▼ WPの本文 ▼
脚本家・向井康介が書き下ろしたひと夏の恋の情景に乗せて鈴鹿央士が熱演! 毎日ロゴTしか着ない"ロゴTくん"のおしゃれと淡い恋の行方はいかに⁉
主演・鈴鹿央士。
ここだけのラブ&ショートストーリー
ロゴTくん"オージ"の恋物語
Scene:07
マッチングアプリで知り合った女の子とご飯に行った。
シイコという名の同い年で、横浜の大学に通っていた。都内の広告デザイン会社から内定をもらっていて、来春から東京暮らしなのだという。「オージくんは、まだ決めていないの?」「自分は流されやすい性格だから、とりあえずで就職したら、きっとそこに居続けてしまう」。オージの言葉に、シイコは不思議そうな顔をする。「でも、生きてくってそういうものじゃない?」
シンプルなプリントTと見せかけて、単語の一部が刺繍になった凝ったデザイン。黒より柔らかいけどシックさもあるダークグレーなら、初デートでも好印象⁉
Scene:08
1週間後、シイコから花火大会の誘いが来たけど、オージは適当な言い訳をして断った。
まだ心のどこかにイッシキアカネがいたのかもしれない。オージはリンタローを誘って一緒に花火を見た。リンタローは昨日飲み会で知り合ったという女の子を連れていた。男だけの方が気楽だったのに、とリンタローを恨んだが、女の子は浴衣姿でとても可愛かった。二人は花火を見終わるとすぐにどこかへ行ってしまった。オージは一人、帰り道を歩きながら、やっぱりシイコと花火大会へ行けばよかったと思った。次の日、シイコにLINEを送ったけど、既読がついたまま、それきり二度と返事はなかった。
夜も映えるピンクのTシャツは、ビッグシルエットならぐんとこなれた雰囲気で楽しめる。ロゴの黒をバッグで拾って引き締めるのもポイントだ。そういえばピンクのTシャツを着てた女の子がいたような……。
Scene:09
夏休みに入った妹が実家から遊びに来た。
妹は地元の高校に通う17歳。子供の頃は男みたいに河原で走り回っていたのが、柄にもなく色気づいて、あの服だのこの化粧品だの、散々買い物につきあわされる羽目に。「お金なくなっちゃった。今日、泊めてくれるよね?」仕方なく家に上げてやったけど、風呂上がりに勝手にオージのお気に入りのロゴTを着ていたのでつい怒ってしまう。「え、これ寝間着じゃないの?」
妹にはわかってもらえなかったけれど、男子が着てもルーズフィットな1枚なら、定番のカレッジロゴも断然こなれたムード。背中には"Y"をプリントした、文字の配置にもセンスが光る!
Scene:10
遅い昼ご飯で入った蕎麦屋で、大雨を食らった。
台風の日なんかに出かけるんじゃなかった。店先で、雨と風を呆然と眺めている。
淡いグレーのTシャツにフロントロゴがきいている、と眺めていたら蕎麦と薬味が頭に浮かんだ。さらにタイダイを忍ばせて、メリハリを加速! 天気はあいにくだけど、コーディネートだけは今日もばっちり。
Scene:11
今年も野外フェスの季節が来た。
オージはリンタローと一緒に開催地へ向かう。二人の毎年の恒例行事だ。テントを張り、拠点ができると、二人はそれぞれ目当てのライブに向かって解散。夜に落ち合ってビールで乾杯するのだ。ライブの前に腹ごしらえをしようと、オージは露店が並ぶフードコートに立ち寄った。行列に並んで待っていると、隣の屋台に並んでいる列にある人を見つけて動けなくなる。イッシキアカネ。渋谷では会えなかったのに、まさかこんな場所で再会できるとは。同じロゴTは着ていなかったけど、これは運命ってことでいいんじゃないか? ひと夏ぶんの勇気を振り絞って、オージは声をかけようと一歩踏み出した。でも、そのときに気づく。隣で彼女と手を繋ぐ男がいるのを。しかも、男の着ているTシャツは、初めて会ったときに彼女が着ていた〝BOY meets GIRL〟……。「そのロゴT、彼氏に借りたやつだったんだよ、きっと」事の顛末を聞いたリンタローは言う。「これもひとつの運命の形だな」「そんな運命ならいらない」リンタローはビール片手に笑ってる。
外で聴く音楽と、外で飲むビールはやっぱり最高。野外のグリーンにもなじむ、ニュートラルなグレーやベージュでスタイリング。締め色を使わなくても、胸もとのビッグロゴさえあればメリハリだって十分に! でも、音楽にかけた"CHILL OUT"だったけど、恋が"散る"ほうだったのか……。
Scene:12
フェスの帰り、オージはなんだか海が見たくなって、途中でリンタローと別れて鎌倉に向かった。
明るい海水浴場を想像していたのに、あいにくの曇り空で、海岸線には人影がまばらだった。鉛色の海を目の前にして、オージは自分が泳げなかったことを思い出した。空を見上げていたらくしゃみがでた。海からの風はどこか冷たい。二の腕の鳥肌をさすりながら、夏が急速に終わってゆくのをオージは感じていた。
見慣れたボックスロゴも、平仮名と爽やかなブルーなら新鮮な印象。恋と夏が終わる頃、大量のロゴTもクローゼットの奥へと配置換え。自分のマインドを投影したロゴは、パワフルな季節にこそ映えるもの。秋服の計画を練りながら、あと少しの"毎日ロゴT"ライフを味わいつくそう!
Story:Kosuke Mukai Photos:Yuhki Yamamoto Hair&Make-up:Narumi Tsukuba(for boys) Yoko Okuno(for girls) Stylist:Shun Katakai[tsuji management] Models:Ouji Suzuka Rintaro Hinotsu[Both are MEN’S NON-NO models] Karin Hina Mishima Maru Nouchi
▲ WPの本文 ▲