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その人のスタイルや雰囲気がすてきだったときに、どんな言葉を使うだろう。カッコいい、かわいい、おしゃれ…いろいろあるけれど、「洗練されているね」「モダンだね」と言ったり言われたりしたことはあるだろうか。メンズノンノ読者世代には、リアルにはなじみのない言葉かもしれないが、その魅力についてKANADA氏が語る。
金子港土さん(22歳・フリーター)
本人自ら、この連載に出たいとKANADA氏にDMを送ってくれた! この完成したヘアが、どんなふうに洗練されるのか…。
「モダンだね」っていう褒め言葉、みんな世代は使わないかな?(笑) あえて具体的な言葉で説明すると、洗練されていてシンプルなんだけど、ノームコアと違ってファッションへの意欲やこだわりはあるって感じかな。響きが似ている「モード」はトレンドを追う部分があるから、僕の中でモダンより少し受動的。もっと強い意志を持って自分に似合うものを取捨選択して、能動的に洗練させている人こそが「モダニスト」だと思っている。だけど、これというものを見つけている分、おしゃれへの熱量が低く見えるのが面白いところ。そこが大人な余裕を感じてすてきに見えたりするのかもしれない。でもそういう達観したスタイルは、40代、50代でたどり着けばいいから、まず読者世代に向き合ってほしいのは、奇をてらわずに自分を洗練させるには、何が自身に似合うのかを考えること。金子君はいわゆる正統派なハンサムだし、落ち着いた雰囲気でいいなと感じたけれど、正直、巷(ちまた)にあふれる茶髪のマッシュがそれを打ち消してしまっている気がした。カットデザインがききすぎていて、エッジが立っている分、本人から浮いてしまっている。はさみは入れずにもっとモダンなムードになれるのではと思い、無造作に自然な動きを出してみた。大人っぽく、魅力的な人物像になったと思う。つくり込みすぎたり、整えすぎるほど、ときにモダンとは遠のいていく。おしゃれに意欲的な世代であってほしいからさじ加減が難しいところだけど、“洗練させる”という感覚を少しずつモノにしてほしい。
手数は多くとも、やりすぎに見せない
完璧にカットされたマッシュヘアをニュートラルに見せるため、全体を軽く巻いて、動きを出しつつシルエットをくずす。ただしセットしすぎると振り出しに戻るので、完璧の一歩手前で止める余裕を意識した。
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Yasuki Nakamichi
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