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──ヘアとファッションのテイストは必ずしも統一されていなくてもいい。ヘアが服を、服がヘアを、あえて否定し合うようなアプローチがあったっていい、そこから新たなおしゃれが生まれることだってある。フラットであるということは、何にでもなれるということなんだ――。フラットな雰囲気でヘアや服によっていろんなテイストになりそうな熊谷さん。ミックススタイルも難なく受け入れられそうと、今回KANADA氏が声をかけた。
このファッションにはこの髪型でなくてはいけない」、はたまた「こういう髪型にするならこんな服でなきゃ」…そんな固定観念から自由になっている今の子たち。全身のコンセプトを必ずしもがっちり統一させなくてもいいというのは、実はゼロ年代以降の重要なキーワードではないか。前回、V系のヘアメイクにメンズノンノらしいクリーンな着こなしを合わせてみたけれど、現代のストリートに落とし込むとこうなるのか…と、焼き直しではない面白みを感じた。そういう軽やかな気持ちでの試みは、おしゃれの可能性を広げる。今回は90年代のB-BOYを彷ほう彿ふつとさせる着こなしに、コンサバなヘアをぶつけた。HIP HOPはいつの時代もカッコいいけど、ファッションとしてのメンズノンノ的なつき合い方を考えたかったんだ。
熊谷くんはストリートファッションが似合うおしゃれな東京男子。無造作なヘアとヒゲを生かしてとことんエッジィなB-BOYに仕上げることもできるけれど、あえてど直球のクラシックなハンサムヘアにした。そうすることで、着るものへの気負いがなくなりちょっと余裕も感じる。ヘア自体はしっかりセットしてるのに抜けが出るって面白いよね。すごく今っぽいとも思う。特定のスタイルを貫くのは、大人になってからもできる…というか、年をとるほど似合うものは少なくなるから(笑)。カッコいい、かわいい、ポップ、硬派、ストリート、モード…自由に組み合わせを遊んでほしい。きっと新しい発見がある。
古くて新しいセンターパートのリーゼント
一度根もとから立ち上げたヘアをセンターで分けて左右に流す。リーゼントのシルエットでありながら、男くささだけでない"ハンサム感"をほんのり足している。これをサイドで分けるとクラシック感が弱まってしまう。メンズのヘアって本当ちょっとしたことが大事だ。
ダウンジャケット¥29,800/ラボラトリー/ベルベルジン® フォトロンT¥4,445/Tangerine その他/スタイリスト私物
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Hidero Nakagane[S-14]
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