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Concept
これまで、コンセプトやモチーフを立てて、実験的な男子のヘアメイク提案をしてきた。前回までにやってきた、’70s・’80s×栁俊太郎、K-POP×守屋光治、セルジュ・ルタンス×山本涼介、デヴィッド・ボウイ×中田圭祐も、かなりのクオリティだった。
しかし今回は、「現代の男子」という、リアルな人物ありきでカッコいいものが作れたらと考えた。
そこで白羽の矢を立てたのが、若い世代を中心に人気を集める、メンズノンノモデルの鈴木仁。普段の彼は、奇をてらったようなスタイルでもなく、ヘアもオーソドックス。現場ではどちらかというと控えめで、意見を持ってはいるが、派手に自己主張するタイプというわけでもない。それなのにとびきりかっこよくて存在感がある。決して頑固ではないが、一本芯の通った意志の強さも感じる。フラットに周りを見渡して、自分に何が求められているのか、器用にこなす面もある。
そんなところが、「今っぽい」なと思う。強いこだわりやカルチャーを持つというより、いいと思ったものを気軽に取り入れては、好きか嫌いか他意なくジャッジしていく。だからこそ、色んなスタイルに挑戦できるし、先入観や偏見もなくメーキャップを取り入れることを面白がれるのだと思う。
そんな鈴木仁だからこそできる、ヘアメイクを媒介にしての変幻自在な男子像の提案を、この連載初の試みとして、3回連続でアップしていく。
異なるアプローチ、異なるテイスト。誰だって、どんなふうに装ったっていいし、ヘアメイクを楽しんでいい。美しくなりたい、かっこよくなりたい、コンプレックスを克服したい…そういう理由だけじゃなく、ただ楽しいからというプレイフルな理由でメイク道具に手を出すのも全然アリ。そんな自由さを感じてもらえたらうれしい。
Suzuki’s comment
こういうヘアメイクに挑戦したのは、昨年出版した写真集『INTRO.』での撮影以来です。衣装とヘアだけじゃなく、メイクという要素がひとつ加わるので、どんな表現をしようか考えました。いつものメンズノンノの撮影では、とにかく服をかっこよく見せることが大事だなと思っているので、ゴールがちょっと違いましたね。そこで考えたのは、メイクにじゅうぶん情報がつまっているので、無理にキャラづくりをしないでいつも以上にフラットな自分で臨もうということでした。それぞれのメイクのテンションにゆだねて、表情やポージングが自然に引き出されているように見えるといいなと思ったんです。そうすることで、自分でありながら、少しいつもと違う雰囲気のようなものが出たので、かなり新鮮で面白かったですね。メイクって、楽しい表現方法だなと感じました。唇に色があるだけで、口角を下げたとき、上げたときの見え方が全然違ったりしますよね。こういう撮影はあまりないですが、自分のなかになかったアプローチ方法が見つかったりして、とてもいい経験になりました!
ほかの2つの回も、楽しんでもらえると嬉しいです。
WHAT’S wear make-up?/KANADA氏の人気ヘア連載『東京hair DO!!!!』から派生した企画。毎回様々なメイクアップアーティストを迎え、ヘアとメイクによって新しい男性像を打ち出そうという実験的な試み。
シャツ¥77,000・パンツ¥260,000・シューズ¥75,000/サンローラン クライアントサービス
コート(参考商品)・ブルゾン¥78,000・パンツ¥119,000・シューズ¥64,000/ジルサンダージャパン
Hair: KANADA[LAKE TAJO] Make-up:anna[S-14] Photo:Kazuhiro Fujita Stylist:Takkayuki Tanaka Model:Jin Suzuki[MEN’S NON-NO model]
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