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「前回までアンダーグラウンドなアプローチが続いたから、180度舵(かじ)を切って今月は“コンサバ”がやりたい!」とKANADA氏。ともすれば若い世代やファッション好きに敬遠されがちなジャンルだが、個性を生かしたカッコよさを追求することはできる。
髙林 聖さん(19歳・大学生)
トレンドのサロンに通う、今どきなヘアスタイルの彼。あえてコンサバなムードをぶつけてみたら、面白そう!
コンサバという言葉は、ファッションの現場でしばしばネガティブな意味で使われることがある。由来となるconservativeを訳すと“保守的な”で、特に若い世代やストリートカルチャーのシーンにおいては、地味でつまらないもの、旧態依然なものと捉えられがちだ。はたまた、清潔感や好感度の高さから、揶揄(やゆ)する意味で優等生的だと捉える人もいるだろう。でも、ひとつのスタイルとして向き合い、意志を持ってやれば、何にだって新しい自分になれる可能性や、カッコよさを見つけられる。例えばコンサバの対極にあるパンクスタイルだって、誰がやっても先鋭的でイケてるわけじゃない。ダサいパンクもあるよね(笑)。要は、それをどのくらい面白がって、自分らしく乗りこなせるかだ。髙林君はストリートファッションが好きで、今どきっぽくカラコンにも挑戦していたりする子。そんな彼がコンサバスタイルに挑戦したら、いいハレーションが起きると思った。コスプレにするのではなく、彼の延長線上で成立させるため考えたのは、セットだけでコンサバをつくること。ウルフベースのヘアはすごく似合っているからそれを生かして、モードやロカビリーなど、違うジャンルになってしまうギリギリ手前のさじ加減で前髪をアップに。コンサバの肝である清潔感は、サイドをすっきりさせることで演出した。どこから見てもコンサバな男子像になったけど、ちゃんと強さも個性もある。コンサバがフラットなものだと思ったら大間違い。食わず嫌いしないで、試してみたら面白いよ。
コンサバはとにかくセット力がモノをいう!
どのジャンルにも属さない「中庸」を極め、清潔感と好感度とのバランスを探るのがコンサバヘアのポイント。こだわりがないと「可もなく不可もなく」になりがちゆえ、毛の落ち具合やウエット質感の加減など、細部によく気を使うこと!
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Yasuki Nakamichi
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