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おしゃれプロが本当に頼れる古着屋さんを紹介する新連載がスタート! 第1回は70’s古着を愛するスタイリスト佐藤弘樹さんが、昨年12月に9周年を迎えたツナギジャパンへ。店主の井澤元気さんとのおしゃれトークに花が咲く!
メゾンブランドの最新モードと
リンクする古着をピックアップ!
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ツナギジャパンは、京都出身の井澤元気さんが2014年、渋谷にオープンした古着のセレクトショップ。4年前に公園通りのCOENビル6階に移転した。店名には「世界と日本を繋げる」「過去から現在。そして未来に繋がる」という井澤さんの思いがこめられている。
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広々とした店内にはゆったりと美しく、商品が並ぶ。コンクリートの内装に剥き出しの天井という無機質な空間に、水墨画や欄間、畳など和の装飾があたたかみを添える。店の奥にはカフェスペース「溜り場」があり、常連客の憩いの場にもなっているそうだ。
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店主の井澤さんはスタイリストの渕上カンさんに憧れて、ファッション業界に入ったという経歴の持ち主。学生時代に渕上さんが働く大阪の古着店に通って、古着愛を深めた。やがてアパレル業界に就職し、東京への異動をきっかけに上京。ラフォーレ原宿で店長を務め、「いつかはこのエリアに古着店をオープンしたい」と夢見ていたという。
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古着だけでなくモードにも精通する井澤さんは、ファッション業界のユース層にも慕われる存在。古着を主役にしたモード感のある着こなしにも定評があり、この日はパワーショルダーを彷彿とさせる古着ジャケットに、自身がデザインを手がけるゲン イザワのフレアジーンズとジッパーブーツをコーディネート。インナーにはワインレッドのダイリクのGジャン型ベストを合わせてアクセントに。
今の時代にマッチする古着を買い付けるのが井澤さんのモットー。アメリカだけでなく、ヨーロッパの古着もセレクトしており、割合は約7:3。以前は井澤さんが海外に買い付けに出向いていたが、コロナ禍以降は現地バイヤーへのオーダー制で、毎月商品が入荷する。
「バレンシアガ、セリーヌ、プラダ、グッチなどトレンドセッターとなるメゾンのコレクションをチェックして、元ネタになっているようなものは積極的にバイイングしています」(井澤)というだけあって、古着とはいえトレンド感のあるアイテムがズラリ。
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この冬力を入れているのがダウンジャケット。中でもY2Kムードが漂うレザーダウンがイチオシだ。「2001年に木村拓哉さんが出演したドラマ『HERO』の中でもA BATHING APEのレザーダウンを着ていましたが、90年代から2000年代にかけてヒップホップシーンでブレイクしました。今見るとスポーツブランドにはないエレガントさがあって、探している人も多いようです」(井澤)。
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トレンド感のあるアイテムとしてはこの冬、脚光を浴びるドライバーズニット。メゾンマルジェラが定番展開していることでも有名な、フルジップのスタンドカラーニットだ。ツナギジャパンではドライバーズニットを広義にとらえ、「ジップアップスタイルのニットを集めています。リブ編みだけでなくケーブル編みやボーダーなど編地の変わったものもおすすめです」(井澤)。
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近年はトレンドアイテムに浮上しているが、ジャケットやスーツは1年中ラインナップしているツナギジャパンのおなじみアイテム。「バレンシアガのパワーショルダージャケットは80’sの流行がルーツになっていますが、最近はその年代のピークドラペルのダブルジャケットもそろえています」(井澤)。
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メンズファッションにマストなミリタリー古着は、あえてヨーロッパの軍モノをセレクト。「アメリカものに比べて、洒落たデザインやカラーリングが多いんですよね」(井澤)。このフリースジャケットも切り替えやエポーレット、コードをあしらったスタンドカラーなど、メゾンブランドのような趣だ。
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そして今、井澤さんが力を入れているのがマルジェラ期のエルメスの古着。「マルタン・マルジェラがエルメスのデザイナーを務めた1997年から2003年までの古着はコレクターも多く、希少になっていますが、最近集めています。このコーデュロイのコートもそのひとつです」(井澤)。
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襟元にはマルジェラ期のブランドタグと「MADE IN ITALY(イタリア製)」のタグが。汚れなどはなく、ライトベージュの色みもコーデュロイの畝も美しい。現行品のエルメスよりもストーリーがあり、かつ手の届くリーズナブルなプライスにも感動!
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SHOP DATA
住所:東京都渋谷区神南1-15-7COENビル6F
TEL:03-3464-7115
営業:14:00〜20:00
定休日:無休
Instagram:@tunagijapan
WEBサイト:https://tunagijapan.base.ec/
YouTube:https://www.youtube.com/@tunagijapan
Photos:Yumi Yamasaki
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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