
コットン100%で、よく見るとモノトーンではなく、ブルーやブラウンなどマルチカラーのミニチェック柄。台衿付きだがオープンカラー風でソフトな印象。オーセンティック回帰というトレンドにもマッチする一枚。
2_A.P.C.の半袖シャツ
同じラックで見つけたダイヤ柄プリントシャツは、見ればA.P.C.のもの。こちらも襟の形がオープンカラーに近い形で軽く着られるそう。「古着っぽくないところが気に入りました。夏のトップスはジャストサイズが好みです。やわらかい素材感と、合わせやすそうなミニ柄も高ポイント」(樋之津)
ダイヤと線を合体させたモチーフを縦、横と規則的に配列した「よく見ると」凝ったプリント。赤、ブルー、白とさり気ないトリコロールカラーもどこかフレンチムード。
高円寺「アネーム」
瓜坂さんが気になったアイテム
お店に入ったときからチェックしていた総柄シャツは、瓜坂さんが探しているブランドのひとつ、ペリー エリスのものだった。ほかにもリーボックのデッドストック軍用ブーツ、配色が気になった80年代のデザイナーズブランドのブルゾンをピックアップ。
1_ペリー エリスの戦柄シャツ
和柄のヴィンテージアロハのような佇まいの総柄シャツ。「外から見た瞬間から何? と気になっていたんです。日本でも西洋でもない、東洋的な柄も独特だし、何より戦柄というのも面白いですよね」(瓜坂)。
戦士や馬の柄が緻密に描かれ、色数も多いが「ベージュ系の色がベースだから、意外と落ち着いて見えるんです」(瓜坂)と、全体のトーンにも惹かれたという。古着だから、少し色褪せているのもちょうどいい。
2_リーボックの軍用GORE-TEXブーツ
こちらは「市場にあまり出ない」とオーナーが解説してくれた軍モノブーツ。靴コーナーで見た瞬間、手に取り、自分のサイズであることまで確認した「リアルに買いたい」一足。「形が気になって手に取ったんですが、リーボックでGORE-TEXと知って、ますます欲しくなりました!」(瓜坂)
表にはSR/USAのグリーンタグだけでロゴがなく、ソールを見て初めてリーボックとわかる。「一見スニーカーかと思いましたが、履いてみたらヘヴィデューティなブーツでした!」(瓜坂)
3_ハイスポーティングギアの配色ブルゾン
「配色がかわいいなと思ったのと『HAI』のロゴが気になって試着したら、サイズ感も今っぽくて」(瓜坂)。オーナーが「HAI(ハイスポーティングギア)はイッセイミヤケとワコールが共同開発していたブランドです」と教えてくれた。70年代にスタートして80年代に人気を博したそうだ。クレイジーパターンの配色やアウトドア調のデザインは今のトレンドのど真ん中。
高円寺「アネーム」
樋之津におすすめのコーディネート
樋之津が「どう着たらいいいですか?」と尋ねていた、プラダのシャツを瓜坂さんがスタイリング。
「プラダのシャツにセンタークリース入りのスラックス、足元にはオールホワイトのスーパースターと全体を品よくまとめつつ、きょうのテーマカラーの赤をTシャツで差しました。スケーターブランドのショーティーズのTシャツを選ぶことで、ストリートなハズしを入れています」と瓜坂さんが解説すると「赤いTシャツをこうやって使うんですね! これぞタクミの技!」と樋之津が脱帽する。
「タクミの技」は「巧み」と「匠」に「拓海(瓜坂さんの名前)」を重ねた、樋之津渾身の褒め言葉。
シェルトウがアイコンのスーパースターも、オールホワイトだとスタンスミス並みにジャケパンスタイルに合う。レトロな名品を選ぶことで、コーディネートが大人っぽくなる。
高円寺「アネーム」
瓜坂さんのセルフコーディネート
瓜坂さんはペリー エリスの総柄シャツを主役にコーディネートを組んだ。色のトーンを抑えることで、大人っぽく仕上げているのはさすが。
「ベージュベースのシャツのトーンに合うオリーブグリーンのショーツを合わせました。リーバイスのシルバータブのコーデュロイ素材を選ぶことで、西海岸風のニュアンスが入れられるのもポイント。足元はリーボックの軍用ブーツでバランスを取りました。インナーは白Tで抜け感を入れています」(瓜坂)。
半袖×ショーツはともすると子どもっぽく見えがちだが、足元に重量感のあるブーツを取り入れることで、ファッション感度も高めらえる。戦柄にミリタリーブーツという組み合わせもタクミの技。
取材を終えて
真剣に商品チェックするあまり、無言になる時間もしばしば。こぢんまりとした店舗だが、お買い得なお宝だらけで、つい長居したくなる。
「やっぱりスタイリストさんといっしょだと全然違いますね。商品の見方やコーディネートの仕方もすごく勉強になりました」と終始楽しそうだった樋之津。「久しぶりに来たんですが、今回も僕好みの服がたくさん見つかって、しかも今まで通りの良心的な価格で安心しました! またじっくり買い物に来ます」と瓜坂さんも大満足。
アネームの古着がどれほどお買い得かは、動画でたっぷり紹介しているので、ぜひ参考に。
詳細は動画でチェック!
古着本来の「安くてカッコいい」という魅力がたっぷり味わえるアネーム。樋之津は手に取るアイテムどれも「良心的!」と感動の連続。静かに熱い、ふたりの掛け合いも見どころだ。
SHOP DATA
住所:東京都杉並区高円寺南4-44-3 1F
TEL:03-3311-6995
営業:14:00〜20:00
定休日:不定休(HPにて要確認)
Instagram:なし
WEBサイト:https://a-na-me.ocnk.net/
Photos:Yumi Yamasaki(still & movie)
Movie Edit:Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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