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おしゃれをもっと楽しむなら、服のことだけ、ヘアのことだけを考えるより、両者のマッチングを意識してみよう。トータルバランスを制してもっとカッコよくなるためのヒントを、本誌でもおなじみのスタイリスト・小松嘉章さんと、ヘアメイクのNOBUKIYOさんに聞いてみた!
Supervisor
Hair&Make-up : NOBUKIYO
Stylist : 小松 嘉章
Best Match! #1
センターパート
スイングトップ
HAIR
今っぽいデザインには
小じゃれたニュアンスを意識!
定番アイテムの中のちょっと遊び心ある1枚を着るときは、ヘアもちゃんと頑張ったほうが洗練されたおしゃれ感が出ます。ここまで色の印象も強いなら、なおさらヘアで手を抜かないほうがいい。センターパートで、少しおくれ毛を意識すると、こなれた雰囲気でこの1着のよさが引き立ちます。
FASHION
本来のいなたさと一線を画す
色・柄やデザインに注目
スイングトップって、本来はいなたくレトロなアイテムだけど、この春はきれいな色やポップな柄、ちょっと変わったデザインのものが目を引きます。年中ある定番アウターだからこそ、春らしいものを選んでみては? 基本は使いやすいアイテムなので、ヘアをいろいろ遊べるはず。
POINT
セミウエットにしてセンター分けにしたら、耳にかかるか、かからないかの境界を曖昧にしながらサイドの毛や衿足を散らす。
ジャケット¥79,200/オーラリー メッシュプルオーバー(アンユーズド)¥23,100/アルファ PR 中に着たTシャツ¥19,800/セブンバイセブン スカーフ¥19,800/メゾン キツネ カスタマーセンター
HAIR
おくれ毛の処理はアウターの
テンションに合わせて
「センターパート
FASHION
個性のあるアイテムには
ヘアもカッコいいが前提
右のスイングトップはモードな雰囲気が漂うのでタイドアップに。左は春らしいチェック柄がかわいいので、カラーシャツを合わせてとことんポップで若々しい印象に。右ページ同様、個性のあるスイングトップを使った着こなしだからこそ、NOBUKIYOくんの言うとおりヘアも手数が欲しい。
POINT
ややストイックな仕上がりにしたいので、サイドはタイトなシルエットにし、前髪も細かく散らすというよりはある程度束感をつくって。
ジャケット(シュープ)¥79,200/サカス ピーアール シャツ¥34,100/エンジニアド ガーメンツ ネクタイ¥30,800/オーラリー パンツ(ウティ)¥41,800/にしのや
POINT
シャツのようなスイングトップの軽さに合わせ、毛流れと毛先の動きを重視。手ぐしでざっくりセンター分けにしたラフさを生かす。
ジャケット¥33,000/ジエダ シャツ¥37,400/イレーヴ パーカ¥33,000/ラッド ミュージシャン 原宿
Best Match! #2
ドライグランジ
デニムジャケット
HAIR
グランジ感のある、ドライな
無造作ヘアがぴったり
もし、老舗デニムブランドのGジャンでオーセンティックな着こなしにするなら、ビシッとキメたジェンツなヘアが似合うと思うけど、もっと今っぽいストリート感のある着こなしなら、カサッとした質感で抜けのあるヘアに。寝ぐせかセットかわからないくらいの余裕が色っぽくもあります。
FASHION
アイテム自体の面白さを
生かす着こなしがおすすめ
スイングトップ同様、変わり種なデニムアウターが充実している。リジッドもウォッシュドも両方いいけど、ザ・アメカジという感じの武骨なムードではなく、右のようにスポーツMIXにしたり、左のようにデザインの面白さを全面に見せたり。ヘアで引き算してもらえるとうれしいです。
POINT
クレイワックスを全体にくしゃくしゃともみ込み、空気を含ませるように根もとをやや立ち上げる。くせ毛のような質感を意識して仕上げて。
ジャケット¥59,400/セブンバイセブン 中に着たジャケット¥25,300/アンセルム パンツ(J.プレス オリジナルス)¥29,700/J.プレス & サンズ 青山
POINT
あえてランダムな方向に髪を立ち上げ無造作に。ツヤあり&直角に立ち上げたツンツンヘアだとややトゥーマッチ。頑張らない立ち上げ感で。
ジャケット¥97,900/コッキデザイン事務所 パンツ(バラード)¥35,200/サカス ピーアール
HAIR
現代のグランジヘアは
エアリー感がポイント
服の話同様、「グランジ」や「無造作」に挑戦するなら、クリーンさはキープしたい。オイリーなテクスチャーになると、ノーウォッシュ感が強くなるので、あくまでドライに、エアリーなムードに着地するようにしてください。デニムジャケットとは髪色問わずに相性のいいヘアだと思います。
FASHION
クリーンさを忘れないのが
現代のグランジ!
ウォッシュドっていい意味でかたさがないから、レイヤードしても抜け感が出るのがいいところ。デニムジャケットはグランジっぽいドライヘアが合うという話になったけど、着こなしはカート・コバーン的なアプローチじゃなくて、クリーンなポイントをつくるのがモダンだと思います。
POINT
前髪が長い、もしくはワンレンだったら、分け目はきっちりつくらずに、自然と下りてきた毛が顔にかかるくらいの無造作具合で。
ジャケット¥59,400/タナカ プルオーバー¥52,800/オーラリー 中に着たTシャツ(アダルト オリエンテッド ローブス)¥9,680/イルイマジン ランドスケープ
Best Match! #3
ダウンヘア
テックジャケット
HAIR
ヘアはテクらず、アウターとの
対比を楽しむのがいい
テックのイメージに引っ張られてアップスタイルにすると、ガチ・スポーツ系に。もうちょっとストリート感とやわらかい抜けが欲しいので、オールダウンを提案します。スタイリング剤も最小限に、ヘアは"テクってない"余裕なムードのほうが、小松くんの言うファッション感が出ると思う。
FASHION
機能性だけでなく、おしゃれな
遊び心も楽しめる1枚を
本来"テック"ってアウトドアやスポーツの場面で使うアイテム。でも今は振り幅がある。従来は機能性の面でジャストサイズだったりムダをそぎ落としていたけど、右のようなイージーなシルエットや、左のように衿まわりのデザインがきいたものがあったりして、ファッションとして楽しめる!
POINT
サイドも衿足も、フェイスラインや後頭部に沿うように。スタイリング剤は最小限にして、毛先はあまり遊ばせず、質感もナチュラルに。
ジャケット¥36,300/ゴールドウイン 原宿 パンツ¥31,900/ジエダ
POINT
マッシュのカットラインを素直に生かした、ストンとしたダウンスタイル。トリートメントをつけ、ドライヤー+軽くブローすればOK。
ジャケット(デサント オルテライン)¥49,500/デサント ブラン 代官山 中に着たポロシャツ¥20,900/メゾン キツネ カスタマーセンター
Best Match! #4
サイドパート
テーラードジャケット
HAIR
ジェンツな要素は少しだけ
踏襲しつつ、ラフに仕上げる
テックと同じくジャケットも、もともとの用途に遊び心を加えて昇華したようなアイテムが多くわくわくします。テーラードジャケットは本来フォーマルなアイテムなので、少しそのムードを残したサイドパートにし、グリースやコームを使わずにオイルと手ぐしだけでラフに仕上げました。
FASHION
2枚目に買うテーラード
ジャケットは、遊び心で選んで
トラッド人気でそろそろみんな紺ブレは手に入れたかなと思ったので、せっかくだから色・柄で遊べる、かつ軽いものを紹介したい。どちらも流行りのレトロ感を意識したテイストのものをピックしつつ、肩ひじ張らずにシャツをはおる感覚で使えるから、メンズノンノ世代にぜひ着てほしい。
POINT
もみ上げがあるなら、それを見せると大人っぽい雰囲気に。前髪は耳にかけ、サイドの毛は自然に後ろへ流し、ややタイトなシルエットに。
ジャケット(ニードルズ)¥33,000/ネペンテス 中に着たジャケット¥30,800・パンツ¥30,800(ともにサスクワァッチファブリックス)/ドワグラフ.
POINT
自然に手ぐしで分けた、7:3~8:2くらいの曖昧なサイドパートに。くせ毛生かしか、軽くコテで巻いて、レトロなアンニュイさを。
ジャケット(ヨーク)¥74,800/エンケル シャツ¥22,000/ソフトハイフン クロシェット(20/80)¥11,000/HEMT PR パンツ(リビルド バイ ニードルズ)¥44,000/ネペンテス
Best Match! #5
タイトシルエット
ステンカラーコート
HAIR
ヘアとコートで縦長の
Iラインをつくるとカッコいい
こういうロング丈のコートには、サイドをぴっちりタイトにして、ヘアも服もトータルで縦長のシルエットをつくるとすごくカッコいい。例えばコートのテイストがもっとハードだったらキマりすぎるけど、こういうきれいなカラーだったら、カジュアルさも感じるようなちょうどいいバランスに仕上がると思います。
FASHION
プレーンな形だからこそ、
色やディテールが際立つ
ロングアウターも紹介したくて、その中でもステンカラーコートは変わり種がたくさん出ていて面白い。この、やや幅広でエッジのきいた肩のシルエットと取り外し可能な衿がユニークなコートは、モードな雰囲気たっぷり。ヘアもバチバチに気合を入れて着こなしてほしいなと思いますね。
POINT
オールバック、もしくは9:1で額も耳もすっきり見せる。特にサイドはしっかり押さえるため、グリースやハードジェルを使おう。
コート(ユウキハシモト)¥137,500・Tシャツ(シュープ)¥19,800/サカス ピーアール パンツ(N.ハリウッド コンパイル)¥68,200/ミスターハリウッド
HAIR
アウターのボリュームに対し、
ソリッドに仕上げる
長さはもちろん、全体にビッグシルエットのコートなら、なおさらヘアのシルエットがタイトだとその対比が面白い。ショートやベリーショートの場合は、完全にオールバック&サイドをなでつけたら、ちょっとだけ毛先を立ち上げるように遊ばせ、きれいめなコートに対してパンクなテイストを足すのもあり。
FASHION
薄手の生地なら、
レイヤードで味変を楽しめる
ステンカラーコートは、きれいめかつコンサバな印象があるけれど、こういう薄手のビッグシルエットなら、インにレイヤードするもので、印象チェンジが可能。ストイックな短髪には、パーカを合わせてストリートの要素を足すと相性がいい。首まわりがすっきりしている分、レイヤードを遊べるのもいいところ。
POINT
短髪の場合もジェルかグリースをたっぷりつけて、バックに流す。フロントの毛を気持ちツンツンに立ち上げてもカッコいい。
コート(ティーエイチ プロダクツ)¥113,300/TARO HORIUCHI Inc. パーカ¥93,500/オーラリー Tシャツ¥27,500/ディーゼル ジャパン パンツ¥42,900/WEWILL
Best Match! #6
ニュアンスウエット
レザージャケット
HAIR
ジェンダーレスな魅力がある、
ウエットヘアと好相性
レザーといえばこれまでは、昔でいう"男くさい"というようなイメージがついていたから、ヘアもそっちに寄せるのが主流だった。でも、アイテム自体の幅が広がっているように、ヘアのアプローチもさまざまに。こんなホワイトなら、ニュアンスを重視したウエットヘアがすごく似合う。
FASHION
春らしいホワイトで、
レザーでも軽やかな印象に!
レザーのアイテムといえば、ライダースを筆頭に、いかつくハイクラスなものが名品として君臨していたりするけど、こういうセンシュアルなムードのものも春にはおすすめ。品のあるシャツジャケットを合わせつつ、ヘアも繊細なムードたっぷりに仕上げたら、ジェンダーレスな魅力が生まれる。
POINT
顔まわりでラウンドになるよう前髪~サイドをカットした、外ハネのウルフ。ジェンダーレスな雰囲気が、レザーの印象をよりやわらかくする。
ジャケット(N.ハリウッド コンパイル)¥66,000/ミスターハリウッド 中に着たジャケット¥71,500/ヨシオクボ ニットポロ(ジョン スメドレー)¥41,800/リーミルズ エージェンシー
HAIR
ラフ&ウエットヘアは
ハードな素材と好相性!
黒レザーに合わせるヘアは、どのくらいラフさを出すかで抜け感が決まる。こういうハードさを間引いた着こなしなら、ウエットにしつつもしっかりくずすのがポイント。セット力のないオイルだけつけて軽くかき上げたら、そこから自然に落ちてきちゃった…くらいがちょうどいいと思う!
FASHION
黒レザーは合わせるアイテム
やヘアで激変する面白さが
黒レザーも、タフな着こなし一辺倒じゃなくていい。シャツ&タイドアップでグッドボーイなスタイリングと合わせ、さらにメッシュ素材を重ねたりと、ハード感を消す方向のアプローチで。どう着こなすかで劇的にキャラ変できるから、ヘアとのマッチングも考えがいがあるのでは。
POINT
オイルをやや多めに髪全体にもみ込むように塗布し、無造作に一度後ろへ流す。そこから自然に落ちてきた"狙ってない感"がベスト!
ジャケット(エー レザー)¥154,000/エー ブティック メッシュタンクトップ(ダブレット)¥42,900/エンケル シャツ(08サーカス)¥39,600/08book ネクタイ(インディビジュアライズド アクセサリーズ)¥19,800/メイデン・カンパニー
Photos:Shuhei Tsunekawa[SIGNO] Hair & Make-up:NOBUKIYO Stylist:Yoshiaki Komatsu Models:Eriya Keisuke Nakata Kotaro Inai Rintaro Mizusawa Sosuke Ogata[They are MEN’S NON-NO models]
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