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注目ブランドの若きディレクターやバイヤーたちは、この春夏をどう楽しむつもりか? Q&A方式で気分のワードローブを解明!
平沢幹太さん/UNFOLLOW・ブランドコンセプター
本誌でもおなじみのブランド「アンフォロー」、プライベートレーベル「フォル」のディレクションと商品企画を担う。
Q 今季、リアルに購入したアイテムは?
ツヤのある素材感で魅せる、オーラリーのカシミアカーディガン
「自分が素材オタクなこともあって、原料や生地の開発を追求しているオーラリーは毎シーズン何かしら買います。今季のカシミアカーディガンも美しい光沢や、ハリとコシのある質感は唯一無二。シンプルなデザインだけど、上質な素材のおかげで白Tとデニムのラフなスタイリングがサマになります。なめらかな肌ざわりと軽い着心地で全くストレスを感じません。さっとはおるだけで上品に仕上がるカーディガンを、今季は着回しまくります」
Q お宝アイテム、見せてください。
色落ちの風合いが美しい1950年代のリーバイス®
「状態のいい50年代のリーバイス®は希少価値があり、古着市場で価格が高騰し続けてます。これは501ZXXのきれいなストレートシルエットで、自分にぴったりのサイズ感。ライトブルーに色落ちしたワタリから、深いブルーの裾までのグラデーションが好みです。僕にとって完璧な1本だったので、先輩にお願いして買い取りました。春は白シャツにヴィンテージのバーバリーのコートをはおるくらいの普遍的なスタイルではきたいです」
Q 自分らしいスタイルに欠かせないアイテムは?
足もとに表情が生まれる、スエードのシューズ
「定番のクラークスやビルケンシュトック、コンバースに加え、ブーツにスリッポンまでスエードだらけ。足もとに優しげなニュアンスが生まれるし、厚いソールや細いトウなど主張の強いデザインを柔らかい表情に中和してくれます。数年履き倒したレッドウィングは復刻モデル[1]を買い足し。ベッドフォードのウエスタン風シューズ[2]はフルレングスのパンツからとがったトウをチラ見せしたり、ルメールのウエスタンブーツ[3]はデニムと合わせるのが定番ですが、どちらも素材のおかげでハードな印象にはなりません」
Q 今季を楽しむキーワードは?
色のトーンを合わせて、素材の"質感をミックス"
「異なるテクスチャーを一緒に着るワントーンスタイルが気分。例えば、今季のイシューのワークベストはマットな質感で、フォルのドレスシャツは光沢が特徴。生地ごとの表情を際立たせるために、同じネイビー同士を合わせたのがポイントです。色で視点が散らばらない分、素材そのものの魅力が前に出てくる。さらにネイビーのスウェットパンツで、ふっくら柔らかい素材をかけ合わせるのもアリ。ちなみに質感ミックスかつ、ワーク・ドレス・スポーツとテイストもミックスしています」
Q ついつい集まるMY定番は?
細部の違いで着こなしを楽しめる、白シャツ
「1枚ではもちろん、はおりとしてもインナーとしても着倒せる白シャツ。今は12枚をローテーション。襟を正すという言葉がありますが、着るだけで爽やかな気持ちになれるんですよね。シンプルなウエアながら、素材やパターンのささいな違いでまったく異なる印象になるのも面白い。自身がデザインするフォルでも毎シーズン、色や素材を替えながら定番シャツを展開していて、手持ちのシャツをインスピレーション源にすることもしばしば」
Photos:Kyouhei Yamamoto Composition & Text:Takako Nagai
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