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一般的な好感度やトレンド、顔立ちに似合っているかetc.とは別に、その人の取り組んでいることや職業など、バックボーンを踏まえて見たときに成立しているヘアがある。前回に続き、今月もKANADA氏が大好きなバンドマンが登場! どんなステージヘアを提案する?
中田統馬さん(23歳・大学生)
バンドでギターを担当している彼。今のスタイルもいい感じだけど、もっとハードなムードを強調しても似合いそう!
前回この連載に出てくれた中前君と同じバンドで、ギターを担当している中田君。同じバンドの子が2か月連続で出るというのは新鮮な試みだ。最近下北沢によく行くけど、とにかくロン毛の男の子が多い。でも、ファッションでロン毛にしている子と、音楽をやっている子のロン毛には歴然とした差があるからすぐわかる。前者は、美容師の細かなテクニックが感じられるし、こなれた抜け感があるけど、後者はちょっとカルチャーの匂いのする、いい意味の野暮ったさがある。中田君も60~70年代のロングウルフの雰囲気をまとっていたし、実際話を聞くとビートルズが好きだと言うので、しっかり自分の中に芯があってのスタイルだというのもわかる。バックボーンがある子は、やっぱりカッコいいなと純粋に思う。となるとクリエイターとしては、もっとブラッシュアップしたくなる! そこで彼がステージに立ったときにとびきりキマって見えるヘアを考えた。彼は本人の持つ雰囲気がソフトだから、もっとゴリゴリにソリッドなウルフにしても、ハードになりすぎることはないと思い、前髪からしっかりシャギーを入れてみた。ある種、一般の子がしたらトゥーマッチになるかもしれないけど、ミュージシャンだったらこのくらいトガってていいと思う。もともとややレトロ寄りのムードだったけど、ちょっと90年代的なアプローチでもあるから、よりロックなクールさが足されたと思う。これでギターをかき鳴らしたら、最高にカッコいい!
少し陰のあるクールさを演出する前髪
一度アイロンで全体をストレートに伸ばし、前髪とサイドは、目や頬骨が隠れるくらいのダウンヘアに。でもそのままだと“スタイリングした感”が強い。あえて再度少しだけぬらし、癖を復活させてちょっとした野暮ったさを出した。
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Tomohiko Sawasaki[S-14]
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