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固定観念からの解放や、ボーダーレスであることの自由を楽しめる時代になった。その一方で、自分がニュートラルなスタイルになるのは難しい、と感じる人もいるだろう。でももし本当に自分がやりたいなら、前時代的なアプローチだって、もうダサいと言われるようなスタイルだって全然アリ!
大石 海さん(22歳・ジュエリー関係)
22歳とは思えない色気と渋い雰囲気が、KANADA氏の心を捉えた。今っぽく仕上げるより、彼らしいカッコいいを提案。
このスタイル、今の読者にはどう映るだろう。ここ数年、街には洗練されたジェンダーレスな子が本当に増えたし、頑張ってカッコつけなくてもいい、むしろギラギラしてるのはナンセンスというムードに満ちている。男性だからって“男らしく”しなくていいし、肌をつるつるにしたいと思うのも自由だ。だからこういういわゆる“男くさい”かつ、しっかりカッコつけた世界観は、ダサいとか、前時代的に見えたりするのかな。でもファッションは本来自由なのだから、たとえ世の流れと逆行していても、自分がそこにカッコよさを見いだしているならば好きにめざせばいい。選択肢が増えるときに、何かが追いやられるのはもったいない。抜け感なんて出せないよ、と悩んでる子も絶対いると思うし(笑)。大石くんを見た第一印象は“この若さでこんなに色気があるのか”だった。自作のアクセサリーをまとい気合が入っていていい感じだ。彼の雰囲気を時代に乗せてニュートラルにしてしまうのはもったいない。そこでカウンターカルチャー的に、とことん“90年代的な男くささ”で攻めてみた。ヒゲもロン毛も彼のアイデンティティとしてそのままに。“いなたい”のような狙った“ダサカッコいい”ではない。今の時代にはダサいといわれるようなものにカッコよさを見いだして、自信を持ってとことん究める。“ダサいけどカッコいい”は勇気を出してマイウェイを貫いた人だけが手にできる。こんなカッコよさ、なかなかマネできないでしょ。
攻めの姿勢に満ちたロングヘア!
とことんワイルドで色気のあるロン毛に。いろんなアレンジを楽しめる万能のセイムレイヤーにして動きをつけつつ、長めの前髪をつくりサイドに流した。とはいえ清潔感は大事! ほどよいセミドライと手入れしたヒゲはマストと心得て。今こんなにファーの似合う男子、いないでしょ!
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Tomohiko Sawasaki[S-14]
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